ごろりんブログ

雫石鉄也のブログ

地下鉄(メトロ)に乗って

2022年11月02日 | 映画みたで

監督 篠原哲雄
出演 堤真一、岡本綾、大沢たかお、常盤貴子、田中泯、吉行和子

 野田昌宏さんのエッセイで書いてあったことだと記憶するが、地下鉄メビウス事件という事件があったとか。眉村卓さんの「燃える傾斜」の出版記念パーティーが終わって、河岸を替えて飲みなおそうとなった。一行は地下鉄に乗ろうとホームで待っていた。眉村さんや野田さんは来た地下鉄に乗った。ところが豊田有恒さんは乗りそこなった。眉村さんや野田さんは目的の駅で降りた。すると、そこに乗りそこなったはずの豊田さんが待っていた。
 どうも東京の地下鉄は時空や次元を超える能力を持っているらしい。神戸市営地鉄海岸線はとても、そんな芸は持ってない。大赤字で走るのだけでせいいっぱいなんだから。
 さて、この映画は東京の地下鉄だから時空を越えるのだ。映画が始まって、まずこの家のお父さんがいかなる人物か表現している。すぐ手が出る。横暴で、どうしようもない身勝手おやじ。
 主人公の長谷部真次は小さな衣料品会社の営業。地下鉄を使って営業に回る。真次は冒頭に出てきたおやじの次男。クソおやじとは縁を切っている。じつはおやじは大きな会社の創業者で経営者。長男は死んだ。三男がおやじの会社を継いでいる。真次は会社の同僚の女と不倫している。
 で、真次、地下鉄の駅で中学の先生と会う。先生はいう。「東京の地下鉄はどこへでも行ける」
 真次、地下鉄に乗って降りた。過去へタイムスリップした。そこで若いころのおやじと会う。地下鉄に乗って降りるたびに、いろんな過去にタイムスリップ。なぜかいろんなところに不倫の相手みち子が出現する。彼女はなんだ。何者だ?
 う~む。東京の地下鉄に乗るのがこわくなった。神戸市営地下鉄は毎日乗ってるが安心だ。