傍観者効果

ちょっと前、高2の三女に今後の進路希望を聞いたところ「東京以外に進学希望」と。
何で東京以外？と聞いたら「東京は怖いから」とのこと。そりゃ、生まれ育った地方の小さな町の日常から、たまに遊びに行ったり情報ツールで大都会をチェックすれば、そんな感情も湧くかなと苦笑したんですが。

1964.3.13、ニューヨーク夜、駅近くで暴漢に女性が殺害されました。女性は大声で助けを求め、窓を開け反応する者もいましたが誰も警察に通報しなかったといわれます。キティジェノヴィーズ事件と呼ばれ、傍観者効果が認知される切欠になりました。

その3つの特徴は、１,多元的無知　他者に積極的な行動を感じないと緊急性が低いとみなす　2,責任分散　他者と同調することで責任非難が分散する　3,評価懸念　行動を起こした結果の自己の不利益を考える・・・集団でいる際のヒトの持つ特性であり、非難されるのは違うと思います。暴行殺人を繰り返していた犯人は体験的に、傍観者効果に気づいていたようです。

それは少人数と多人数の違いで緊急時の他者に対し、如何に対処するのかという実験にて証明されました。が、現代では少人数でも同じ結果が出るかどうかは怪しい処ですが。

ですから「ヒトの多い大都会は怖い」という娘の直感も、強ち笑えないと思った次第。

あちこちに防犯カメラが設置され、SNSで速攻拡散される現代においては、当時より犯人の特定はたやすいでしょう。
しかし、被害者になる確率が減ったかと言われれば、微妙かなと。