ごろりんブログ

雫石鉄也のブログ

ボッコちゃん

2022年11月22日 | 本を読んだで

 星新一                新潮社

 ゴホゴホ。9月にコロナにかかってから、どうもせきが止まらんのじゃ。イテテ。肩も痛いし、目もうとくなった。ワシも年じゃで。SFもんもずいぶん長いことやってきた。小松さん、星さん、光瀬さん、眉村さん、おなじみの人たちも死んでしもうた。
 こんな年になると、昔が懐かしいもんじゃ。ヤマトの沖田艦長やないけど「昔か。なにもかも懐かしい」
 と、最近は、ワシがSFもんになりたての若いころ読んだ本を読みなおしておる。こないだは「銀河パトロール隊」を読みなおしたぞ。で、今回は星さんじゃ。ワシもご多分にもれず若いころは星さんのショートショートはようけ読んだわ。
 とっつきやすく手軽に、つぎつぎカッパえびせん状態で読める。星さんのショートショートはたくさんあるが、この本の表題作「ボッコちゃん」と「おーい ででこーい」が代表作だろう。
「ボッコちゃん」は結末は悲惨なものになるが、ユーモラスと残酷という星ショートショートの南極と北極を併せ持った傑作。「おーい ででこーい」はなんともすっとぼけた突き抜けた傑作だ。星さんって、決して暖かい目で人間を見てなかったんではないかな。