小浜徹也、高塚菜月、笠原沙耶香 編 東京創元社
創元日本SFアンソロジーの4冊目。既存の作家6人と、新人2人の8人の作家1編づつ収録されている。たしか、3冊目の「
されど星はながれる」で、毎年夏に出したいとおっしゃってた。フレッド・ホイル先生も「10月1日では遅すぎる」といっているのに、この4冊目は10月29日の発行。遅すぎるよコハマさん。
収録作は次のとおり。
「未明のシンビオシス」 小川一水
ロードノベルか?いいや。
「いつか明ける夜を」 川野芽生
神馬が少女を連れてくる。
「1ヘクタールのフェイク・ファー」 宮内悠介
東京の高円寺にいるはずが、アルゼンチンのブエノスアイレスにいた。
「ときときチャンネル♯2 時間飼ってみた」 宮澤伊織
うちに天才科学者が居候。その人が「時間」を飼ってる。
「ラムディアンズ・キューブ」小田雅久仁
長すぎる。
「ほんとうの旅」 高山羽根子
言葉あそび。
「神の豚」 溝渕久美子
豚が飼えない台湾。兄行方不明。代わりに豚が。兄の変身か。
「射手座の香る夏」 松樹凛
動物乗り。匂い言語。
面白かったのは。溝渕と松樹の新人二人。溝渕の作品はSFっ気は少ないが、コロナ禍という現実をベースに、不可思議な現象を描いて、ほんまかいなと思わせる文章力の持ち主と見た。
松樹のは溝渕と違って、SFっ気はいっぱい。見せ場もいっぱいで謎の面白さを満喫した。
この二人、今後が楽しみである。