日本は四季おりおりに愛でるべき花鳥風月がございます。早春は梅、春は桜、秋には紅葉が美しいです。晩秋でございます。紅葉を愛でるには、この土日が最後の機会かと存じます。風流を解する者として秋の紅葉は見逃すことはできませぬ。
と、いうわけで、夫婦で有馬は瑞宝寺公園に行ってまいりました。私の住まいおる神戸市東灘区からはバスで行くのがようございます。阪神芦屋駅の前が有馬行の始発です。ずいぶんたくさんの人が乗って来てバスは満員でした。私たちは座れましたが、みなさん山登りの人たちのようです。
芦有道路を通って1時間足らずで瑞宝寺公園前につきました。このバスの運転手さんはものすごく上手な運転手さんでした。あの曲がりくねった山道を、乗客には全くストレスを感じせず実にスムースにバスを走らせてました。あの運転手さんに拍手。
瑞宝寺公園の紅葉は見ごろです。紅や黄色に色づいた樹々が鮮やかで、まこと日本の秋の「美」を満喫いたしました。
さて、いつまでも紅葉を愛でていたいのですが、お腹もすいてきましたし、有馬温泉の中心地に向かいました。釜めし屋さんに入りたかったのですが、長い行列ができてました。近くのうどん屋さんでなべ焼きうどんを食べました。美味しゅうございました。時うどんではありませんので「ひっぱりな」なしで、ゆっくりうどんをいただきました。
さて、太閤殿下にごあいさつしたあと有馬観光をしました。有馬山椒、有馬篭の花入れ、炭酸せんべいを買いました。焼きたての炭酸せんべいも食べました。賞味期限5秒です。軟らかいのですがすぐパリパリになります。パリパリはパリパリで美味しかったです。温泉まんじゅうも食べました。このあたりの街の風情は落語の「
有馬小便」を思い起こします。
せっかく名湯有馬温泉に来たのですから、温泉に入らないのはいけません。それにゆっくりしたいので、宿を予約してあります。中之坊瑞苑です。チェックインは午後2時からですから、ロビーでゆっくりしました。見事な錦鯉が泳いでおります。このホテルは「料理の鉄人」で道場六三郎と名勝負をくりひろげた太田忠道さんが総料理長を務めておられますので料理が楽しみなのですが、太田さんは独立されたようです。でも太田さんの薫陶を受けたお弟子さんが料理しておられると思われます。夕飯が楽しみです。
さて2時になりました。部屋は「和モダン」というタイプで畳でツインのベッドです。板張りの居間が窓際にあり、そこで食事ができます。冷蔵庫のビールは無料です。早速、温泉につかりに行きました。露天風呂です。金泉と銀泉の2種類の湯が楽しめます。銀泉は透明ですが金泉は赤い不透明なお湯です。酸化鉄でしょうか、塩分が高く身体がよく浮きます。身体がほこほこといたします。浴室から出たところにアイスボックスがあって、湯上りのビールは無料です。
しばし窓からの眺めを楽しみます。写真がその眺めです。有馬川です。奥の橋が太閤橋、木で隠れて見えませんがねねの橋が手前にあります。ねねの橋のたもとにはねねさまの像があります。太閤橋の近くの太閤殿下とねねさまはむかいあうようにおられます。
夕食の時間になりました。部屋食をリクエストしましたので仲居さんが運んで来てテーブルセットをしてくれます。私たちは少量美味会席を頼んでました。少しづつ美味しいモノがいっぱい出てきました。前菜盛り合わせ、椀は松茸の土瓶蒸し、お造り3種、メインは神戸牛です。私は神戸牛の白みそ鍋、相方はヘレ肉の陶板焼きです。煮ものは太刀魚。ご飯は松茸ご飯でした。デザートはカボチャと渋皮栗のプリンです。みんな美味しゅうございました。特に松茸ご飯が絶品でした。縄文土器のような土鍋でたっぷりありました。もったいないですが、食べ残しました。もちろんお酒もいただきました。夕食の後、もう一度温泉につかりました。ほろ酔いでつかる温泉もまたかくべつです。
有馬の朝になりました。朝食前に朝風呂です。朝食は洋と和が選べます。和朝食にしました。お目覚めのジュースということでとトマト、オレンジ、豆乳と3種類の飲み物がついてるのがうれしかったです。メインの魚料理は銀鱈、カレイ、秋鮭から選べます。私は銀鱈、相方はカレイを選びました。あと湯豆腐、サラダ、卵料理も茶碗蒸し、出汁巻き、温泉卵から、私は出汁巻き、相方は茶碗蒸しを選びました。海苔は炭火が入った箱で出てきますのでパリとしてます。ご飯は縄文土器で炊いたごはんです。
朝食にも満足して、たっぷり休んチェックアウトしました。大満足しました。このホテルは13歳以下の客はとりません。だからお客は大人ばかりで、静かで落ち着いた雰囲気です。それも一つの見識でしょう。「おもてなし」とはいかなるモノかを満喫しました。神鉄の駅まで車で送っていただきました。
有馬温泉は、他の温泉場にあるような殿方がお好みになる、スケベなお店はありません。パチンコ屋すらありません。おちついた風情のある実にけっこうな温泉地です。帰りは神戸電鉄でのんびり帰りました。