エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

米国では、スマートメータの次はOpen ADRと負荷制御が可能な機器の普及

2011-03-30 00:43:35 | Weblog
アメリカの需要応答は、スマートメーター導入から、Open ADRとユーザによる負荷制御が可能な機器の普及へと進んでいます。これによって、電力会社などが機器ごとの電力消費量や消費パターンを把握することができ、需給に応じたリアルタイムの電気料金設定が可能となります。これがアメリカで目指されている最終的な需要応答です。こうした需要応答は今後アメリカ市場で急速に拡大していくことが見込まれており、コロラド州にある専門調査会社であるパイク・リサーチ社は、15年までに62500メガワット(MW)に達するものと予測しています。
 現在の市場でのリーダー企業は、EnerNOC、Comverge、CPowerなどですが、パイク・リサーチ社によると、それらのリーダー企業は潜在需要の14%のシェアしか抑えておらず、今後ESCO事業者が市場に参入してくることが予想されます。ただし、ESCO事業者は独自のアルゴリズムを保有していないので、その際、大きな効果を発揮すると期待されるのが、Lawrence Berkeley National Laboratoryが開発したOpen ADR(Open Automated Demand Response)です。Open ADRは、Lawrence Berkeley National Laboratoryがカリフォルニア州エネルギー委員会(Califorinia Energy Commission)の支援を受けて開発したもので、現在民間団体Open ADR Collaborativeにより普及活動が行われていますが、さらにNISTによる標準化の対象として採択されたことから、今後急速に普及することが予想されます。
これを見越してGEは、10年にユーザによる遠隔制御可能な家電を発売しました。全米最大の家電メーカーであるWhirlpoolも、11年には同種の家電を発売しました。10年1月インテルは、ホーム・エネルギーマネージメント・システムおよびダッシュボードを発表しました。普段はiPhoneによって操作する有機ELのタッチスクリーンに時計が表示されていますが、起動させると家庭のさまざまな機器の情報を表示する操作パネル版に変化します。Zigbee通信方式を採用し、サーモスタットによる室内の温度や湿度の表示、家電などのエネルギーの使用状況の表示や操作にとどまらず、ネットに接続し情報端末として機能します。これにより、家庭の電気料金が30%低減することをねらっています。このホームエネルギーマネージメント・システムは、まだ研究開発中のものですが、Control4のほかOpenPeakなどのスタートアップ企業も、電力会社を通じてかGE、Whirlpoolなどの機器メーカーを通じて、同様のシステムを研究開発しており、いずれ市場獲得を目指して競争が激化することが予想されます。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿