B面でかせごう!

京都なまりのフランス語通訳
*人見有羽子のポップでキュート*

6月は音楽月

2009-06-20 00:40:10 | 音楽です。

そう決めたわけではないですが、自然の流れです。

先週は、すみだトリフォニーホールで若きドイツのピアニスト、マルティン・シュタットフェルトのリサイタル。マルティン君と君づけしたくなるような若々しさで、バッハの平均律クラーヴィア曲集第一巻、つまりBWV846-869番の24のプレリュードとフーガを休憩をはさんで一挙にこともなげに弾ききってました。

むろん、わたしの本命は何といっても、11月に来日してやはり平均律クラーヴィア曲集の第二巻を披露してくれるセルゲイ・シェプキンですから、2人の平均律を聴き比べてみよう!というセット券にしっかり乗じた形です。

でも、このセット券がものすごくお得で(両方あわせてA席なら5000円)、2500円で上質のバッハが聴ければ万歳万歳です。

でも、平均律クラーヴィアはやっぱりちょっと耳に難しいね。渋いというのか。家にはグールドのCD4枚組があるのだけど、いつも1枚めしか聴かない!(つまり、第一巻の第12番まで・・) ちょっと反省して、あれからi Podに入れて耳慣れしようとしてますが、なかなか・・。

バッハが記した序文には「これから音楽を学ぶ若者のために役立つばかりか、すでに技術を習得し、音楽を趣味とする人でも特に楽しめるように作曲した」と書かれてあるそうですが、ゴルトベルクやパルティータ、インベンションよりも楽しむためのハードルは高いと思うなあ。

それから一週間もたたない火曜日。雨の中、はるばる相模原市までまたまたバッハの傑作「マタイ受難曲」を聴きに馳せ参じましたぞよ。

バッハはくせになるんですよ。気持ちいいですから。ひとりゾクゾクする秘やかな快感ですけどね。

で、相模原市ってどこ?って感じの関西人が電車を何度も乗り継いで行きましたが、この杜のホールはしもとというホールが良い感じなんです。二階席の最前列でしたが、舞台から遠くない。字幕スーパーを追ってますから、これくらいの距離がちょうど。

しかも・・って、あ~話だすとキリがない。興味ない人にはつらいわね。ここでやめとくか。とにかく日米のバッハ研究の権威二人(アメリカ側がジョシュア・リフキン氏、日本側が礒山雅氏)が、18世紀の演奏法を極力活かして、ということで、いわゆる通常の壮大なスケールの受難曲とは一線を画した、非常にインティメイトな室内楽的受難曲、新鮮ですよ(しかも、バッハの時代を踏襲して、皆、25才以下という若さ!初々しい!)

物量に頼らないという点では、良質な作りのヨーロッパ映画を観ている気分。

でも18時半開演で、終わったのが22時10分。へとぴーーー。

それから、また1時間半ほどかけて帰宅・・と思った途端、くらくら。夕ご飯食べてなかったの~。つらい~。遅いおやつにミスドのドーナツ食べたのだけど、全然、足りてない~。駅のホームで、グミをほおばって、水を流し込み、空腹感をごまかす、という優雅とはほど遠い姿でした。

腹ごしらえすると神経が鈍くなると思ってさ、食べてかないんだよ。でも、パリじゃないんだから。電車で帰宅することを考えなきゃいけないんだから、夜に文化を実践するのも体力勝負だね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

6月の紫陽花と緑道

2009-06-16 15:52:53 | 好きなもの

梅雨の季節に嬉しいのはあちこちにぼんぼりをぶらさげている紫陽花。

いつも自転車を走らせる緑道はものすごく手入れがされていることを最近、実感。

ブロックごとに青や紫やピンクの紫陽花やガク紫陽花が植えられているんです。それはちょっとステキです。

Photo 深沢を抜ける緑道はむかし流れていた呑川を埋め立てしまった道なので小さな橋の名前を彫った碑がほぼブロックごとにあって、それが可愛いんですよ。

さくらばし、とか、やなぎばし、とか。

最近「世田谷ライフ」という雑誌が駒沢と深沢を特集していたので思わず買いましたが、「のんびり深沢」のキャッチには、あ、そうか、と思いました。

こののんびりさ加減が好きなんだな。

緑も多いし、ここ、京都の白川です。って言ってもおかしくない。で、観光客もいない。昨日はジムに行くのに雨がポツポツ。え~い、歩いて行こう。と行き帰り1時間かけましたが、その間、出会った人の数はごくわずか。

(BGMは、iPodで和幸の『ひっぴいえんど』。「タイからパクチ」「ナスなんです」「あたし元気になれ」等々、のほほんとした歌詞がゆったり散歩にぴったり。でも、iPodの危険はひったくり。後ろから人の気配が聞こえない。いつもより警戒しつつ、傘をぶんぶん振って歩くのです)

かといってお澄ましの住宅街というわけでもなく、緑道の南はむしろ昔からの庶民のおうちが今も残ってますよ。このメランジェがちょっと京都っぽい!とひとり盛り上がってます。
Photo_2
ま、わたしは東京知らないからな、きっとあちこちに素敵な場所があるのだろうけど、食わず嫌い。

というわけで、いってきま~す。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

緊張の週末も終わり。

2009-06-15 01:19:37 | ひとりごと

女友だちとの約束を2つもキャンセルし、若い男の子たちが出演するライブのお誘いも断り、

部屋に籠もって猛勉強した週末が終わりました。

仕方ないです。
ふだんの頭がたいしたことないんですもの。
裁判の法律用語なんて、いつか、いつか、と思いながら覚えようとしたことがない。
日本語でもフランス語でも。

なので裁判の様子を映像を見ながら訳すなんてとんでもない!
まずはフランス語のまま起こして、辞書を引き引き、ひぃひぃ言いながら、それでもぴったしかんかんの法律用語なんて日本語でもそう簡単に頭に浮かぶわけがないのですよ。

でも、これだって毎日やってればけっこう覚えられそう。そうなれば快感だろうなあ。って、絵に描いた餅だわ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フランス映画、絶好調!

2009-06-13 22:34:38 | シネマ&芝居

ふふ、嬉しいですねえ。

通訳を担当した作品がヒットすると我がことのように狂喜乱舞しますわ。むろん、配給会社、宣伝会社のひとたちの汗と涙に敬意を表した上で、かげながら小躍りという形ですが。

まずオリヴィエ・アサイヤス監督の会心の一作!
『夏時間の庭』L'Heure d'été

アンドレ・テシネの『ランデヴー』の脚本を書いていた頃からアサイヤス監督にはずーっと注目していたわけですが、今回の作品は永遠少年ともいうべき彼の成熟を(ようやく)見た!とお姉様たちはガッツポーズだったのよね。だから、弟の快挙のように嬉しい(ほんとは彼の方が年上なんだけど、気分的には年下の男の子です。数年前『デーモンラヴァー』の来日で取材通訳した時もほんと少年って感じでした)。

まあ、なんで落ち着いちゃったの?と嘆くファンもいるでしょうが。いや、またすぐやんちゃしますよ、きっと。

そしておそらくは大器晩成型のピエール・ショレール監督の40才を越えてのデビュー作。
『ヴェルサイユの子』Versailles

昨年10月に夭折したギヨーム・ドパルデューが主演ということで話題作。実生活での父親ジェラール・ドパルデューとの確執が主人公とオーバーラップすることもあって、複雑な思いはダブルに募りますが、わたしはとても高く買ってます、この作品!

ショレール監督とはフランス映画祭の来日の際に、配給会社さんと担当通訳さんのランチに私もまぎれこんだこともあって一応、知己の人。

こないだドキュメンタリー作家マークのアテンド通訳をしましたが、そのマークと最初に会った時に、「君はピエール・ショレールの通訳をしたよね」と言われ、不覚にも「だれ、その人?」と目を丸くしたのですが、だって私は通訳担当してませんから! ごはん食べただけですから! いずれにせよ、名刺は渡したのだった。しかも、映画をバカ誉めしたのだった。

というわけで、ショレールが私を覚えていて日本に取材に行くという友人(マーク)に「ユウコは素晴らしい!」と話したようで、人違いじゃないの?と思ったけど、「いや、それは君がバカ誉めしたからさ、効果は絶大だね」とマークに言われて苦笑い。

というわけでマークはショレールの友人で、ショレールの奥さんが私のパリの親友ジュヌヴィエーヴと友だちで、マークはジュヌヴィエーヴとも知り合いなんだよね。めくるめく縁。

最後の一本は6月6日に公開されて絶好調の『サガン ー悲しみよこんにちはー』

フランスの女性監督としては長いキャリアを誇るディアーヌ・キュリス監督の思い入れの深い作品。あれ、この話、すでにフランス映画祭の頃にブログに書いたような気がしますね。キュリス監督はいつも白いシャツにジーンズ、黒いシャツにジーンズといった男前のスタイルですが、取材の記者さんに誉められると嬉しそうにはにかむ笑顔が少女のようです。

公開にあわせてサガンの伝記も出てますよね。わたしのパリのイナルコ学生時代の同級生、永田千奈さんが翻訳してます。買って読みましょう!

『サガン ー 疾走する生』 マリー=ドミニク・ルリエーヴル著 永田千奈訳

(出版:阪急コミュニケーションズ)

以上! 今、和仏翻訳でウンウンうなっていて、ああ、日本語で文章が書けるってなんて楽なんだろう、と、ついついいっぱい書いてしまいました。駄文でごめんなさい。

ではみなさん、Bon dimanche !!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

EU Film Days のおすすめ

2009-06-11 10:41:06 | シネマ&芝居

おそまきながらなのですが、東京国立近代美術館フィルムセンターで5月29日から6月20日の期間、開催中のEU フィルムデーズ映画祭はおすすめです。

今日は熱弁をふるうので、長いです。

http://eufilmdays.jp/

実はフィルムセンターという場所はなぜか私には鬼門、という先入観がぬぐい去れず、フランスから帰国して11年、1度も足を踏み入れたことがなかった映画館です。って、そんなことはどうでもいいのだ。

とにかく、昨日、その鬼門のフィルムセンターに重い足を運んだわけですが、まあ、なんと帰り道の足取りの軽かったこと。

観ましたのはジャン=シャルル・フィトゥシ監督『私は死んでない/Je ne suis pas morte』。3時間10分の上映時間、うきうきしながら次のカットに目をこらしていたら、あ、終わりなのね・・残念。という私にはツボにはまった作品でした。

今年のEUフィルムデーズの作品選考基準は、EUそれぞれの国のふだんの生活に垣間見られるユーモアが共通項のようですが、『私は死んでない』ものっけから一見、荒唐無稽の設定。

ウィリアム・スタイン博士によって26才で生を受けた女性アリックスがこの世に送り込まれてくる。ね、なんのこっちゃ、でしょ。彼女には恋愛感情を持つことができないという欠陥があり、それを克服しようと恋人を次から次へと試しては、あかんわ、やっぱりあんたを愛せへん、ほなサヨナラ、みたいな!いえ、もっとシリアスです(かつ、アリックスが主人公というよりも、三部構成で不器用な愛すべきキャラクターが満載です)。

本作のユーモアは、イギリスぽいユーモア、pince-sans-rire(=何食わぬ顔で冗談を言う)です(日本でいうと福田前首相にこの才能をおおいに感じておりました。だから大好きでした。最後、冗談か本気かわからないセリフで幕を下ろされましたが)。

本作の登場人物たちは冗談を言う気はなくてみな大まじめに悩んでいるのだけど、ちょっと視点をずらすとかなり可笑しい。微笑ましいって感じかな。

とにかく、このフィトゥシ監督の作風に、はまった。ものすごく古典主義的な部分とそこはかとない風変わりさが共存していて、清らかなクープランの音楽、天使顔の女の子男の子が登場しながら、娼婦や裸体もあっけらかんと存在する。久しぶりに面白い!と思った作品でした。

EUには他にも面白い財宝がたんまり隠されているのではなかろうか。

なので、配給を望めない作品はやはりフィルムセンターですよ、皆さん。通おう。あ、でもとても見やすいチラシを早々と捨ててしまったバカなわたしだ。20日まで。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする