2019年4月8日 (対馬二日目)
遣唐使の中継基地であった「西漕出」でひと休みしてこの日の宿泊地である「神話の里公園」へ向かった。
途中、「万関瀬戸(万関橋)」を通過した。
日露戦争の日本海海戦でバルチック艦隊を迎え撃つ水雷艇の基地として、島の東側の三浦湾と西側の浅茅湾を繋いだ人工運河だ。どちらの海域へも出撃が可能となった。
この辺りは幕末にもロシアとイギリスが軍事の要衝として占領しようと争っている。赤い橋の下にゆっくりと潮が流れていた。
万関橋から20Kmほど走って「神話の里公園」に着いた。
公園の入り口に海神を祀る「和多都美(ワタツミ)神社」がある。海神の娘を祭る海宮で、拝殿正面の5つの鳥居のうち2つは海中に立ち、潮の干満によりその様相を変えて神秘的な雰囲気を漂わせるという。
「神話の里公園キャンプ場」は入り江の奥にあった。「近くにスーパーがあります。」ということだったが見つけられないまま着いてしまった。
和多都美神社の広場にいた家族連れの若き父親に聞くと「こちらの道に入らずもう少し先に行ったところです。」とのこと。
結構、戻ることになるし、夕食前に烏帽子岳にも登りたかっので携行のアルファ米と缶詰で済まそうとしたら、「今朝買ったものですから大丈夫ですよ」とオニギリ2個をいただいた。
地元の人の親切に感謝する。
対馬はアップロードが多く、重量軽減のためにテントは持参しなかったのでリーステントを東屋に張った。隣に元うなぎ屋のオヤジさんがいた。
持ち寄りの握り飯、アルファ米、鰯のみりん干し、ベーコン、味噌汁の晩飯を一緒に食べながら姓名判断のうんちくに耳を傾けた。
鰻職人の修行をしている時に出会った製紙会社の重役さんの影響を受けて改名までするという懲りようようだった。
奇数-偶数が繰り返されるのが良いとのこと。トータル字画数はラッキーナンバーとして使うと良いらしい。本人は58。58才で鰻屋を店終いして車旅を楽しんでいた。
宿泊地は娘さんと携帯電話で連絡を取り合って決めていたようだった。
公園の中に烏帽子岳(展望所176m)の登り口があった。145段の階段(手すりつき)を登ると見事なリアス式海岸を360度見渡すことができた。
複雑に入り組んだ海岸線と無数の島々、気象条件がよければ韓国の陸影を望むこともできるらしい。前日に寄った「金田城跡」が遠くに見えた。
(つづく)