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ごろりんブログ

雫石鉄也のブログ

マッドマックス:フェリオサ

2024年06月06日 | 映画みたで

監督 ジョージ・ミラー
出演 アニャ・テイラー=ジョイ、クリス・ヘムズワース、トム・バーク

「どうなんねやろ」これ映画の楽しみや。でも、結末が判っている映画の場合、「どうなんねやろ」の楽しみはない。歴史もんなんかそやな。織田信長は本能寺で死ぬ。関ケ原は西軍の負け。大阪城は落城する。そんなこと判っとる。それでも、そんな映画でも良く創られてたらおもしろい。これと同じようなもんで「前日譚」つうのんがある。「スター・ウォーズ ローグワン」は「第一作スターウォーズ 新たな希望」の前日譚や。この「マッドマックス:フェリオサ」も「前日譚」や。主人公のフェリオサはどうなるんか結末は判っとる。では前日譚映画はおもろないんか。と、いうとそうではない。「ローグワン」はめっぽう面白かった。結末が判っとっても、おもろい映画はおもろいんや。
 じゃ、なんで結末が判っとってもおもろいんか?「へー、あの人は、ああなるまで、あんなことがあったんか」と思ったらおもろいのである。「あの人」は同じ、「ああなる」は判っとる。で、「あんなこと」が大事ちゅうこったな。どんなおもろい「あんなこと」をいかに創るかが前日譚映画のキモやな。
 ほんでもって、この映画やな。前作「マッドマックス 怒りのデスロード」でイモ―タン・ジョー麾下の女戦士フェリオサが、なぜそうなったかが描かれるのだが、正直、今作はストーリーはいまいちであった。「実りの地」の女の子が暴走族にさらわれ、暴走族とイモ―タン・ジョーの交渉の場でジョーに気に入られジョーのモノとなる。考えられるストーリーで、そこに驚きはなかったな。それに今作で弱いのは悪役やな。第一作のトーカッター、第2作のヒューマンガス、第4作のイモ―タン・ジョー。いずれも魅力的な悪役やった。今作の悪役ディメンタスはただのおっさん。もひとつインパクトのない悪役であった。とはいいつつもアクション場面は一段とパワーアップして目をたのしませてもろた。