暇人おじさんのにゃんにゃんブログ

飲水思源、水を飲みて源を思う、今日も本物を求めて一万歩

イノシシロース肉のポワレ ねずの実風味

2021-02-01 01:32:06 | 洋風料理
ジビエ料理第2弾は、高橋徳男シェフのレシピ通りに、イノシシロース肉のポワレ ねずの実風味を作りました。

ロース肉は、こんな感じ。
950g取り寄せたのですが、これで400gほど。



前回も作ったねずの実風味ソースと調味料は、こんな感じ。

 

肉は切り分けず、塊のままポワレに。
最初、強火で全面焼き色を付け、次はごく弱火でポワレにしました。
金串を指して焼き加減を確認しながら焼きました。

盛り付けは、ソースの上に玉ねぎのクリーム煮を敷き、



この上に肉を乗せ、さらにねずの実風味の調味料をまぶして完成です。

  

これも大変おいしい料理となりました。
上手く焼けた肉の爽やかさが一番引き立ち、
臭みの立つ養殖肉と違い、これが本当の肉の香りなのだと納得させられます。
ねずの実とジンの風味がこの爽やかさにバッチリです。
玉ねぎのクリーム煮との相性もよく、肉・ソース・玉ねぎのクリーム煮を併せて一緒に食べると味が複層し、肉の旨味が一層引き立ちます。
高橋シェフのレシピには、栗の煮込みが添えられていましたが、これはパスしてしまいました。



ビーツ風味野猪扣肉ボルシチ風

2021-02-01 00:17:08 | 洋風料理
冬になると毎年ジビエを料理するのですが、今年も猪と真鴨を取り寄せました。
ジビエ料理第1弾は、ビーツ風味野猪扣肉ボルシチ風。

扣肉は好きな料理で、豚バラ肉を使った南乳扣肉・梅菜扣肉・芽菜扣肉等を度々作るのですが、
今回は、猪バラ肉を使ってフレンチのようなロシアンのような中華のようなもの、ビーツ風味野猪扣肉ボルシチ風を作りました。
味付けはフレンチ・ロシア風、火入れ法は中華と言った作り方ですが、一応はフレンチです。

今回使った猪バラ肉は、こんな感じ。
脂がたっぷり乗った猪らしい肉です。
これで950gあります。今回はこの半分を使いました。

  

料理は、まず最初に猪骨を使った出汁作りから。
骨と肉は一緒に一晩赤ワインと香味野菜でマリネし、



翌日、骨と野菜はオーブンでローストし、漬け込んだマリネ液で煮込んで出汁を取ります。
肉はローストしないで骨と一緒に煮込みますが、こちらは30分ほどで取出し、冷蔵庫で一晩休ませておきます。
休ませた後の肉は、こんな感じ。

 

骨の方は出汁が1/3ほどになるまでさらに煮詰めます。
5時間ほど煮込むと、こんな感じです。



骨と野菜を取出し、

 

出汁は濾してこんな感じになりました。
これも一晩冷蔵庫で休ませておきます。



次は、休ませておいた肉を油で揚げ、表面に焦げ目をつけます。

  

これを切り分けるとこんな感じ。



次はこれを蒸すのですが、その前に蒸しに使うソースと調味料作り。
ソースは、先ほど作っておいただし汁を使い、ねずの実風味に。
まずねずの実を砕いてバターで炒め、ジンと赤ワインを順に加え煮詰め、次にだし汁を加えて煮詰め、最後にさらにジンを少し加え風味付けし、塩コショウで味を調えて完成です。

調味料は2種類。
一つは、みじん切りにした玉ねぎとしめじ・シャンピニオンをまずバターで炒め、さらにねずの実を加え炒め、最後に塩コショウで味付けします。

二つ目は、梅菜や芽菜に相当するものとして、ビーツを使用します。
まず薄切りにした玉ねぎを黄金色になるまで充分炒め、そこに粗目にすりおろした人参を加え炒め、最後にこれも粗目にすりおろしたビーツを加え炒めます。
これに先ほど作っておいたソースを加えて出来上がりです。

調味料が出来上がったところで、肉の蒸しに入ります。
深皿にまず上記ビーツ調味料を敷き、その上に切り分けた肉を置き、さらに先ほど炒めて作っておいたねずの実風味の調味料をを乗せ、最後にビーツ調味料を乗せます。

 

これを蒸し器に入れて1時間半ほど蒸しました。
蒸し上がり後は、こんな感じ。



本来は、これをお皿にひっくり返して移すのですが、今回はこのままにし、
上のビーツを除けるとこんな感じ。



小皿に取り分けるとこんな感じ。
ビーツの赤い色が染み、綺麗なソースになっています。



中華風に、チンゲンサイと豆苗を炒めたものを周囲に盛り合わせてみました。

 

見栄えは中華風ですが、味はボルシチ風味フレンチと言ったところでしょうか。
猪バラ肉の脂の甘みが冴え、抜群に美味しいです。
脂分が多い分、豚肉の扣肉より深いうま味に満ちています。
肉の臭みは一切ありません。

ねずの実とジンを使ったソース・調味料は、高橋徳男シェフのレシピを使いました。
このレシピは、猪ロース肉をステーキにした添え物としてソース・調味料を使っているのですが、
今回はこれを応用したものです。
次回は、このレシピ通りのものを作ろうかと思っています。







干し豚バラ肉&焼腸入り芽菜扣肉(コーロー)を作りました

2020-12-17 17:19:12 | 中華料理
芽菜扣肉(コーロー)は、私の好きな食べ物の一つですのでたまに作るのですが、
今回は、前回アップした干し豚バラ肉と焼腸等を加えれば味が深まっていいかなと、早速挑戦してみました。

豚バラ肉は事前に油鶏水で20分ほど茹で、そのまま油鶏水の中で一晩浸けておきました。
浸け終わったのはこちら。



これを油で揚げ、表面に焦げ目をつけます。
一緒に煮込む焼腸等と並べたのが、次の写真。
焼腸は、前回アップしてからも風通しの良いところに干しておいたものです。
この他焼腸とは別に、90℃ほどに熱した油鶏水に生腸詰を入れ、すぐ火を消し20分ほど予熱通しをし、さらに寒風に干しておいたものも一緒に加えました。
写真2本並んでいるうち、下のやや大きめのがそれです。
いずれも干した分、身が詰まりサラミ風な風情になっています。



豚バラ肉は蒸す前に角切りしておきます。



これを干し豚バラ肉、焼腸等ともども深皿に乗せ、さらに炒めた芽菜も加えて蒸しの準備完了です。

 

蒸しは無水鍋を使います。
これは蓋が2重になっているので蒸気が漏れにくく、鍋の中に充満し続けますので、
気圧も高くなり圧力鍋のようになるのではないかと思っています。
その分、普通の蒸し器の半分位の時間で済みます。
今回は、温度をあまり上げないようにするためごく弱火で1時間蒸しました。
蒸し終わったのはこんな感じ。



腸詰等をスライスして一緒に並べると、こんな感じ。



付け合わせにチンゲン菜炒めを作りましたが、その調味料として蒸し終わった後の芽菜やスライスした干し豚バラ肉、焼腸等を加えました。



小皿に取り分け、他に紅芯大根のごま油和え(心里美)、蕪皮のきんぴらと一緒にいただきました。
蕪皮は2日間干し半乾きにしたものを使いました。
この本体は今蕪鮨に仕込み中です。

  

そして締めは定番通り、丼に。豚の角煮丼と一緒です。
当然この料理は丼の他、ラーメンや焼きそばにのっけてもおいしいでしょうね。



今回は今迄になく大変おいしかったです。
干し豚バラ肉や腸詰が効いたのでしょうか。
溶け出た豚の脂の中に色々なうま味が染み渡っており、これを絡めて食べるのが絶品です。
腸詰は、焼いたのも茹でたものもそれほど違いはありませんでしたが、焼いた方は焼き過ぎていた分少し硬めで、味も多少落ちているような気がしました。

芽菜と言う発酵野菜や腸詰を一緒に煮て複雑なうま味を引き出していくという意味では、
フランスアルザスのシュークルートと発想は同じで、これは中華版シュークルートと言えますね。
フレンチと中華が世界2大料理と言われるのも、同じ手法で複雑な味に仕上げていく共通性故でしょうか。




干し豚バラ肉と焼腸(広東式腸詰焼き)を作りました

2020-12-13 12:38:01 | 中華料理
11月も下旬になり、ようやく気温が下がり始めましたので、
風干しして作る中国食材、干し豚バラ肉と焼腸(広東式腸詰焼き)を作りました。

まず、豚バラ肉をカチカチになる迄干して保存食とする干し豚バラ肉から。
これは蒸しただけで酒肴として食べても美味しいですが、蒸した後色々な料理の調味料として使うことが多いようですね。
ベーコンやパンチェッタと同じようなものでしょうか。

まず豚バラ肉を1.5cmほどの幅でスライスし、柱侯醤をまぶし塗りこんだところに、
紹興酒や写真のような中国焼酎、醤油、砂糖、ネギ等の香味野菜を併せたものに浸け、まんべんなくつかるよう落とし蓋をし、半日ほど浸け込んでおきます。
この浸け液は、酔っ払い蟹を浸けるときのと似ていますね。

  

漬け込み終わったのはこんな感じ。

 

これを取出し乾いたところで、さらに溜まり醤油を塗ります。
これを風通しの良いところでカチカチになる迄陰干しします。



2週間後にはこんな感じ。



まだカチカチではありませんのでさらに1週間ほど干し、カチカチになったところで風干し完了。
出来上がりは、こんな感じです。
この3週間、雨は全く降りませんでしたので昼夜同じところで干し続けました。
心配したカビも一切生えませんでした。



これを一つづラップし、袋に入れて冷凍保存しておけば、いつでも料理に使えます。



料理に使うときは、生姜の千切りを乗せて10分ほど蒸し、薄切りにして使います。




さて今回もう一品は、焼腸(広東式腸詰焼き)です。
豚ひき肉を中国式に味付けし、羊腸に詰めます。
使う調味料は違いますが、一般的なウインナー作りと同じ手順です。
次の写真で、豚肩肉と豚バラ肉を叩いてミンチにしたもの1.1kg使っています。



これを丸一日風干しして水気を抜き、

 

さらに叉焼(チャーシュー)を作るときに使う叉焼汁を塗ってさらに2日ほど干します。

 

表面の叉焼汁が乾いたところで、150℃ほどのオーブンに入れ、15分ほど焼きます。
写真のように小型の寸動鍋にひっかけてオーブンに入れて焼きました。
焼き後寸動鍋の底には、腸詰からしみ出た脂がどっぷりと固まっていました。
ひき肉に脂の多いバラ肉を加えましたのでその脂ですが、この脂がウインナーをしっとりさせる大切な役割を果たしていますので、こんなに流れてしまうのは焼き温度が高過ぎでしたね。
もっと低い温度で焼かないといけなかったようです。

 

とは言え、これで完成です。
見栄えはまずまずですね。



先程の蒸した干し豚肉ともども薄切りにし、ネギを添えていただきました。
脂が流れた分多少パサつくかなとも思いましたが、全然そんなことなかったです。

 
 
干し豚、焼腸ともそのまま食べても美味しいですが、調味料として使うのが一般的。
次の写真は、野菜炒めに加えたもの。
酒醸と干し豚、焼腸、紹興酒を先に炒め、さらに野菜を加え炒め、最後にオイスターソースと塩コショウで味付けしただけのものです。
野菜に味がなじみ大変おいしいです。

 

干し豚と焼腸は翌日も残り物を食べましたが、前日よりずっと美味しくなっていました。
乾燥して味が落ち着いたのかもしれません。
腸詰は焼いた後も陰干ししておくといいかもしれません。

東京渋谷に麗郷と言う台湾料理屋があって、4~50年ほど前よく行ったものです。
店のカウンター前には沢山の腸詰がぶら下がっていて、いかにも美味しそうで、
行くと必ず食べたものです。
昔のことなので味の記憶が薄れてきましたが、いずれ同じように台所にぶら下げておき、
食べたいときにちぎって使うというのもいいなとは思っているところです。









この冬も栃餅を作りました

2020-12-07 23:29:40 | スウィーツ
この秋は生り物が不作で、就中ドングリが近年稀にみる不作のようで、熊の出没ともどもニュースを賑わしておりましたが、
当地では柿が同様に不作で、特に干し柿用のものが少なかったようです。
そんな中、今年も栃餅を作ろうと9月末位から栃の実拾いに出かけていましたが、
こちらも例年よりは実りが少なかったような気がします。
花が咲いている頃から今年は花が少ないなとは思ってはいましたので、不作はある程度予想はしていましたが。

栃の実の生っている状態を見たことがある人も少ないと思いますので、
こんな感じで生っています。



これが落ちてこんな感じで転がっています。



この実はあくが相当強いので、通常のあく抜き程度では食べられるようにはなりませんので、
食べられるようになるまで何段階もの工程を経てあく抜きをします。
使えるようになるまで2か月ほどかかります。

第一段階として、まず実の殻を外し、虫抜きと称し2~3日水に浸けておきます。
なぜ虫抜きかと言うと、この工程で白い虫が出てくるからと書かれていますが、実際この虫が出てきたのを見たことがありません。
左側写真は実を外した後の殻、右側写真、殻を外した後、実を水に浸けて虫抜きしているもので、白いものが浮いていますがこれはあくです。
このあくには石鹸と同じ成分が含まれているので、石鹸のように泡立ってくるようです。

 

虫抜きが終わったところで、これを1か月ほど天日干しします。



カラカラ音がするようになる迄しっかり干して、やっと中の実の取出しです。
天日干しで殻が固くなっておりますので、まずお湯に浸けてふやかします。

 

これを梅割り器で挟み圧してやると、比較的簡単に外れます。
このとき栗の渋皮のような薄皮が付いたままですが、あく抜きの時自然と剥がれますのでこの段階では外す必要はないです。



これでようやく本格的なあく抜きに入ります。
木灰とお湯に併せ、1週間ほど毎日攪乱させながら待ちます。



試食してみてまだ少しピリッとする位が潮時です。
あくを抜きすぎると独特の風味がなくなりますので、栃餅作りでは、このあく抜き具合が一番のポイントのような気がします。
あく抜きが終わったら、水で綺麗に洗い流し、少し干して完成です。



栃餅作りでは、餅米1升に対して300gほど使いますので、300gづつに小分けして冷凍保存しておきます。



今回は2日ほどおいてすぐ栃餅作りに使いましたので、1袋は出しておきました。

最後は、いよいよ栃餅作りです。
餅つき機で、一晩浸水させた糯米の上に栃の実を乗せ、一緒に蒸し搗きます。



搗き終わったら40gほどに小分けし、餡にくるめて出来上がりです。
餅は搗き終わると見る見るうちに固くなってきますので、餡は餅米を蒸している時間を利用して事前に小分けし、搗きあがり後すぐにくるめられるようにしておくとベターです。

  

次の写真は、焼いたもの。
普通の餅同様すぐに硬くなりますので、焼くか雑煮で食べるのが美味しいようです。
少し土臭い独特な香りがしますが、こういう自然な味に食べ慣れてくると、市販の普通の甘い饅頭は加工された人工的な味が引き立ち、美味しく感じなくなります。
この栃餅と一般の甘いものを同時に食べると、その違いがよくわかります。
日本酒で、玄米酒が独特な酸味と風味があり最初はびっくりしますが、飲みなれてくると逆に一般の酒は甘ったるく気持ち悪くて飲めなくなるのとよく似ています。
一般的には嫌われているあくが美味しさの源泉だと言うことを、あらためて認識させられます。
どんな食べ物でも、自然のまんまというのが一番美味しいようですね。