ごろりんブログ

ごろりんとねころびながら

ジョイ・ラック・クラブ

2019年09月23日 | 映画みたで

監督 ウェイン・ワン
出演 ミンナ・ウェン、タムリン・トミタ、ローレン・トム、ロザリンド・チャオ、キュウ・チン、ツァイ・チン、フランス・ニュイエン、リサ・ルー

 女の不幸図鑑のような映画である。4人の母親と4人の娘。そして2人の祖母の物語である。
 4人の女性が麻雀をしている。3人の初老の女性と1人の若い女性だ。この4人と親族が定期的に集まって食事や麻雀に興じる。これをジョイ・ラック・クラブという。みんな比較的裕福そうで、幸せそうだ。以前は若い女性ジューンの母スーユアンがメンバーだったが2ヶ月前に他界した。ジューンにとっては3人のおばさんは母の親友であった。このおばさんたちにも娘がいて、娘どうしも友だち。
 スーユアンたち4人のおばさんは中国から移民。この4人の若いころの中国でのエピソードが順に描かれていく。これがなんとも壮絶。これでもかというぐあいに不幸がでてくる。戦乱から逃げる途中、病気になり双子のわが子を捨てて逃げる。人身売買同然に金満家に嫁にやられ、子供ができないからと姑からいじめられる。結婚をしたが夫がとんでもない浮気男で、夫は平然と愛人を家に連れてくる。その愛人が聞く。「だれ?」「娼婦だ」自分の妻を愛人に娼婦だという男が夫。生まれたばかりのわが子を手にかけて殺す。などなど。おばさんたちは、かような大変な不幸をしょいこんでアメリカへ渡ってきた。そして、その娘たちも、そええぞれの人生の悩みをかかえて生きていく。
 ジューンの双子の姉は中国で生きていた。ジョイ・ラック・クラブのメンバーに見送られて、ジューンは中国に行く。

フロム・ザ・バレル

2019年09月22日 | 料理したで

 いま、国産のウィスキーがえらいことになっている。山崎、白州、響、竹鶴といった高級ウィスキーが入手困難である。そのへんの酒屋ではなかなか売ってない。もし見つけたら買うように心がけている。
 ところが、オールド、角、トリス、ブラックニッカといった安価なウィスキーはスーパーでも売ってるから普通に買える。ところがこれらのウィスキーは値段相応のモノである。上等のウィスキーと安価なウィスキーでは、味もさることながら香りがぜんぜん違う。
 かような日本のウィスキー事情にあって、このニッカのフロム・ザ・バレルはウィスキースキー好きにとってお助けウィスキーである。価格が500ミリリットルではあるが3000円でお釣りが来る。それにスーパーの洋酒売り場に並んでいる。しかも、おいしい。小生の知る限り、国産ウィスキーでコスパ最強といっていい。
 ウィスキーは樽に詰められているときはアルコール分が60度ほど。これを加水して40度前後に調整して瓶詰めして出荷される。ところが、このフロム・ザ・バレルは加水を最小限にして出荷される。樽から直接飲む人に届けられるウィスキーだ。だからこのフロム・ザ・バレルという名前だ。そのためアルコール度数は51.4度とちょっと高いめ。
 さて、飲もうか。香りは濃密で強い。トワイスアップにしたら、香りはさらに華やかに立ちのぼる。座っていた美女が立ち上がったよう。
 口にふくむ。フルーティーさとスモーキーさのバランスが絶妙で大変に美味しい。終売にならないことを切に願うばかり。

東西落語名人選に行ってきました

2019年09月21日 | 上方落語楽しんだで

 第45回東西落語名人選に行きました。会場は神戸文化ホール。このホールは私のような神戸在住のSFファンにとって思い入れにあるホールです。今から44年前、この神戸文化ホールで第14回日本SF大会が開催されたのです。桂米朝師匠の「地獄八景亡者戯」を初めて生で聞いたのは、そのSF大会でした。
 さて開口一番は笑福亭仁智師匠。上方落語協会会長が開口一番を務めるのですね。なんともぜいたくなことです。野球ネタの創作落語をやらはった。高校野球です。LP学園の野球部監督と、応援する地元商店街のおじさんの会話。とても弱い野球部です。監督がいうには、今年は期待してくださいとのこと。選手を一人づつ紹介していくのですが、まともな選手はいません。大笑いです。
 2番手は柳家三三師匠。某民放で日曜夕方にやっている某落語家バラエティ番組をイジらはった。落語家は個人で芸をします。あまり集団で芸はしません。ところがS点の人たちは集団で芸をしている。あの人たちは個人で芸ができないんですね。で、このとき三三師匠がやったのが、「釜盗っ人」泥棒ネタです。これから泥棒三喬こと笑福亭松喬師匠がでてくるのに泥棒ネタをやる!?ケンカ売ってんのかと思いました。
 で、笑福亭松喬師匠が出てきはった。売られたケンカは買うか?なにをやらはる。「花色木綿」か「仏師屋盗っ人」か。「一文笛」やってほしいなと思いましたが、「まんじゅうこわい」をやらはった。こんな前座噺でも松喬師匠がやるとひと味違います。
 さて仲入りまえは、桂福団治師匠。60年やってまんねん。しんどおまっせ。商売道具はこの扇子1本だけや。今は身体の支えですけどな。といういつもの福団治師匠のまくらです。福団治師匠がでてくるとこのまくらでないと納得できなくなってるみたいです。演目は福団治師匠ならではの人情話「藪入り」です。ひねくれもんで嫌われもんのオヤジでも3年ぶりに帰って来る息子がかわいい。親子の情愛をじっくりと聞かせてもらいました。
 仲入りも終わりました。立川志の輔師匠です。志の輔師匠は早口で最初は何をいっているのか判りませんでした。よくニュースで「バールのようなもの」これは、ほんまはなんだ。バールか。というまくらです。そのままずっと「~のようなもの」というくすぐりです。「肉のような味」は肉じゃない。「ハワイのようなところ」はハワイじゃない。「夢のような」は夢じゃない。じゃ「バールのような」はバールじゃない。で、スナックのねえちゃんに逢いに行ったオヤジ。奥方に問い詰められる。「メカケでしょう」「いいやメカケのような」
 さて大トリは現存するただ一人の人間国宝落語家の柳家小三治師匠。まくらなし。いきなり「植木屋さん」で始まりました。そう「青菜」です。この「青菜」がやたら長かった。おんなじくすぐりをなんべんも繰り返すし、じつにだれた間延びした「青菜」でした。
 いやあ。いいんですけどね。落語会はやっぱりバランスが大切ですね。開口一番は若い落語家が出て前座噺を演じる。そのあと中堅、ベテラン、大御所とでてくるからええのです。いつぞやの某金満球団みたい4番バッターばっかり並べても良い結果はでません。それに私はやっぱり落語は上方が口にあいますね。

フォークリフトのこういう使い方

2019年09月20日 | いろいろ
 フォークリフトは荷役機械である。荷物を持ち上げて移動する機械だ。荷物はパレットに乗っている。フォークリフトには2本のつめがついている。そのつめをパレットのすきまに刺して荷物を持ち上げるのだ。
 フォークリフトはこういう使い方以外にも使えるのだ。小生は購買担当である。当然、納品も小生の仕事場に来る。空になった段ボールがたくさん貯まる。段ボール置き場がすぐいっぱいになる。ときどき、フォークリフトのつめでたまった段ボールを押しつぶす。フォークリフトはプレス機としても使えるのだ。
 納品される荷物は、行儀良くパレットに乗っているモノばかりではない。トラックの荷台にじか置きされているモノもある。そんなモノはつめですくえない。どうするか。荷物にシャックルをつけて、つめにスリングベルトをかけて、吊り上げるのだ。フォークリフトはクレーンとしても使えるのだ。

秋の空

2019年09月19日 | いろいろ

 今朝の神戸の空です。もう空はすっかり秋ですね。朝夕はずいぶんと涼しくなりました。とはいいつつも昼間はまだまだ暑いです。桂枝雀師匠の夏の芸「おひいさんが、カー」状態です。でも、日陰にはいると風の中に秋を感じます。
 日が短くなったのを実感します。駅と自宅のあいだは自転車に乗っております。私の自転車は自動点灯のランプですが、夕方は少し前はランプが灯りませんでしたが、いまはランプが灯ります。季節は確実に移ろっていくのですね。

居酒屋丙寅虎日記 9月19日

2019年09月19日 | 阪神タイガース応援したで
「負けたな」
「そやな」
「きょう、中日が勝っとうから5位転落やな」
「こうなりゃ近本の新人賞だけが望みやのに、今日のスタメン見るとそれもよう判らん采配やな」
「そや。なんで盗塁のチャンスが多い1番やのうて3番やねん」
「そや。キャッチャーがなんできのう山田の盗塁を阻止した梅野やのうて坂本やねん」
「そやな。きょうの試合みるとどっちが最下位かよう判らんかったな」

居酒屋丙寅虎日記 9月18日

2019年09月18日 | 阪神タイガース応援したで
「みっちゃんビールや」
「あ、ワシも」
「ええ試合やったな」
「そや。取って取られて最後は藤川がなんとかしめて勝つ。今の阪神打ち勝つことはできんから阪神らしい勝ち方やな」
「大山、高山が打って勝ったんやからええ」
「それに近本盗塁トップ。セリーグ新人安打記録長島に並んだしな」
「ま、近本のことやから、長島ごときの記録に並ぶんはあたりまえやけどな」

赤穂城断絶

2019年09月17日 | 映画みたで

監督 深作欣二
出演 萬屋錦之助、金子信雄、千葉真一、近藤正臣、丹波哲郎、渡瀬恒彦

 あの快/怪作「柳生一族の陰謀」が大当たりしたので、2匹目のどじょうとして東映が、深作欣二監督、萬屋錦之助主演で撮った大作時代劇がこれ。
 深作監督のことだから定番の忠臣蔵にはしてないだろうと思ったが、案外、普通の忠臣蔵であった。
 忠臣蔵はガマンが足りない主君を持った家臣が苦労する話だ。プッツンして大切な場で刃傷沙汰を起こして切腹になった主君のために苦労を重ねて、ケンカの相手の屋敷に殴り込み、相手を斬殺してしまうのである。21世紀の現代で見るとなんとも異様な話である。この異様な話も、錦之助の大芝居でやると、不思議と違和感がなかった。深作監督はなんとか新機軸の忠臣蔵にしようとがんばったが、主演の錦之助の存在が定番の忠臣蔵にしてしまったようだ。それでも、討ち入りから脱落して自害した橋本平左衛門にスポットを当てて、なんとか深作忠臣蔵にしようとしていた。

居酒屋丙寅虎日記 9月16日

2019年09月16日 | 阪神タイガース応援したで
「こんばんは。女将、お酒をくださらんか」
「私も、今日のお酒はなにかな」
「はい。八海山の純米吟醸です」
「お、ええな。それとお造りの盛り合わせ」
「阪神、なんとか4位を守りましたな」
「そうですな。広山せんせい」
「中日が勝っとうから、負けると5位に転落しとるとことやったとこですな」
「お待たせしました」
「お、かわいい子やな。アルバイトか」
「はい。私の姪です。今津のせんべろ屋という居酒屋でアルバイトしてたんですが、ウチでアルバイトしてもらうことになりました」
「山沢美津代です。よろしくお願いします」
「みっちゃんか。よろしくな」
「昨日はジョンソンが打たれたけど、きょうは、島本、岩崎、ドリス、藤川がええ仕事しましたな」

手羽元のトウチ蒸し

2019年09月14日 | 料理したで

 肉は骨のまわりがいちばんうまい。だから「ギャートルズ」のゴンも「ワンピース」のルフィも骨付き肉にかぶりついているのだ。ワシは原始人でも海賊でもないけど骨付き肉が好きだ。
 ちゅうこって、今夜のビールのアテは骨付き肉だ。鶏の手羽元を使うぞ。こいつを中華風に蒸してみよう。
 まずは下味つけだ。手羽元に醬油、酒、オイスターソース、メープルシロップをなすくりつける。液体の甘味調味料は以前はハチミツを使っていたが、最近はもっぱらメープルシロップを愛用しておる。ハチミツより優しい甘さだ。
それと忘れてはならないのはトウチ。トウチ、漢字では豆豉と書くが、この豉という字JESの企画にないからIMEの手書きパットで入力しなくてはならんからめんどうである。
 黒いツブツブで兎の糞みたいなもんやが、うまくつかうとおいしくしあがる。このトウチを細かく砕いて肉にまぶす。多すぎると塩辛くなるで。
 で、半日ほど下味をつけた肉を蒸すで。そうだな、20分ほど強火で蒸せばOKや。さてでけた。骨付き肉にかぶりついて、ビールをガー。たっまりませんなあ。

バー海神満席

2019年09月12日 | 作品を書いたで
「こんばんは」
「おや先生、ずいぶん早いですね」
医者の重松が入ってきた。いつもは8時すぎに、ここ海神に来るのだが、いまは7時前である。
「うん、きょうは休診日なんだ。たまには早くこようと思ってな。この店のカウンターに立つ鏑木さんの顔を早く見たくて」
「ありがとうございます。なんにします」
「ロック」
 鏑木は重松のボトルの山崎をあけてロックグラスに注いだ。
 カラン。カウベルが鳴った。佐賀が入ってきた。この商店街で文房具店をやっている。
「おや先生、先をこされたか」
「佐賀さんまで。いったいどうしたんです。こんなに早く」
「1ヶ月もマスターの顔見てないんだぞ」
 カラン。また客が入ってきた。
「そうだ。わたしも早くマスターと会いたくて」
 落語家の桂文朝だ。
「文朝師匠まで。どうしたんです」
 鏑木が聞いた。
「あす神戸の喜楽館で独演会するんで、立ち寄らせてもらいました」
 ここバー海神は1ケ月休んでいた。マスターの鏑木が入院していたのだ。大腸からの出血だった。さいわい癌ではなく大腸の憩室からの出血であった。悪質な病気ではない。出血が止まれば退院できるはずであった。しかし前立腺が大きく肥大していることが判り、大腸の出血は止まったが、前立腺の手術もした。結局、1ヶ月の入院となった。
「入院中、重松先生にお見舞いに来ていただいて、前立腺の手術をすすめられたんです」
「で、どうなんです。具合は」
 佐賀が聞いた。
「おかげさまで順調です」
「おしっこの出に感激したろ」
 重松が山崎のロックを傾けながらいった。
「はい。若いころに戻ったような勢いでした」
 カラン。カウベル。若い男が二人が入って来た。キョロキョロしている。
「文角と文丸、ここだ」
 文朝が手を上げた。2人はカウンターに座った。これで5人掛けのカウンター席はいっぱいとなった。
「弟子の文角と文丸です。明日の独演会の前座と下座を務めてもらいます」
「あの、師匠、あす『時うどん』やろうと思うんですが」
「ありゃ冬の噺や」
「じゃ『動物園』」
「うん、ええやろ。お前らワシのボウモアでええか」
「はい」
「マスター、二人にボウモアのロック」
 ドアが開いた。4人が入ってきた。
「あ、先生、どうも」
「こちらの二人はワシの患者さんです」
「元患者ですよ。先生がピロリ退治してくれたんで胃はすっかり順調です」
「あたりまえだ。今も患者ならバーなんかへは来させんよ」
「わたしは今も患者ですが、酒はいいですね。先生」
「あんたは軽い糖尿だからちょっとぐらいはいいでしょう」
「佐賀さん、お久しぶりです」
「お久しぶりです」
「マスター、このふたりは私が文房具メーカーの営業だったころの同僚なんだ」
「どうも、佐賀さんにはごひいきいただいてます」
「いい店ですね。マスター」
「お二人ともなにがいいですか」
「なんでもいいですよ」
「それじゃ鏑木さん、グレンフィデックをロックで」
 あとから来た4人はテーブル席に座った。バー海神はカウンター5席。テーブルが2つ。1つ二人掛け。これでバー海神の席九つが全部埋まった。
 9人全員のグラスにウィスキーをそそいでいた鏑木は顔を上げて、ハッとした。海神の席が全部埋まっている。満席になった。
「鏑木さん、こんなん初めてだろう」
 重松が鏑木にいった。
「はい」
「全員グラスを持ったか。鏑木さんはまだ酒はダメだからウーロン茶だよ」
「師匠、乾杯の音頭を」
 鏑木があわてていった。
「なんの乾杯ですか」
「もちろんマスターの退院とバー海神復活を祝してですよ」
「1ヶ月休んだだけですよ」
「1ヵ月は長い」
 重松、佐賀、文朝が声をそろえていった。
 宴は10時近くまで続いた。最初の3人が最後まで残った。
「それじゃ、鏑木さん、帰るわ」
 カラン。カウベルの音。出て行く3人の背中に鏑木は頭を下げた。
「ありがとうございます。この店、もうしばらく続けます」

居酒屋丙寅虎日記 9月12日

2019年09月12日 | 阪神タイガース応援したで
 JR神戸線の六甲道駅のほど近くにその店はある。居酒屋丙寅。夫婦二人でやっている小さな店である。ご亭主が料理をし、奥方が接客する。ご亭主の料理の腕は確かなもので、たいていの客の口を満足させる。このご亭主の料理と、美人で愛想の良い奥方が目当てで、そこそこ繁盛している店である。
 和洋中どんな料理でもおいしければ料理し、お客のリクエストがあればメニューに載ってないモノでも食べさせてくれる。お酒は日本酒、ビール、ウィスキーが置いてある。ワインと焼酎は置いていない。ビールはエビスだけ。日本酒とウィスキーは各種とりそろえている。頼めば取り寄せてくれる。
 ここは六甲山の麓、六甲おろしが吹き降ろす土地柄だからか阪神タイガースのファンが多い。今夜も夜な夜な虎ファンが居酒屋丙寅に集う。
「女将、ビールやビール」
「きのうワシが見んかったら快勝、で、きょうワシが見たら快負け」
「ままま、たいていの阪神ファンはそないいいよるで」
「それにしても大山や。0対1を2対1にするホームランを打てんくせに、0対8を1対8にするホームランは打てんねんな」
「ま、これで蛇足シリーズに出んでええやんか」
「そやな、それが良かったわ」

9月のもとまち寄席恋雅亭

2019年09月11日 | 上方落語楽しんだで
 毎月10日は落語鑑賞の日です。月に一度、10日に神戸は元町の風月堂の地下で落語会が行われます。もとまち寄席恋雅亭です。私はこの落語会の会員です。10日が土日でない限り毎月ここで落語を鑑賞しております。勤務先が兵庫区なので会社帰りに立ち寄りやすいです。
 さて、きのうの開口一番は桂二乗さん。桂米二さんのお弟子さんです。米朝一門らしい端整な落語をする落語家さんです。「ちはやふる」をやらはった。在原業平の和歌です。この業平をゆうのに、いろいろ「ヒラ」のつくのをいいます。「四国にあんのが」「こんぴら」「ごぼうを細こう切って煮るのが」「きんぴら」ここで、ごぼうのきんぴらについてうんちくを入れてはった。
 二番手は笑福亭喬若さん。「豊竹屋」です。なんでも浄瑠璃にしてしまう豊竹屋のだんさん。地のおしゃべりと浄瑠璃しゃべりの対比がおもしろいです。後半、口三味線のおっさんが出てきて、豊竹屋の浄瑠璃と口三味線のかけあいが、軽快でテンポが良く、聞いていて実に心地よいです。
 三番目は桂宗助さん。「一文笛」です。宗助さんは米朝師匠の直弟子ですから、この噺の作者米朝師匠直伝の「一文笛」です。
 先日の桂小文枝師匠もこの噺をやらはった。きのうの宗助さんも小文枝師匠も同じマクラでした。「いろんなところで落語をやらしてもろてます。お客さんにもいろんな人がおられます。先生、おまわりさん、医者。特定の職業のひとをイジると、『なんでワイをイジった』と怒る人がおます。そんなかでも絶対おこられない職業というのが泥棒。こんなかに泥棒の人はおられますか。いませんね。そういうことで今日は泥棒の噺をします。泥棒といってもいろいろあって」
 わたしも上方落語ファンが長いです。ですからマクラで職業のはなしをすると、ははん、泥棒ネタだな。すると「花色木綿」か「仏師屋盗人」か、「泥棒にもいろいろ」とくると「一文笛」だなと判ります。
 ところで泥棒三喬といわれた笑福亭松喬師匠。ほとんどの泥棒の噺をやったはるけど、私は松喬師匠の「一文笛」は聞いたことがありません。ぜひ一度ききたいものです。期せずして小文枝師匠と宗助さんの「一文笛」の聞き比べとなりましたが、小文枝師匠のは濃厚で宗助さんはさっぱりでした。
 さて仲入り前は笑福亭枝鶴師匠。「愛宕山」をやらはった。この噺、もともとは春の噺で、春の山を野がけするんですが、この時の枝鶴師匠は秋の噺にアレンジして演じはった。紅葉の愛宕山です。阪神電車でここまで来はったそうです。途中甲子園があります。非日常なかっこした人たちがおおぜい電車に乗ってはったそうです。
 仲入り後のトリ前です。林家染二さん。「貧乏神」です。この噺、もともとは小佐田定雄さんが桂枝雀師匠に書いた噺ですが、染二さんも得意としたはります。染二さんのパワフルな噺の中にも貧乏神の悲哀がでて、大笑いしつつも少ししんみりするところもありました。枝雀師匠の「貧乏神」も良かったですが、染二さんの貧乏神も絶品でした。
 さてトリは上方落語協会会長の笑福亭仁智師匠。去年の6月に会長に就任したのですが「わたいが会長になってロクなことがあらへん」6月には大阪北部地震、大雨で繁昌亭が浸水被害、台風21号と24号、なんかかんやで繁昌亭大改装が必要と判明。そいえば、今年の6月繁昌亭はリニューアルしてました。
 仁智会長がやったのは創作落語「トメさんトクさん」病院に入院してる82と83のばあさんの会話。長男が見舞いに来ます。関心事は遺産のこと。仁智さんのばあさん芸がたっぷり楽しめました。
 


さらば冬のかもめ

2019年09月09日 | 映画みたで

監督 ハル・アシュビー
出演 ジャック・ニコルソン、オーティス・ヤング、ランディ・クエイド

 海軍ノーフォーク基地の下士官バダスキーとマルホールはポーツマスの海軍刑務所へ出張を命じられる。仕事は8年の刑期の罪人の護送。重罪だな殺人か?いや基地の募金箱から40ドル盗んだ。40ドルぽっちりでなんで8年だ。その募金箱を設置したのが司令官夫人だ。
 と、いうわけでバダスキーとマルホールは罪人メドウズを連れて旅にでる。車や飛行機は使わず、鉄道やバスといった公共交通で移動する。このメドウズまだ18歳の童貞ぼうや。うすらでかいが、ボーとしていて世間知らず。この護送旅行の班長はパダスキー。粗野でええかげんな男だが、人情はあるようだ。マルホールは生真面目な黒人。二人ともベテランの軍人。ノーフォークからポートマスまで2日間の距離。軍は1週間分の予算をくれた。ラッキー、残った金と時間で遊ぼうぜ。となったパダスキー。生真面目なマルホールがブレーキをかけるが。
 メドウズはこんど娑婆に出てきた時は26歳。かわいそう。と、いうわけでパダスキーとマルホールは、メドウズに同情する。大人の喜びを教えてやろうじゃないか。
 未成年のメドウズに酒を飲ませ、博打場に連れていき、売春宿で筆おろしまでしてやる。そして明日はム所という日には雪の中でバーベキューをして慰める。
 ロードムービーである。ボーとしたガキに大人の世界を教えてやる大人二人。決して教養ある人には見えないが、大人のやさしさが観ていて心地よい。
 道中で3人が食べたモノはハンバーガーとソーセージサンドとわずかなバーベキュー。予算をもらっているんだから、もっとええもんを食べればいいと思うが、アメリカ人の食い物はあんなモノか。ええもん食ってへんな。


ジムビーム・デビルズカット

2019年09月08日 | 料理したで

 ウィスキーは完成品になるまで時間がかかる酒である。蒸留した原酒を何年も樽でねかせて熟成させなければならない。
山崎、白州、響、竹鶴といった国産ウィスキーの入手困難は、何年もねかせるといったウィスキーの製造方法によるものである。昨今のウィスキーの需要に原酒の供給が追いつかないのである。急激に売り上げが伸びた。増産しようと思ってもすぐには市場に出せない。12年ものなら、いま、仕込んでも出せるのは12年後である。
 こういう具合にウィスキーは樽で長期間熟成させる酒だ。木の樽だから空気が通る。蒸発して中身が少し減る。これを「天使の分け前」という。中身を取り出して空になった樽。この樽の木には原酒がしみ込んでいる。こちらは「悪魔の取り分」という。ウィスキーは木製の樽で熟成させる酒であるから、天使と悪魔に分け前をやらなければならない。
 人間はエライもので、「天使の分け前」は取りようがないが、「悪魔の取り分」は取りもどしてしまうのである。樽にしみ込んだ原酒を絞り出してブレンドしたのが、この「デビルスカット」である。
 ごらんのように、レギュラーのジムビームより、かなり色は濃い。琥珀色というよりこげ茶色だ。香りは当然ながら木の香りがする。山形の地酒で樽平・住吉という酒がある。小生の好きな日本酒であるが、この住吉も吉野杉の酒樽の香りがする酒であるが、このデビルスカットも同様で木の樽の香りが残っている。
 味は心地よい苦みがあり、あとで甘みが追いかけてくる。アルコールっ気は比較的強く感じて、酒にスムーズ、マイルドを求める人にはお勧めしない。バーボンを飲んでいるんだと思う。バーボン好きにはなかなか結構なバーボンである。