団塊太郎の徒然草

つれづれなるままに日ぐらし

都市鉱山、そして都市油田へ

2012-04-22 23:44:58 | 日記

  日曜日の夕方6時半からTBSが放送している「夢の扉」という番組を私は良く見ています。
  この番組、夢を拓こうとチャレンジする人物が毎回登場して、試行錯誤をしながら新技術を開発して行く様子を共感を持って紹介するというシリーズです。

  22日のきょうは、ゴミの紙からバイオエタノールを製造することを目標に挑戦する京都市の「都市油田発掘プロジェクト」を率いる京都市の技術職員の山田一男さん、プラントを作る日立造船の富山茂男さん、酵母開発の熊本大学教授の木田建次さんのドキュメンタリーでした


  山田さんはこれまでに廃棄された携帯や家電からレアメタルを回収する仕事をして来たそうで、バイオ燃料製造もその延長上のことでした。

  山田さんと富山さんは5年間ほど一心同体でプロジェクトを進めてきました。
  ゴミとして収集した紙からバイオ燃料をつくるプロセスは次の通りです。

  ゴミの収集→破砕→分別(紙とビニールの「軽量ゴミ」と生ごみなどの「重量ゴミ」)→軽量ゴミからビニールを除去→「紙ゴミパルプ」化→液状にしてスペシャル酵母と酵素(たぶんセルロース分解のための酵素)を添加→5日間の発酵→「もろみ」→もろみを搾って蒸留→エタノール(バイオ燃料)。

  カギの一つは「スペシャル酵母」の開発ですが、これは木田教授が2年間かけて作りました。ゴミの紙に多い雑菌に負けずに発酵能力を発揮できる酵母です

  酵母と言えば、酒、味噌、醤油など和食に欠かせぬ食材製造の主役です。発酵の技術はいわば日本の伝統技術ですが、ゴミを発酵させるのは初めての試みです。もちろんコスト、規模、ゴミ処理能力、自動化などまだ改善しなければならない点は多々ありますが、実証、実用へと進んで欲しいものです。応援したいと思います。

  京都市のゴミは年間に50万トン、それから40万トンのバイオ燃料生産を目指しているそうです。40万トンの燃料と言えば、ガソリン車50万台を満タンにできる量としていました。また、発酵後に残る残渣は紙ゴミ1トンにつき300-400kgだそうですが、それはそのまま燃料として利用することも計画しています。

  これからのエネルギー源は小規模分散型が基本となるでしょう。
  原発は大規模集中型の象徴ですが、これに対して、太陽光、風力、小規模水力、地熱(これは大規模の可能性もあります)、バイオマスなどが小規模分散型のエネルギー源です。紙ゴミからバイオ燃料ができれば、電力だけではなくガソリンの代替が可能になります。地球温暖化防止の技術としても注目です。

  「都市油田」の夢、夢でなくなる日の早いことを期待します。

科学ジャーナリスト 小出五郎ブログより転記


イラン、米無人偵察機のコピー開始

2012-04-22 23:40:42 | 日記
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 【テヘラン共同】イラン指導部の親衛隊的性格を持つ革命防衛隊の司令官は21日夜、イランが昨年12月に撃墜したとする米無人偵察機と同じ性能を持つ無人偵察機の製造を始めたことを明らかにした。イランのメディアが22日に伝えた。

 事実とすれば、偵察機返還を要求しているオバマ米政権の反発は必至。イランと敵対するイスラエルにとっても大きな脅威になる可能性があり、警戒を強めるとみられる。

 無人偵察機は敵のレーダーに探知されにくい高度のステルス性能を持つRQ170とされ、機体の分析などによってイランに高度な技術情報が流出する可能性が指摘されていた。


「生存認めれば大きな進展」=北朝鮮向けラジオで松原拉致担当相

2012-04-22 23:37:12 | 日記

 【ソウル時事】松原仁拉致問題担当相は22日、韓国で、北朝鮮向けラジオ「自由北韓放送」に出演し、北朝鮮が長距離弾道ミサイルの発射失敗を認めたように、死亡したとする拉致被害者が生存していることを認めたら、大きな進展とみなすとの考えを示した。

 松原氏は北朝鮮が核実験などのさらなる挑発行為に出ないよう要求。「ミサイル発射失敗を率直に認めたように、新政権が現実と真剣に向き合い、具体的な行動を見せれば、国際社会は評価する」と強調した。

 その上で「拉致問題でも、既に死亡したと主張してきた人が再調査の結果、実際は生存していたと主張を変えたとしても、責任を問うのではなく、『大きな進展』と評価する。具体的な進展が見られれば、人道支援が可能だ。新体制が決断を下すことを期待する」と語った。


現地視察でわかった安全とほど遠い大飯原発の実情

2012-04-22 23:28:46 | 日記

3月20日春分の日、大飯原発に視察に行った。大阪府市統合本部の下にあるエネルギー戦略会議のメンバーによる視察だ。エネルギー、原発のプロが集まっている。

 余談だが、エネルギー戦略会議のメンバーはみなさん超多忙だ。日程調整が難しく、その結果、これまでの3回とも休日または平日の夜だった。そして、この日の視察も休日返上。第4回も4月1日でまた日曜日ということになっている。ただ、これを続けているとメンバーには休みがなくなってしまうし、何よりも府市の職員が疲弊してしまう。第5回からは何とか平日の昼間に行うようにしようと申し合わせた。

 京都9:45発の湖西線で近江今津まで50分。空気は冷たいが日差しはもう春という感じだ。琵琶湖を囲む風景が美しい。近江今津では、改札を出たところでうなぎ弁当が売っている。京都駅でありきたりの巻きずしの弁当を買ってしまったので、残念ながらこれはパス。

 近江今津から、JRバスで小浜まで1時間。そこからJRで若狭本郷まで20分程度だったろうか。途中特別参与で原子力コンサルタントの佐藤暁氏を発見。隣に座って弁当を食べながら氏の話を聞く。原発のことは関電の人より詳しい。若狭本郷に着くと6名の特別参与が同じ電車に乗っていたことがわかった。府や市の職員も一緒にタクシーで大飯原発に向かった。到着したのは13時少し前。事務所で関電からの説明がある。会議室には多数のマスコミ関係者が終結、テレビカメラもずらりと並んだ。ところが、我々の視察にプレスが同行できないという。一部、屋外の視察のときに合流するが大半の行程にマスコミは入れな い。

 今回の視察の目的はエネルギー戦略会議の委員の勉強もあるが、府民市民に代わっての視察という面もある。マスコミに入ってもらえば大事なところを報道してもらえるので可能な限りマスコミを入れて欲しいと頼んだが、セキュリティの関係で難しいとか、中が狭いのでというような理由で一切だめということだった。

不十分な津波対策

 議論の結果わかったのは、実はマスコミを入れない理由はないということ。カメラも特定の方向を向けての撮影はダメだが、指示に従えば良いという。カメラなしなら記者でも入れる。ならば、代表取材で一人入れればいいだろうと押し問答したが、結局関電はまったく譲歩せず、プレス締め出しでの視察となった。

この体質が福島原発事故を起こした東電の隠蔽体質と共通するのではないかとの思いを強くする。安全だというなら、それを積極的に見せていけばよいのに、自分たちの都合の良いところだけを見せたいということ。都合の悪いところは見せたくないし、委員とのやりとりも困ったところを映されるのが嫌だということだろう。

 作業服に着替えてバスで屋外の視察が始まる。海岸沿いにある防潮堤。この高さが足りないのでかさ上げの工事が必要だということになっている。しかし、それは緊急対応ではなく中期的課題と整理されていて、今はまだ工事さえ始まっていない。一年以上かかるらしい。では、安全とは言えないのでは? との問いに対して、十分安全との答え。ならば、工事は不要ということかと聞くと、中期的には必要だと言う。意味がわからない。

 つまり、ここ1~2年は大きな津波は来ないが5年後には来るかも知れないと予知しているという意味合いになるが、そんなことは誰にもわからない。再稼働した後すぐに巨大地震と津波が襲ってくるかもしれない。この一点を見ただけでも安全というには程遠いことがわかる。

 面白かったのは、この防潮堤を撮影しようとした河合委員に対して、ここは撮影禁止という声がかかったことだ。海にある防潮堤を映してはダメなのかと聞くと、セキュリティの関係だという。こんなもののどこを秘密にする必要があるのかと聞くと、フェンスがあるところはダメだという。なぜフェンスがダメなのかと聞くと、いやいやフェンスがダメなのではなく監視カメラの付いた柱が立っている場所が移るのでダメだという。

 確かに一本柱が立っている。しかし、そのすぐ外側の海を漁船が行き来している。海からの撮影も禁止かと聞いたらそれは自由だという。結局委員の一人に対して監視カメラを映さないということで写真撮影が許可された。しかし、彼らが本当に嫌がったのは、工事さえ始まっていない低い防潮堤を映されることだったのだ。だから、マスコミにはこの場所での撮影はさせなかったということがわかった。ますます隠蔽体質を感じさせる。

むき出し状態で置かれた電源車や給水ポンプ

 その後、屋外に置かれた緊急用のポンプや電源車両などを見たが、一番驚いたのは大型電源車の置かれた場所だ。ものすごく切り立った何十メートルもの高さの崖の下にある。ほとんど垂直に近い。崖というより壁と言った方がよいくらいだ。ニュースの映像で見た人ならわかるだろう。よりによってという感じだ。

 崖が崩れるのではないかとの問いに対しての答えは、シミュレーションでは震度7クラスの地震でも絶対に崩れないという。まともな感覚ではない。近くの崖の一部はコンクリートで崩落防止措置が施してある。あんな急な斜面が絶対に崩れないと言い張るのは尋常ではない。崩れたらどうしようと考えるのが普通の感覚だ。

 コンピューターで計算したから大丈夫だというが、自分の家を建てるのだったら、あんな急な崖の下には絶対に建てないだろう。机上の空論で安全論を振りかざす。安全神話はこうやってできているんだと改めて感じる。大飯原発の地形は非常に複雑だ。急峻な山が海のすぐ近くまで迫っている。坂道が多く、外周の道路などの移動距離も長い。大地震の時にはこの道路が寸断されるだろう。夜間の暴風雨と重なったりすれば、その復旧は極めて困難だ。その時に備えていろいろと対策を打ったということだ。大変じゃないかというと、確かに大変だと思うという返事だった。

 そして、最も印象深かったのは、3号機の使用済み核燃料プール。福島の事故後よく見る青く輝く水の中に静かに沈められた無数の使用済み核燃料だ。なんとなく神秘的なムードが漂う水の中を覗き込むと、全体の3分の2くらいが埋まっているのがよくわかる。大飯原発が順調に運転を続けると何と5~6年で満杯になるという。

 元々は青森の六ヶ所村に運搬して再処理するはずだったのだが、六ヶ所のプロジェクトがほぼ頓挫していて、先の見通しがない。その点を尋ねると、関電社員は苦しそうに、近いうちに何とかめどが立たないものかと思っているのですが、と答えた。無理だってわかってるじゃないですか、と言うと、確かにそうなんですけど、そこのところは我々のほうでは何とかなるようにと思っているところです、と苦しげな回答。ここは無理があるということを現場の人は十分わかっているのだ。

もう一つ重要なのは、これらの電源車や給水ポンプがほぼむき出し状態で置かれていて、テロの脅威ということをまったく想定していない。ここにあります、狙って下さいと言っているようなものだ。入り口にも数人のガードマンがいるだけ。重火器で装備した武装兵士を多数配置するのが世界の常識なのに、ガードマンはもちろん拳銃も持っていなかった。何とも危うい。北朝鮮に狙われたらひとたまりもないだろう。こんないい加減なことで再稼働するのかと思うと憤りさえ感じる。

 全体としての感想は、こんなことではとてもじゃないが安全とは言い難いということ。ストレステスト一次評価をクリアするためだけに一夜漬けで準備しましたというレベルで、とても総合的な安全対策が整っているとは言えないということだ。この感想は、委員全員に共通のものだった。来る前は、完璧と思えるような対策が施されていて、専門家でない自分は、おそらく、「やっぱり安全なのかもしれない」という程度に半分洗脳されてしまうかもしれないと思っていた。残念ながら、結果はまったく逆。不安は数倍に増幅されてしまった。

 ただ、その責任は現場にはない。現場の職員は上層部が決めたことをとにかく忠実に実行しているだけだ。我々の意地の悪い質問にも一生懸命に答えてくれた。我々が後で安全だとは思えなかったと言ったら、きっと本社から大目玉を食らうのだろう、と思うと少し心が痛む。

勇気ある古舘発言

 視察後記者会見に臨む。ここに書いたようなことを話したが、記者の間の雰囲気も関電が情報を完全に開示しようという姿勢がなかったということもあって、不信感が広がったという感じだった。

 これらの予定が終わった後、ABC(大阪朝日放送)に現地中継で出演した。全体の日程が終了したのは午後6時近かった。本来は、ここから東京に帰るはずだったのだが、テレ朝の報道ステーションから急遽出演依頼があり、大阪のABCのスタジオを借りて生中継で出演することになった。そこで慌てて車で大阪に戻り、何とか間に合って出演した。冒頭から大きな扱いで驚いた。当日午後に入った企画にも関わらず長いVTRとスタジオトークも5分ということで報道ステーションでは異例だ。私も思わず力が入る。

 後で聞いたのだが、この話は、当日古舘さんが強力に推し進めたということだ。原発安全問題に対する並々ならぬ意気込みが感じられる。古舘さんと言えば、3.11の原発特番で自らの原発報道についてその足りなかった点について後悔していると語り、さらに今後も圧力がかかって番組を切られても追求を続けると宣言したことが記憶に新しい。

 これは極めて異例の発言だ。特に番組を切られてもなどということをメインキャスターが口にするなんてことは尋常ではない。相当な勇気がいる発言だった。パフォーマンスだなどと酷い中傷をする人もいるが、私はそうは思わない。多くの視聴者、国民は、この発言でどんなに救われる思いをしただろう。政府もマスコミも誰も信じられない状況にある日本で、一筋の光明を見出す思いだという声が多い。これからも頑張っていただきたい。

 さて、出演が終わって関係者に挨拶などをしているうちに午後10時半。新幹線はなく仕方なく現地に宿泊。翌朝東京に戻った。18日のエネルギー戦略会議、19日のキャストレギュラー出演、20日の大飯視察と続いた3泊4日の間にこのメルマガの他に二本、週刊現代とプレイボーイの原稿、そして今週はさ来週のエコノミストの巻頭エッセー原稿と5本の原稿をこなす予定だったが、かなり積み残しになってしまった。

 ただ、我々の活動には非常に熱い関心が集まり、21日の帰京前にはホテルからテレ朝のモーニングバードに電話で生出演。さらに帰った翌22日には久しぶりにみのもんたさんの朝ズバに呼んでもらった。みのさんも政府のエネルギー問題への対応に熱い怒りをあらわにしていた。みんながおかしいと思っている中、それでも枝野大臣はじめ政府は大飯原発再稼働に向けてひた走っている。

(「古賀茂明と日本再生を考えるメールマガジン」より抜粋)


官々愕々いまこそ公取委の出番だ

2012-04-22 23:24:39 | 日記

山梨県のスーパー25社などが3月22日、東京電力の一方的な値上げは優越的地位の濫用に当たるとして公正取引委員会に申告した。

 東電の値上げについては、枝野幸男経産相が、権限はないが「行政指導」すると発言したが、この25社の動きは、公取委というもっと強力な国民の味方がいたのだということを思い出させてくれた。

 電力会社は地域独占を認められていて、全く競争がなく倒産の心配もない代わりに、経産省が強い規制権限を持っていて厳しく監督していると思っている国民も多いのではないか。しかし、その認識はかなりの部分で誤りだ。

 まず、大口需要家向けの供給は地域独占が認められておらず、「自由化」されていて、料金などについても経産省はいちいちチェックなどできない。だから枝野大臣が「権限がない」と言っているのだ。しかも、法律上自由化されているのに実際には地域外の大手電力会社と契約している例は中国地方のスーパーが九州電力から買っている一例のみで、実態は地域独占のままだ。「自由化」とは「電力会社が好き勝手できる」という意味になってしまっている。

 一方、一般家庭向けについては地域独占を認める一方で、料金は経産省がチェックして認可する権限を持っているのだが、実態はかなり異なる。デフレが続いているのに長らく本格的なチェックは行われておらず、しかも、発電に不必要な様々な寄付金や広告宣伝費などを電力会社の言い値のまま料金に転嫁することを認めていた。だから電力料金がバカ高いのだ。

 なぜ法律と現実がかけ離れているかというと、経産省が電力会社と癒着していて消費者のことなど微塵も考えていないからだ。経産省は枝野大臣を使ってひたすら東電を悪者にして自らの責任を免れようとしているが、これまで電力会社の横暴を認めていたのは経産省だ。おかげで電力会社には随分と恩を売っている。だから歴代の資源エネルギー庁幹部などが堂々と電力会社に天下りを続けられる訳だ。原発の安全規制を任せてはいけないのと同じで、電力の規制権限も経産省から引き剥がさなければいけない。

 その答えとなるのが公取委だ。公取委は従来、電力会社の強大な政治力にひるみ、この世界に切り込むことをためらっていたが、東電の力が弱まり、さらに今般のとんでもない値上げ強要で千載一遇のチャンスが訪れた。今回は、独占禁止法第19条の不公正な取引方法のうち「優越的地位の濫用」に当たるとの申告だが、これほどわかりやすい例はない。もちろん個別事案として精査すべき点はあるが、公取委がこれを不問に付すことはできないだろう。

 さらにその先がある。事実上の独占状態にある電力業界に対しては常時、第三者的な規制機関がチェックすることが必要だ。経産省という電力会社お抱え機関にやらせてはいけない。そういう問題意識があってか、公取委は3月下旬、電力業界の「地域独占」に関する調査を行うことを発表した。この夏に政府は電力市場のあり方について大方針を出すはずだが、それに間に合わせなければならない。

 電力事業の規制権限を公取委に、または新たに独立の委員会を作ってそこに移管するための政策提言を公取委が行ってはどうか。担当大臣は松原仁氏。その力量と見識が問われている。

古賀茂明「日本再生に挑む」

「週刊現代」2012年4月21日号より