エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

4月以降、大きな展開を見せる日本のスマートグリッド政策

2010-03-25 05:17:07 | Weblog
 経産省は、今後のスマートグリッドの進め方について、次のように考えています。4月以降、大きな展開を見せていくことが予想されます。

1 次世代エネルギー・社会システム
・1月19日「次世代エネルギー・社会システム協議会」の中間報告での方向性の下、2030 年までのロードマップを策定する。
・また、スマートコミュニティシステム事業(11 億円)において、地産地消モデルの核となり、海外にも通用するエネルギーマネジメントシステムの開発を行う。
・国内では、関係省庁連絡会を立ちあげ、関係省庁と連携を行い、本実証事業と連動して関連予算の執行や制度面での連携を強化し、「次世代エネルギー・社会システム実証」を実施し、海外展開も可能な国内モデルの深化を図っていく。
・同時に海外ではタイプ別に以下のような海外展開を図る。その際、「低炭素型・環境対応インフラ/システム型ビジネスのコンソーシアム形成等支援事業(8 億円)」の活用を検討していく。
都市型:ニューメキシコ州プロジェクト(「国際エネルギー消費効率化等共同実証事業(18 億円)」)。
離島型:沖縄-ハワイプロジェクト。
新興国型:日本-インドプロジェクト。昨年12 月末、スマートコミュニティに関する協力の覚書をJETRO とデリームンバイ産業大動脈開発会社の間で締結。首脳会談でもコンセプトを共有。
・次世代エネルギー・社会システムの海外展開を見据え、スマートグリッドに関する知見が集積する独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が事務局となりつつ、3 月に官民組織「スマートコミュニティ・アライアンス」を立ちあげ、海外展開のための国際標準化や業界標準を検討する分野の特定、スマートグリッド関連機器において、国際的に我が国が競争優位にある分野の分析を行うとともに、フォーメーションづくりの「場」とする。

2 次世代送配電ネットワーク
・「次世代送配電ネットワーク研究会」を4 月にとりまとめ。2020 年を念頭に置いたロードマップの作成を進めつつ、系統安定化対策に必要となる技術開発を国の支援を行いつつ進め、2020 年の完成に必要となる技術、システム、制度それぞれの諸課題に着実に対応する。
・「次世代スマート送配電実証事業(3.5 億円)」において、2020 年の太陽光発電2800 万kw 導入目標と系統安定化を両立するため、系統と需要家を双方向通信で結び、需給バランスを図るスマートインターフェイスの開発等を行う。
・今年度から実施されている「負荷平準化機器導入効果実証事業(スマートメーター大規模実証事業)」では料金プログラムを活用した負荷平準化効果につきデータ取得と効果の分析を行うこととしている。

3 蓄電池
・「蓄電池システム産業戦略研究会」を4 月にとりまとめ。次世代エネルギー・社会システムを構成する要素において中核的存在となる蓄電池が、自動車、系統や家庭用など、蓄電池の利用シーンごとの課題と蓄電池普及拡大に向けた取り組みについてとりまとめを行う。
・「蓄電複合システム化技術開発(43 億円)」において、必要となる蓄電池スペックや高頻度に耐える充放電システムの実証と検証を行う。

4 未利用エネルギーの有効利用、エネルギーの面的利用
・「低炭素社会におけるガス事業のあり方に関する研究会」において、熱の有効利用を中心としたガスの高度利用、エネルギーの面的利用につき検討、昨年7 月取りまとめを行った。
・燃料電池、太陽光や太陽熱等の再生可能エネルギー等を組み合わせて熱と電気を効率的に供給するネットワークの構築に向け、「分散型エネルギー複合最適化実証事業(6 億円)」において、複数の再生可能エネルギーとコージェネレーションを組み合わせて、様々な需要家に対し、最適な熱と電気の融通を行い、省エネ・CO2 削減効果の大幅な向上を目指す実証事業を行う。

5 次世代エネルギーシステムの国際標準化
・「次世代エネルギーシステムに係る国際標準化に関する研究会」において、スマートグリット関連分野につき、我が国産業の強みを生かした海外展開を支援するため、我が国産業の強み、弱みを分析し、スマートグリッドに関する総合的国際標準化戦略を検討し、1月中に国際標準化ロードマップを策定した。

6 ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)
・「ZEB の実現と展開に関する研究会」において、2030 年までに新築建築物全体でのZEB 化の実現を目指し、それに向けた設計技術や制御技術等の技術的課題、エネルギーの面的利用等に係る制度的課題、標準化についての課題とその対応策について提言がとりまとめられたところ。
・この提言などを踏まえ、省エネ基準の強化についての検討に着手するとともに、ビルの省エネ性能を評価するラベリング制度の整備、税制上のインセンティブや予算上の支援などの強化を検討する。また、「省エネビル推進標準化コンソーシアム」の活動などを通じて、中小ビルの省エネを進めるための標準化活動をすすめる。

7  次世代自動車
・「次世代自動車戦略研究会」においては、技術開発やインフラ整備等の課題ついての認識を共有し、自動車や関連産業及び社会全体の中長期的な対応の在り方に関する国家戦略を構築すべく、2月目処に中間とりまとめ、3月目処にとりまとめを行う。
・その中では、蓄電池を搭載した自動車を「車単体」ではなく、「システム」の中で捉えた際には検討が不可欠となる標準化戦略の方向性も定める。具体的には、二次利用まで含めて車載用電池を社会で徹底的に使いこなすために必要となる蓄電池の耐久性・劣化の評価手法、電気自動車と充電器・配電網をつなぐコネクタ・システム(通信プロトコルなど)等の内容が含まれる。
・標準化の検討に当たっては、オープンにすべき領域(協調領域)とブラックボックス化すべき領域(競争領域)を峻別する。また、様々な車の利用シーンを想定した上で、車に係るオペレーションサービスや車載用電池の二次利用等も含めた「まちづくり」まで視野に含める。
・そうした戦略に基づき、「蓄電複合システム化技術開発(再掲)」や「国際標準提案型研究事業」と連携し、実証事業の中で必要なデータを取得・分析し、戦略的に、「次世代エネルギー・社会システム」に必要な標準化を図る。

8 スマートコミュニティ関連システムフォーラム
・このような関連研究会等の検討の方向性、取組みを踏まえつつ、スマートコミュニティ関連システムフォーラム(民間フォーラム)では次世代エネルギー・社会システムに関する情報システム、制御システムのアーキテクチャー、これらに接続される家電等の需要サイドの機器に求められる要件等について、本年5月~6月を目途に提言が取りまとめる。

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