エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

NHKのETV特集 民族学者 梅棹忠夫の未完の著『人類の未来』を見て

2012-01-06 07:15:27 | Weblog
梅棹忠夫の未完の著『人類の未来』の最後の言葉は、「暗黒ののちの光明」。
逆説的だが、節電による「闇」こそが、「光明」なのかもしれない、と思った。

文明は科学技術により産み出される制度と装置。
一旦できれば、そのほころびを文明自体が治せない。原子力発電も同様だ。

文明とは、知的生命体である人間の業としての科学が産み出す人類の社会活動の総体。
その「文明に未来はあるのか?」。
40年以上にわたる歴史の考察の最後で梅棹が問いかけたと同じ命題に、我々は直面している。

ヒントになるのは「プロシューマー」。
情報のみならずエネルギーについて、消費するのみならず生産もする「プロシューマー」。生産活動は最も創造的な活動だ。
国民一人一人が発電所になる「スマート国民総発電所」は、「プロシューマー」が創り上げる社会。
バーチャルな「スマート国民総発電所」は、何十ギガワット=原発何十基分にも相当するエネルギーを草の根で産む。

ずっと私は、情報革命、エネルギー革命に続く思想革命の到来について考えてきた。
「プロシューマー」は、情報革命、エネルギー革命に続く思想革命の担い手ではないか。それを「美へのイノベーション」と呼んだ。

梅棹は、「アマチュア思想家宣言」という小文も発表している。そして、「思想」をもっと気軽に使おうと呼びかけている。
「思想」は、アマチュアのためにある。
アマチュアこそが「光明」である、「アマチュアこそが文明」を変えることができる。梅棹はそう主張したかったのではないか。

梅棹のアマチュアを私なりに問題設定し直すと、「プロシューマー」。
文明の舵を切るのは今しかない。
歴史は、私たち自身が作るもの。「私たち自身が歴史」と梅棹は言っている。

節電こそが「光明」の始まりなのではなのか?
「プロシューマー」による思想革命に期待したい。


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