ごろりんブログ

雫石鉄也のブログ

旬のカレンダー

2024年02月28日 | 本を読んだで

旬の暮らしをたのしむ会          ダイヤモンド社

 なんでも日本がドイツにも抜かれてGDPが4位になったとか。日本は貧しくなったと嘆いているムキもおられようが、本書を読むと日本もけっこう豊かなんだなと思う。金銭的にはたしかに金満国ではなくなったが、これだけ楽しみごとが多い国はあまりないだろう。いかなることを楽しむかが問題なんだけど。
 日本には四季がある。暑い暑い熱中症を心配しなくてはならない夏。寒い寒い低体温症に気をつけるべき冬まで、くっきりと季節が区分化できる。1年12ヵ月、日本の自然は毎月違う顔を見せてくれる。
「旬の野菜」「旬の魚介」「旬の味」「旬の菓子」「旬の花」「季節のレジャー」「季節の家しごと」「季節の行事」と、月ごとに八つの項目をきれいなイラストつきで紹介。12×8、あんまりお金をかけずに、年間を通じて96もの楽しみごとがあるとこの本はいっている。これは日本の風土自然がそれだけ豊であるからこそだ。
 と、喜んでいるのは今のうちだけかもしれない。大方の諸賢はお気づきだろうが、今の日本は四季の国ではなく、二季の国なっている。冬だ、寒いな。あ、暖かくなってきた、と思ったら次の瞬間には汗が流れ暑い夏になった。涼しくなったと思ったら秋をとばして冬。チキュウオンダンカの影響であろうか。
 小生が住まいおる神戸の春の風物詩はイカナゴの新仔のクギ煮。小生も大好物で春になるのがまちどおしい。クギ煮がないと神戸には春は来ない。このイカナゴの新仔、年々不漁で漁獲量が大幅に少なくなってきている。昔はキロ1000円でお釣りがあったが、昨年解禁日に明石まで買い出しにいったが、キロ4000円!もはや庶民の魚じゃなくなっている。とうとう今年は大阪湾のイカナゴ漁は休漁。播磨灘は3月9日に解禁するとのことだが、ごく短い漁期になるだろう。今年の神戸には春は来ないかもしれない。
 このままじゃ日本は四季も旬もない国になってしまう。憂慮すべきことだ。

ジュディ 虹の彼方に

2024年02月27日 | 映画みたで

監督 ルパート・グールド
出演 レネー・ゼルウィガー、ダーシー・ショウ、フィン・ウィットロック

 映画「オズの魔法使い」は名作である。特に主演のドロシー役のジュディ・ガーランドがかわいい。そのジュディ・ガーランドの伝記である。
 ジュディは「オズの魔法使い」の主演でスターになる。売れっ子でハードなスケジュール。普通の女の子じゃなくなるわけ。
 太るから食べたいもの食べさせてもらえない。食べ物のかわりに薬を与えられる。10代の女の子にである。人権もへったくれもない。このころの人気子役ってのは猿回しの猿と同じ。ジュディはそんな生活をしながら大人になった。
 ろくな大人になるはずがない。遅刻の常習犯。仕事すっぽかし。薬中毒。仕事が来なくなる。子供2人をかかえてホテルを転々とする。そのうちホテル代も払えない。借金の山。アメリカで食えなくなって、起死回生をねらってロンドンへ渡る。ここでジュディは一流のエンターティナーの本領を発揮。ロンドン公演は成功。だがしかし、精神不安定は治ってない。トラブルを起こしてロンドン公演もしくじる。
 主演のレネー・ゼルウィガー圧巻の演技。ジュディ・ガーランドは、「困った天才」である。でも、牧野富太郎や横山やすしは自分の意志で、というか自分では無意識に「困った天才」になったのだから天然物の「困った天才」であるが、ジュディは子供のころからまわりによってこって「困った天才」にされてしまった養殖の「困った天才」である。
「困った天才」の悲劇が際立った映画であった。

クイック&デッド

2024年02月19日 | 映画みたで

監督 サム・ライミ
出演 シャロン・ストーン、ジーン・ハックマン、ラッセル・クロウ、レオナルド・デカプリオ

 西部劇である。ほこりっぽい街。ガラの悪そうなおっさんたち。なにかというと拳銃をぶっぱなす。ここでは人より銃を早く抜けことが生きる条件。こんな街に女が一人やって来た。この女ただもんではない。いい女だが、そのへんの男には負けない度胸と銃の腕を持っている。この女、こんなガサツな街に何をしにきたのか。
 銃がすべてのこの街で早撃ち大会が開かれる。1対1で対峙して撃たれたら負け。負けたら死ぬ。トーナメントで優勝すればばく大な賞金がもらえる。賞金を出したのは街のボス。女もボスもボスの息子も早撃ち大会に出る。
 酒場でボスに首を吊られようとしている男がいる。ボスがイスの足を撃つ。ガタン。男の首が絞まる。女があざやかな銃さばきでロープを切って男を助ける。男は牧師でボスににらまれている。
 西部劇でおなじみの決闘シーンがふんだんに出てくる。対峙したガンマンが撃ちあうだけだが、実に様々な決闘シーンを見せてくれてたいくつさせない。女がこの街に来た目的もすぐ判り、最後はボスを対決することになるが、一本調子で判りやすいシナリオだが、最後までみせる工夫があって佳作の西部劇であった。シャロン・ストーンはきれいだし、ジーン・ハックマンのボスはさすがの存在感。売り出し前のラッセル・クロウやレオナルド・デカプリオが若いのがおもしろい。

ゴールデンカムイ

2024年02月18日 | 映画みたで

監督 久保茂昭
出演 山崎賢人、山田杏奈、玉木宏、矢本悠馬、舘ひろし

 うん。良かった。ものすごく面白かった。出色のアクションアドベンチャー映画であった。お話は隠された財宝をめぐる争奪戦という、冒険ロマンの大定番。かようなお話は小生の大好物である。
 映画が始まっていきなりの戦闘シーンである。日露戦争最大の激戦地二〇三高地の戦い。日露双方に多くの戦死者を出した戦場である。そこで鬼神のごとき働きをする日本兵がいる。身体中に重傷を負うが死なない。翌日になれば元気になる。人呼んで不死身の杉元。
 二〇三高地の戦いから場面が変わって北海道。杉元は砂金探しをしている。どうしても金が欲しい。理由は後で判る。そこで杉元はアイヌの埋蔵金の話を聞く。アイヌの人を殺して財宝を取って隠した男が網走刑務所にいる。男は24人の囚人を脱獄させた。
 ここからは、隠されたアイヌの財宝をめぐって、三つ巴の争奪戦となる。陸軍最強第7師団、函館で戦死したはずの元新選組副長土方歳三、そして不死身の杉元と杉元とコンビを組む父の仇を探すアイヌの少女。24人の脱獄囚のウチ、脱獄王と柔道王が元ネタが判って面白い。脱獄王白石は吉村昭「破獄」のモデルとなった「昭和の脱獄王」白鳥由栄だろう。柔道王不敗の牛山のモデルはあの木村政彦の師匠牛島辰熊だろう。
 ともかく、めっぽう面白いアドベンチャー映画であった。ハリウッドに負けてない。もうスピルバーグはいらん。
 原作が読みたくなってアマゾンで全31巻買った。もうすぐ届く。

喜楽館夜席元気寄席に行ってきたで

2024年02月16日 | 上方落語楽しんだで
 ワシは上方落語依存症や。月に最低2回はナマの落語に接しないと禁断症状が出るんや。そろそろやばそうやから、昨日、喜楽館の夜席に行ってきた。ほんま、喜楽館がでけてワシら神戸の上方落語依存症のもんにとってはありがたいわ。会社が終わって30分ぐらいで行けるからな。
 昨日の夜席は、元気寄席バレンタインウィークの企画ちゅうこって女性噺家特集やった。4人の女性噺家が妍を競うんや。
 開口一番は笑福亭喬明さん。若いかわいい。喬介さんのお弟子さんだから、7代目松喬師匠の孫弟子ということになる。古典をやります。まだぎょうさん噺をおぼてません。古典しかしません。あとのお姐さん方はたぶん新作をやらはるので、この落語会で古典をやるのは、私だけです。たぶん。で、前座噺の定番「動物園」をやらはった。だいぶん短縮バージョン。この噺のオチはライオンが「心配すなワシも一万円でやとわれたんや」やけど喬明さんは「心配すな園長の長谷川や」とのオチやった。ところで長谷川ってだれやろ。落語で人名をゆうとき落語家の本名を使うことが多い。「三十石」の宿帳のシーンなんかで「中川」「竹内」「長谷川」「河合」とゆうけど、これは米朝、松鶴、先代文枝、先代春団治の四天王のことや。「長谷川」?喬明さんは先代文枝一門とちゃうし、師匠の喬介さんは川崎さんやし。喬明さんの本名かな。
 2番手は桂ぽんぽ娘が巨体をゆすって高座に上がらはった。喬明ちゃんはあないなことゆうてたけど古典やろうかな。いや、やっぱ新作やろ。高座で迷っとる。くすぐりなんかほんまに迷っとるのかわからん。おもろないくすぐりやで。で、結局新作「ミッション・イン・しゃぶる」下ネタ。「この近くの福原にようけある××に行って××を××してもらう」噺。品のない噺。ワシは上方落語ファンやから上方の落語家はみんな好き。ただ、ぽんぽ娘の師匠桂文福は嫌い。文福は客をいじる。ワシは客をいじる芸人は大嫌い。弟子のぽんぽ娘も客をいじるし、仲間の噺家もいじる。桂南光師匠も仲間をいじるが南光師匠はちゃんと寸止めしとる。しかしぽんぽ娘は寸止めしてない。彼女は仲間の噺家たちに嫌われてるんとちゃうか。ワシも嫌いやけど。
 仲入り前の仲トリは桂三扇さん。高座名で判るように文枝師匠の三枝時代のお弟子さん。中堅の女性落語家やな。マクラは故郷の福知山のハナシ。福知山にも動物園はある。田舎の動物園なんで金がないからキリンやゾウは買えない。おるのはクマ、シカ、イノシシ、タヌキ。そのへんの山でタダでとってきた動物を飼っとる。師匠三枝作の「あこがれのカントリーライフ」ぽんぽ娘のあと、まともな噺家で出て良かった。
 トリは桂あやめさんご存じのごとく、女性落語家の草分け。あやめさん、もう還暦やって。そんなに見えへん。いつまでもお若い。マクラでしみじみいってはったけど、こうして女ばかりの落語会は夢のようやって。あやめさんは18才で先代文枝師匠に入門したころは、女性の落語家は露の都師匠しかいてへん。楽屋で着替える時は男ばっかり。部屋の隅ですばやく着替えるワザを磨いたとか。今でも着替えるのんは早く上手だそう。で、こんなトシになったけど、この噺はまだできます。と「営業一課の高田くん」あやめさんが若い時に創った噺で、見合いの予定がある若い主人公の女性が、片想いの高田くんの気を引こうと、先輩のアドバイスであの手この手のアピールする噺。
 女性ばかりの落語会もええもんや。ぽんこ娘の替りに二葉さんおったら最高やのに。 

尼僧物語

2024年02月13日 | 映画みたで

監督 フレッド・ジンネマン
出演 オードリイ・ヘプバーン、ピーター・フィンチ

 宗教の修行はどこもいっしょだなと思った。医者の娘ガブリエルが修道院に入って尼僧になる修行をするのだが、やってることは仏門に入るのもキリスト門に入るのも同じ。
 修道院での修行は厳しく細かい。落語「餅屋問答」でおなじみの禅家荒行のうち「無言の行」まである。あと、食事の仕方から廊下の歩き方まで、細かい戒律。映画はベルギーの修道院だが、越前の国永平寺みたい。キリスト門も得度したあと本名から戒名で呼ばれるようになる。
 ガブリエルは修業を経て、見習い尼となりシスター・ルークとの戒名で呼ばれるようになる。シスター・ルークは看護師の資格も有し尼僧兼看護師。あたかも露の団姫師が尼僧兼落語家であるように。団姫師も春香という戒名をお持ち。
 で、シスター・ルークはたいへんに有能な看護師で、ベルギーの植民地アフリカはコンゴで熱帯医療に携わりたいとの志望があったが、国内の精神病院に赴任。大天使ミカエルにあったりして苦労する(珍しやヘプバーンの格闘シーン)が、コンゴに派遣され白人病院の看護師として働く。外科医のフォルテュナティ博士の有能な助手として働くが、過労で結核になったりする。その結核も完治したがベルギー本国に呼び戻される。
 戦争が始まる。ベルギーはドイツの侵攻を受け、父も機銃掃射で死亡する。対ナチスの抵抗組織で看護師を欲していることを知り、尼僧としての修行か看護師としての使命か悩む。そして決断する。シスター・ルークは還俗して本名のガブリエルに戻る。

セント・メリーのリボン

2024年02月09日 | 本を読んだで

 稲見一良    光文社

 葛飾北斎は90才で亡くなったが、死にのぞんで北斎は「あと10年、いや5年生かせてくれればワシは本物の絵描きになれたのに」といったとか。北斎が100まで生きたらどんな絵を描いたのかぜひ見たいものだ。
 90まで生きた北斎の絵は、充分に楽しめるが、60代でなくなり、70代まで生きて活動していたら、素晴らしい仕事をしたのかと思うと、まことに惜しい人が二人いる。  
 先代の六代目笑福亭松喬師匠。笑福亭の噺家だけれど,アクの強さはなく、軽妙洒脱な芸風で70代になってから、さらに良い噺家になっていただろう。惜しい。
 もう一人は稲見一良。わずか9冊の著作を残して63才で亡くなった。6代目松喬師匠の落語は弟子の7代目松喬師匠がしっかり受け継いでいるが、稲見一良の小説は稲見一良だけのもので、もう稲見一良の小説は読めない。まことに残念である。
 その稲見一良の短編集である。稲見の小説は「大人の男の童話」である。「少年」を体内に残しながら、きれいなモノ汚いモノ、いろんなモノを見て体験して成長して大人の男になった。でも男の体内には純真な「少年」が盲腸にように尾てい骨のように、外から見えないが残っている。稲見の小説はそこに作用する。だから、中身も外観もガキには稲見の良さは判らないだろう。
「焚火」
「花見川の要塞」
「麦畑のミッション」
「終着駅」
「セント・メリーのリボン」
 の、5編が収録されているが。いずれもハードボイルドで優しく、やわらかい大人の童話である。
「焚火」逃げる男と、かくまう老人。
「花見川の要塞」線路がないのに転轍機がある。草原にトーチカ。15才のハラダサンペイ軍曹。かつぎ屋のポウおばあさん。夏のファンタジー。
「麦畑のミッション」爆撃機B17。脚が出ない。胴体着陸。下部銃座の銃手が銃座からでれない。彼を死なさず着陸するには。
「終着駅」赤帽の叔父がヤクザの金をばばした。
「セント・メリーのリボン」猟犬探偵竜門卓。盲導犬の探索を依頼される。その盲導犬は薄幸な少女のもとにいた。その盲導犬は少女の父親に連れ去れていた。父と子。男の優しさ。読了後涙を禁じえなかった。
 ハードボイルドって優しいものだ。かっこいいとは、こういうことをいう。うう。ええなあ

SFマガジン2024年2月号

2024年02月08日 | 本を読んだで

2024年2月号 №761   早川書房

雫石鉄也ひとり人気カウンター
detach 荻堂顕 未読
魂婚心中        芦沢央 評価に値せず
恋は呪術師       大滝瓶太 評価に値せず
死人島の命題      森晶麿 評価に値せず
ここはすべての夜明けまえ 間宮改衣 評価に値せず

連載
空の園丁 廃園の天使Ⅲ(第21回) 飛浩隆
マルドゥック・アノニマス(第51回) 冲方丁
戦闘妖精・雪風 第五部(第11回 対抗と結託〈承前〉) 神林長平
ヴェルト 第一部 第四章 吉上亮
小角の城(第73回)        夢枕獏
幻視百景(第46回)        酉島伝法

特集 ミステリとSFの交差点
座談会 ミステリとSFと、4人の小説家 芦沢央×小川哲×柴田勝家×斜線堂有紀
SF読者にすすめるSFミステリ作品ガイド

 まず、第11回ハヤカワSFコンテスト特別賞受賞作の「ここはすべての夜明けまえ」ひらがなを多用した独特の文章であるが、非常に読みにくく、それに気を取られて話が見えにくかった。読むのが苦痛であった。
 特集に関連した3作品は、ミステリとSFのつまらなさが合体した愚作。この号は不作だ。


エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

2024年02月05日 | 映画みたで

監督 ダニエル・クワン、ダニエル・シャイナー
出演 ミッシェル・ヨー、キー・ホイ・クアン、ステファニー・スー、ジェームズ・ホン

 映画にしても小説にしても、創作物はゼロからは創れない。必ずなにかもとがあって、それの組み合わせか、また異質のモノを付与して新たな創作物が創られるのである。それが古の神話であったり、伝承や昔話であったり古典であったりするわけ。
 とはいいつつも、それまでには無かったまったく新しい創作物に出会うこともある。そういう体験は創作物愛好家としてはうれしい体験である。この映画はそういう稀有な体験を提供してくれた。まったく新しいSF映画に出会ったのである。
 SF映画、ファーストコンタクトもんでは「未知との遭遇」破滅もん「渚にて」「復活の日」ベム・モンスター「エイリアン」「ゴジラ」宇宙活劇「スターウォーズ」などあるが、この映画はまったく新しいSF映画のカテゴリーを生み出したといっていいだろう。
 むりやり分類すれば多元世界ものだろう。「私は今、ここで、こんなことをしているが、ほんまは、あっちで、そんなことしているはずやった」だれでもこないなことを思うだろう。ま、しあわせな人はあんまりそんなことは思わないだろう。
 主人公エヴリンはしあわせではない。経営しているコインランドリー店は経営不振。税金滞納。国税庁に目をつけられ査察が入る。その査察官はこわいおばさん。夫は優しいが頼りない。娘は反抗的で同性のガールフレンドがいる。父は頑固で半分ボケ。それにエヴリンは後悔のかたまり人間。歌手、女優、料理人、指圧師、カンフーの達人。などを志したがいずれも断念。こうした後悔人間の中年のおばさんが、反抗的な娘、高圧的な国税庁の査察官と戦う。と思いっきり簡単にいえばそういう映画だが、ほんまはそんな単純なもんではない。エブリンがもし歌手だったら、料理人だったら、指がソーセージだったら。極端にいえば石だったら。こういう「現実」の並行世界が目まぐるしくいれこ構造になっていて、めくるめく幻想的映像で表現される。あたかも「2001年宇宙の旅」の後半みたいに。冒頭の猿人のシーンのパロディもちゃんと出てくる。ご丁寧に「ツァラトゥストラはかく語りき」も鳴っていた。
 ともかく、あれよあれよという間に観させられる映画である。難点をいえば、娘のジョイ。もうちょっとかわいい女優はおらんかったのか。それからミッシェル・ヨーのカンフーアクションをもっと見たかったな。