昼下がりのコーヒー豆のあくび アーリーアフタヌーンコーヒー日記

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コーヒー豆屋のちょっとだけゆっくり流れる時間

青柿

2024-07-13 07:41:16 | 日記
雨上がり。六月後半に小さな実を付けたと思った柿の実が、コッソリ大きくなっています。
足元を見ると幾つかの青柿。柿の木が自らの健康バランスを考えて、果実数を調整するという生理落果でしょうか。
それとも・・・青柿や落ちて熟すを拒みけり・・・か。

1882(明治15)年7/13生まれの画家青木繫。教科書にもあった「海の幸」や「わだつみのいろこの宮」「黄泉平坂」「ヤマトタケル」等、日本神話を題材とした作品で有名な彼は1910年、28歳でこの世を去ります。胸の病だったとか。

存命であればその後、いかに円熟した作品を世に残したか・・・それはボクの希望的観測であって、永遠に不明な事ですが。
現実的な一般評価は、彼の最盛期は1904年頃であったといわれます。後付けにすぎませんが。

黒髪をおどろに揺りて悶ゆる子世の初恋を呪わしと泣く・・・彼の短歌。当時世間に大インパクトを与えた与謝野晶子「みだれ髪」の影響をモロに受けた感がある、微笑ましさすら感じます。好奇心と感傷、世間への憤懣と自負、背伸びと甘えと、やや斜に構えた放逸。

当初の華々しい活躍に比べ、評価が出にくくなった1905年以降の挫折感と病魔は、想像以上に彼の鼻をへし折ってしまったのかもしれません。
抜け出した後の、成熟した実りを期待させる反面・・・

果実を生理落果させる基準は、柿の木とヒトとでは異なるかもしれませんし、全くのランダムであるかもしれません。
また自死ではなく病死であるのなら、進んで進路を断っているわけではないのですけれど。

自らの人生に、何かしらの意味付けをしたい・・・そんな人の性を想います。

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