エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

3・11以前と以後の「スマートグリッド」は根本的に異なる

2012-01-10 06:54:25 | Weblog
 3・11以後東日本大震災と福島第一原発事故後の電力需給の逼迫化は、日に日に深刻度を増しています。12年春には国内にあるすべての原子力発電所の稼動が停止する可能性も現実化し、まさに「国難」ともいうべき事態に直面しています。
 深刻化する電力不足を乗り切る対策は、短期的には、家庭の節電貢献度に応じてインセンティブ(奨励金)を付与する「省エネ・エコポイント」を活用して、家庭をも巻き込んだ節電行動を社会全体に拡げていくことです。そして、中長期的には2011年の冬、それ以降に向けて節電社会を構築し、エネルギーの需給体制を造り変えていかなければなりません。そのためには、ICT(情報通信技術)を取り入れた新しい電力網、「スマートグリッド(賢い、洗練された電力網)」の整備と全国展開がカギを握ります。
 3・11以前の「スマートグリッド」は、太陽光などの再生可能エネルギー、蓄電池などを取り入れて、電力系統を安定させる技術的な手段の一つとして議論されているに過ぎませんでした。つまり、スマートグリッドはあくまでも供給側の課題解決に向けたもので、毎日の供給量を気にすることなく、使いたいだけ電力を使っていた利用者には、あまり関係のない話だったのです。
 しかし、3・11以後、電力不足という緊急の課題が社会に降りかかり、東京電力、東北電力管内だけではなく、全国レベルで電力需給の均衡が求められるようになりました。ここへきてスマートグリッドが、単なる供給側の課題やそれを解決する技術実証の話ではなく、家庭や企業などの需要側にも関係するものとして、さらに、いまの電力不足問題に根本から解決を与えるものとして、大きな注目を集めるようになりました。


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