連休の中休みです。休日出勤の多い私もこの連休はそれなりに休めました。1日の日曜はSFのお友だちと飲み会をしておりました。ずいぶん久しぶりです。若いころは
5次会までやってましたが、今は2次会までがせいいっぱいです。
2日はお仕事。ごくろうさま。3日は
芦屋市立美術博物館に行ってました。北原照久コレクション展です。私らの世代にとって懐かしいモノばかりです。こんど同人誌の仲間を誘ってもう一度行くつもりです。ブリキのミニカーを買ってきました。ほんとは「
禁断の惑星」のロビー・ザ・ロボットが欲しかったのですが。売ってませんでした。
4日目は四天王寺の古本市をのぞきに行きました。私、落語の「天王寺詣り」ではおなじみですが、リアルに四天王寺に行くのは初めてです。亀の池と五重の塔を見ました。五重の塔のてっぺんにはサギ獲りのおっさんはおらんかったです。古本市の収穫はハミルトンのキャプテン・フューチャー「時のロストワールド」と白土三平「サスケ」全15巻です。ハヤカワの銀背は少なかったです。あってもミステリーばかりでSFは皆無でした。けっこう規模の大きな古本市でしたが、私らSFもんにとっては貧しい古本市でした。大阪の古書店店主はもっとSFを勉強するように。帰りしな、繁昌亭に寄って前売り券を買いました。
さて、きのう5日は午後にはい出て新開地に向かいました。行先はもちろん喜楽館です。夜席です。この日のトリは桂南光師匠です。南光師匠を喜楽館で見るのは初めてです。
桂南光師匠は上方落語協会員ではありません。だから繁昌亭や喜楽館の昼席に出はることはありません。夜席は貸席なので協会員以外でも公演できるのです。なぜ私が上方落語協会員ではないのかは、長くなるのでここではいいません。と、南光師匠はいってはったけど、私はだいたい想像できますが、ここでは書きません。南光師匠、上方落語協会員ではありませんが、上方の落語家さんとの交流はあって、他の一門の落語家さんの
襲名披露で米朝事務所を代表して口上を述べてはる。
さて、開口一番は桂弥っこさん。吉弥さんのお弟子さんです。マクラは出身地の島根ネタ。島根人口少なし。過疎地。鳥取との区別つかん。島根県人の自虐ネタのマクラです。私にも
古い友人に島根県人がおりましたが、弥っこさんがいうほどのことはないでしょう。
やらはった演目は「んまわし」「ん」という数だけ田楽がもらえるという落語です。後半に「ん」のつく言葉を長くスムースにいえるかがポイントです。弥っこさん、そこは合格ですが、噺が少し平板でした。
2番手は桂そうばさん。大学進学前に浪人してはったんですって。その予備校時代の6浪した先輩の話がマクラ。その先輩お寺の息子だが医学部志望ですって。その先輩が結婚するから披露宴でスピーチを頼まれたんですって。先輩、医者になったか坊主になったか?
「餅屋問答」をやらはった。先日ロバート・デ・ニーロの「
俺たちは天使じゃない」で私、この噺を引き合いにだしたばかりだったので、少しびっくりしました。
仲入り後のトリ前は林家染吉さん。「癪の相薬」です。この噺お侍の演じ方が大切です。謹厳なお侍が、お腹をかかえて苦しむごりょんさんに、ハゲ頭をなめさせる。このお侍いい人なんですね。謹厳でいい人のお侍。このあたりの演じ方さすが染吉さんでした。
トリはもちろん南光師匠。こないだ日曜の夕方にやってる大喜利番組に出はったそうです。ま、「笑点」ですな。で、南光師匠、ここだけの話でよそでいわんように、というて「わたし、あの番組大嫌いですねん」円楽さんに頼まれてしかたなく出たんですって。あれ、あそこに並んでる江戸落語家が当意即妙の受け答えするのんが売りやけど。「ほんまは、そんなんちゃいまんねんで」アドリブでやってないんですって。8人ほどの放送作家が頭をしぼって問いと答えの台本を書いて、何度もリハーサルをやってるんですって。私(雫石)もあんなもんは観ません。日曜の午後なんにもすることがなくて退屈してるときに観ることがあります。入院中に少し観てました。
南光師匠は「胴乱の幸助」をやらはった。ケンカの仲裁が趣味のおっさんの噺です。どんなケンカでも中に入って仲直りさせます。犬のケンカも仲裁します。ケンカが大きければ大きいほど喜びます。いま、みんなが一番心配しているでかいケンカといえば、ウクライナとロシアのケンカです。トルコの大統領やイスラエルの首相、国連の事務総長が仲裁しようとしてますが、かような小者ではダメです。ここはひとつ胴乱の幸助のおやっさんに出張ってもらいましょう。と、思うのですが、南光師匠はウクライナVSロシアのケンカには言及されなかった。浄瑠璃の「お半長」帯屋長右エ門のとこの嫁姑のもめごとに胴乱の幸助が首をつっこむオーソドックスな噺でした。
楽しい落語会でした。これで元気100パーセント充電OK。明日からまた元気に働きます。