ごろりんブログ

雫石鉄也のブログ

SFマガジン2024年6月号

2024年06月19日 | 本を読んだで

2024年6月号 №763    早川書房

雫石鉄也ひとり人気カウンター

1位 熊が火を発見する テリー・ビッスン 中村融訳
2位 みっともないニワトリ ハワード・ウォルドロップ 黒丸尚訳
3位 物語の川々は大海に注ぐ 仁木稔
4位 閻魔帳SEO       芦沢央
5位 ビリーとアリ   テリー・ビッスン 中村融訳
6位 ビリーと宇宙人  テリー・ビッスン 中村融訳
7位 世界の妻     イン・イーシェン 鯨井久志訳 
8位 バーレーン地下バザール ナディア・アフィフィ 紅坂紫訳

連載
未来図ショートショート(第1回) 田丸雅智
歌よみSF放浪記 宇宙にうたえば(第1回) 松村由利子
空の園丁 廃園の天使Ⅲ(第23回) 飛浩隆
マルドゥック・アノニマス(第53回) 冲方丁
戦闘妖精・雪風 第五部(第13回 懐疑と明白(承前)) 神林長平
ヴェルト 第二部 序章        吉上亮
幻視百景(第48回)         酉島伝法
小角の城(第75回)         夢枕獏

ご覧のように、表紙にでかでかと「宇多田ヒカル×小川哲」と書いてある。一瞬、芸能雑誌かなと思った。なんでも宇多田が「SCIENCE FICTION」というアルバムを出したからこういう企画をしたとのこと。ざっと目を通したが、宇多田にはとくだんSFに思いれはないようだ。宇多田ファンが間違って買ってくれないかなと編んだ企画か。
あと、「デューン砂の惑星 PART2」映画&Netfix独占配信シリーズ「三体」公開記念の特集。SFマガジンは文芸誌ではなかったのか。
肝心の小説は、テリー・ビッスン、ハワード・ウォルドロップの追悼特集。このご両所の「熊が火を発見する」「みっともないニワトリ」が面白かった。追悼特集の作家の作品が最も面白いというのは、現役の作家への叱責ととらえてもいいのではないか。また、こんな面白い作品を書く作家だから追悼特集を企画してくれるのかな。