団塊太郎の徒然草

つれづれなるままに日ぐらし

自動翻訳と行政の責任、観光庁は無能だ。

2012-04-14 21:33:39 | 日記

朝日新聞サイトに『東北博外国語HP、観光庁が一時閉鎖 誤訳相次ぎ』という記事が出ていた。東北観光博覧会の公式ホームページに外国語訳の誤りが多数見つかったため博覧会実行委事務局の観光庁が今月下旬まで一時閉鎖することを決めた、という内容である。

記事には誤訳例も付いていた。「あきた千秋公園桜まつり」が「Senshu park cherry tree Festival which we got tired of(飽きた千秋公園桜祭まつり)」と、六郷のカマクラ行事が「Mosquito event to use as a pillow of six volost(六つの郷のまくらに使う蚊の行事)」と翻訳されていたそうだ。

観光庁は「自動翻訳機の辞書機能に固有名詞を登録するなど改善を図っていきたい」と話しているそうだが、本当に自動翻訳の問題なのか。試しにGoogle翻訳を通したら「Cherry Blossom Festival in Akita Senshukoen」「Kamakura event Rokugo」と出た。一方、エキサイト翻訳では「The Chiaki park cherry tree festival which got bored」「The カマクラ event of Rokugo」となった。確かに翻訳エンジンの性能によって誤訳となる可能性があるようだ。

しかし、翻訳結果をチェックしないまま掲載していた観光庁の姿勢の方が問題だ。それにも増して、日本人向けの情報をただ翻訳すれば「それでよし」という姿勢が問題だ。外国人観光客は日本国内の地理に詳しくないから、日本人とは異なる情報を求めている。それに応えるサイトでなければ、何の役にも立たない。

利用者のことを考えてサービスを提供しなければサービスは利用されない、ということすら理解せずサイトを構築していた観光庁は無能である。東北博は大震災で落ち込んだ観光を盛り返すイベントである。その事務局として観光庁の責任は大きい。「自動翻訳機の辞書機能に固有名詞を登録する」だけでは済まない話だ。

山田肇 -東洋大学経済学部-

政府、北朝鮮追加制裁を本格検討 

2012-04-14 21:28:01 | 日記

政府は13日、北朝鮮による長距離弾道ミサイル発射を受け、日本独自の追加制裁に関し本格的な検討に入った。過去の国連安全保障理事会決議に違反しているとして、米韓両国と連携して安保理での新たな決議採択も働き掛け、国際包囲網の構築を急ぐ。

 ただ強硬路線を貫けば、膠着状態に陥っている拉致問題の進展に影響を与えるのは確実。このため野田佳彦首相は、制裁強化について安保理の議論の行方や北朝鮮の今後の動きを見て最終判断する考えだ。

 政府は現在、輸出入の全面禁止など独自の制裁措置を継続中。


選挙権「18歳」期限先送り、決められないことばかり民主党政権。

2012-04-14 21:23:15 | 日記

 民主党は、10年5月の国民投票法施行までに実現が必要だった選挙権年齢などの「18歳」への引き下げに関し、「違法状態」を回避するため付則で新たな期限を設ける法改正の検討に入った。公職選挙法や民法改正に見通しが立たないのが背景だが、国民投票実施への環境整備の側面もありそうだ。近く自民、公明両党との実務者協議で提案し、今国会成立を目指す。

 国民投票法は07年に成立。18歳から投票権を与え、同時に法施行までに現在は20歳の選挙権年齢や成人年齢を18歳に引き下げるため「必要な法制上の措置を講ずる」と付則に明記した。だが議論が進まず、施行後は違法状態に陥っている。

(共同)

高級EVバトル勃発、トヨタ・日産の新テレマティクス登場

2012-04-14 20:54:50 | 日記

2012年4月5日、午前11時35分を回った頃、ニューヨークで衝撃的な発表があった。場所はニューヨーク・マンハッタンの34thストリート&11thアベニュー。ハドソン川に面するジャビッツコンベンションセンターで開催されたNYモーターショーのインフィニティ(日産の高級ブランド)ブース。そこに登場したのは、高級セダンEV(電気自動車)の「LE コンセプト」だ。

NYモーターショーのインフィニティブース。高級EV「LEコンセプト」を発表する、日産自動車のカルロス・ゴーンCEO。
Photo by Kenji Momota

 壇上の日産CEOカルロス・ゴーン氏の口からは「24ヵ月以内に北米で発売」、「量産モデルとしては世界初となる非接触充電方式を標準装備」、「新開発したテレマティクス(インテル社のプロセッサー・Atom採用の)日産コネクトを採用」という言葉が出た。

 さらに同氏は「インフィニティのヘッドクォーターを香港に移した」とも発言したのだ。こうしたコメントに対して、自動車業界関係者たちの間からはかなりの驚きの声が上がった。会場内からは「大型の非接触充電の規格がまだ定まっていないこの時期に、随分と思い切ったものだ」、「日産もトヨタもテレマティクスで欧米勢に負けじと、ここまで早い時期にインテルと手を組むとは驚きだ」などの声が聞かれた。

 実は、同車の登場は、報道陣や業界関係者にとっては「折り込み済み」だった。なぜなら日産は2015年までに北米で4台のEVを発売すると発表していたからだ。この4台とは、「リーフ」、小型バンの「e-NV200」、スポーティタイプのEV、そしてこのインフィニティ「LE」だ。

 これら4台は、投資額5000億円以上と言われている日産のEV開発費用に対する量産効果を狙うため、「リーフ」向けに開発した同社Bプラットフォーム改良型の車体、パワーユニット、そしてリチウムイオン二次電池を基本的には共用する。ところが、こうした事前情報以外に、前述のような新開発技術が盛り込まれていたことが業界関係者たちの度肝を抜いたのだ。

日産関係者が語る
「インフィニティ LE」の技術詳細

「LEコンセプト」を担当した日産自動車関係者。グローバルデザイン本部、インフィニティ・デザインディレクターの長野宏司(右)と、インフィニティ事業部商品戦略・企画部の高田知弘也氏(左)。 Photo by Kenji Momota

 同車に関するプレスリリースは、コンセプトモデルらしく技術詳細が少なく、抽象的な表現が多い。そこで、記者発表直後に日産関係者から情報収集をした。対応していただいたお二方は、まず日産自動車グローバルデザイン本部・インフィニティ・デザインディレクターで以前に「リーフ」のデザインも統括した長野宏司氏。もうひとりは、同社インフィニティ事業本部・商品戦略・企画部のチーフ・プロダクト・スペシャリストの高田知弘也氏だ。

 長野氏は「LEはEV専用車だ。だがデザインとしてEVありきではなく、インフィニティの傘のなかで(エントリーモデルとして)EVはどうあるべきかを考えた。そのなかで、5ドアの『リーフ』とは違う、高級セダンとした」という。

 ボディサイズは全長4.7m強で、既存車ではインフィニティ「Gクラス」(日本ではクーペのみ発売中のスカイライン)とほぼ同じだ。

 高田氏によると、搭載するリチウムイオン二次電池は「リーフ」と同じ、AESC(オートモーティブ・エナジー・サプライ社)製で電池容量は24kwh。電池パックの搭載位置は車体の床下とした。だが電気モータとインバータについては「ハイパフォーマンス性を強調するため、リーフよりブースト(増幅)させたい」(高田氏)という。そのため、「リーフ」用の電気モータとインバータを改良するか、または新規設定するかを現在検討中だという。今回の発表資料では、最大トルクをリーフの約16%増の325Nmとした。

 そして、「LE」の目玉である非接触充電(別表記として給電)については標準装備となる。同充電方式については、本連載の第56回『ここでも忍び寄る韓国の足音!コードなしで充電を可能とする電気自動車技術の切り札、「非接触給電」の主導権を守れ』で紹介している。

日産の大英断は急速充電の
デファクト争いでも日本有利に働く!?

インフィニティ「LEコンセプト」の目玉は非接触充電。車体後部下と地面に置いたコイル間で充電を行う。 Photo by Kenji Momota

 同充電方式には、クルマ側と地面側の両方にコイルが必要だ。「LE」の場合、クルマ側のコイルは車体後部に設置し、地面側は埋め込み型ではなく、据え置き型だ。

「これは、アメリカでの自宅充電を念頭にして開発中だ。また、アメリカでは前向き駐車が多いため自動駐車装置(インテリジェント・パーク・アシスト)も標準装備とする」(高田氏)という。これは、360度の周辺情報を視覚化するアラウンドビューモニターによって、自動的にハンドル操作をするもの。非接触充電の弱点、コイル間のズレがあると充電効率が落ちる現象を防ぐ目的だ。

 また駐車位置はGPSによってブックマークできる。コイルの出力は3.3kwで、アメリカの一般家庭向けの電圧240Vだと満充電まで8時間だ。また、今回のコンセプトモデルでは装着されていなかったが、量産型では有線での充電として、「リーフ」と同様にCHA de MO規格の出力50kwの急速充電とSAE J1772規格の普通充電用の充電ポートを車体前部に装着する。満充電での航続距離は米LA4モードで100マイル(160km)以上とした。

 日産は非接触充電についてこれまで、90年代に発売したEVの「ハイパーミニ」や「リーフ」を使った実験を行なってきた。しかし、同充電方式についてはまだ、規格が標準化されていない状況だ。同充電方式の主流である電磁誘導型については、ニュージーランドに移動体向けの発明・開発者がおり、ドイツ、カナダに工業用向け等の各種量産メーカーがあり、さらに磁界共鳴型ではMIT(マサチューセッツ工科大学)のベンチャー企業・ワイトリシティ社がトヨタと提携をするなど、世界各地で自動車業界、電気機器業界による協議が活発化している。

 また、携帯電話や電動歯ブラシなど小型電気機器についての非接触充電については、「Qi(チー)」が事実上、業界標準化している。こうした状況の下、日産は世界で初めて、非接触充電を量産型自動車に搭載すると決定したのだ。同社としては今後、EVでのイニシアティブを維持し続けるためにも、さらには急速充電規格における「CHA de Mo vs 欧米のコンボコネクター」戦争で日本が優位に立つためにも、“一歩先の充電技術”を手中に収める戦略に出たといえる。この大英断は自動車業界全体に大きなインパクトを与えたと思う。

インフィニティ「LE」は、こうした先端技術を備えることで、高級車(ラグジュアリーカー)の購買層に対してEVの魅力をアピールする。つまり同車は、テスラが今年発売を目指している5ドアハッチバックの「モデルS」やBMWが2013年発売予定の「i3」のライバルとなる。「LE」の販売価格について高田氏は「今後のインセンティブ(購入奨励金)の状況などを踏まえて決定したい」という。だが、インフィニティのエントリーモデルとしての位置付けを考えると、5万ドル(410万円)前後が妥当だといえる。今回、「LE」が登場したことで、日米欧メーカーによる高級EV市場バトルが今後、激しさを増すことになる。

 なお「LE」は北米向け「リーフ」を製造予定のテネシー州スマーナ工場で生産する。欧州他、インフィニティを展開している地域での発売の可能性もある。日本で日産ブランド車として発売する可能性は「現在のところ考えていない」(高田氏)という。

出遅れていた日系メーカーの
テレマティクスが急展開

 インフィニティ「LE」発表でもうひとつの驚きが、新型テレマティクスだ。これは同車発表の前日、中型セダンの日産「アルティマ」の新型モデル発表で明らかになった、“日産コネクト”を用いる。“日産コネクト”は米インテルのプロセッサーAtomを使用する。トヨタもインテルとの連携を発表しているが、日産はいち早く商品化する。

 また、ダッシュボード部分の操作類の総称であるHMI(ヒューマン・マシン・インターフェイス)でも、テレマティクスを意識した大型2画面式のディスプレイを採用。これは「LE」発売に先駆けて、2013年からインフィニティ各モデルで採用することが決まった。“日産コネクト”では、地図情報はGoogleと、インターネットラジオではPandoraと連携する。

トヨタの北米向け高級セダン、新型「アバロン」の車内。ダッシュボード中央にテレマティクスを意識した大型画面を装備した。
Photo by Kenji Momota

 そしてトヨタは今回、北米向けの上級セダン「アバロン」の新型モデルを発表。同車については開発企画、デザイン、部品購買、そして製造までアメリカ国内トヨタのアメリカ人が主導する初めての体制を組んだ。同社は2000年から北米向け車の開発をアメリカ寄りにする戦略をとってきたが、新型「アバロン」以降の北米向け車については、これまでの体制をさらに強化する。

 そうしたなか、アメリカ人開発者は日本人開発者とは違った発想も数多くあり、テレマティクスでも既存のトヨタ・レクサス車より一歩先の商品化について、米国発のアイディアを実現している。新型「アバロン」でも、通信情報サービスのエンチューンのコンテンツを強化、大型ディズプレイの採用、さらに操作感覚がタッチパネルのような各種スイッチを採用した。

 トヨタは現在、シリコンバレーに少人数によるIT産業関連の基地を設けており、テレマティクスについての情報収集を強化している。「まだ外部に出る前にIT先端技術の情報を押さえる。それを(ミシガン州の研究開発拠点のある)アナーバーと(カリフォルニア州トーランスの研究拠点やデザインセンターのある)LAの開発部署、さらには日本側と共有していく」(北米トヨタ社長兼最高執行責任者〈COO〉の寺師茂樹氏)という。本連載ではテレマティクスについて、日系自動車メーカーが米GM、フォード、クライスラーに遅れをとっていると紹介したが、ここへきて日産とトヨタが一気に挽回するべくアクションを起こしたカタチだ。

さらに深まる
フィスカーの謎

 米次世代車ベンチャーのフィスカーは、2014年の発売を目指す「アトランティック」を公開した。これは今回のニューヨークショープレスデーの前日、同市街で一部メディア、投資家、販売店関係者などを招いたプライベートパーティでお披露目したものだ。筆者は同日、テキサス州ダラス周辺を襲った巨大竜巻の影響で、ダラスからニューヨークに飛べなかったため、同お披露目会に参加できなかった。そこで4月4日、5日のニューヨークショープレスデー現地で「アトランティック」を取材しようと考えた。しかし、ショー現地には同車の展示はなく、同社関係者等への直接取材でその概要を聞いた。同社ウエブサイトでは同車公開の模様が動画で公開されている。

さて、この「アトランティック」について様々な疑問がある。本連載ではこれまで、フィスカーについて、その事業内容、技術詳細について「謎が多い」と書いてきた。その謎は「アトランティック」登場でさらに深まったと思う。それでは以下に、「アトランティック」に関連したフィスカーの事業全体について考えてみたい。

疑問1
「ニーナ」がまだないのに「ニーナ」がベース?

フィスカーが2014年の発売を目指すとした、小型レンジエクステンダーの「アトランティック」。

 日本の一部報道で、「アトランティック」はフィスカーの既存車「カーマ」がベースとあるが、それは誤りだ。同社のグローバルセールス担当ディレクター、マサチュー・マルフィターノ氏に確認したところ、同車のベースは「ニーナ」だ。

「ニーナ」とは、同社が旧GMのデラウエア州ウイルミントン工場で生産予定の小型レンジエクステンダー(エンジンで発電するEV)だ。同社はこの「ニーナ」等のアメリカ国内生産に対して、DOE(米エネルギー省)から低利子融資のATVMI(Advanced Technology Vehicle Manufacturing Incentive、先進技術車製造補助)ローンを受けた。その額は5億2800万ドル(約433億円)と巨額だ。

 2009年11月の米ロサンゼルスオートショーの際、フィスカー側は「ニーナ」の年産計画販売台数は10万台で、2012年半ばに同工場が稼働開始予定としてきた。また、その10万台は最低ラインで、生産能力は年産30万台あるとも言っていた。だが、今回の「アトランティック」発表まで、同社が「プロジェクト・ニーナ」と呼ぶ計画についてはっきりとして情報公開はなかった。

 そうしたなか、いきなり、存在しない「ニーナ」のさらに先のクルマとして「アトランティック」が発表された。この展開、普通に考えれば奇妙だ。「ニーナ」について、「アトランティック」のお披露目会で、同社会長のヘンリック・フィスカー氏はこう語った。「ニーナは90%ほど出来ている。その発表や生産は(近い将来に)行われるだろう」。このコメント部分、同氏は動詞の前の「will」を強調した。

つまりこれは、いわゆる“そば屋の出前”に近い表現だと思う。フィスカー氏は「弊社はコンセプトモデルは作らない。本日お見せしているこのアトランティックはまさしく量産モデルだ」と言う。だがどう考えても、まず「ニーナ」を公開してから、その次の事業計画を見せるべきだと思う。

 また、「ニーナ」のパワーユニットは「カーマ」とは違い後輪駆動の他に四輪駆動もあるという。そして発電用エンジンについて「BMWと交渉しているが、詳しいことはシークレットだ」(フィスカー氏)という。「カーマ」の場合、GMからエンジン供給を受けているが、後輪のモータ駆動方式についてはフィスカー側は「軍事機密として開発された技術なので詳細公開はできない」と言い続けている。こうした、様々な理由をつけて技術公開をしない体質は、公に対して量産車を製造販売する自動車メーカーとしては早急に改めるべきだと思う。

疑問2
トップの首のすげ替えは、事業立て直しの証か?

 フィスカーは2012年2月28日、創業者のヘンリック・フィスカー氏が会長職となり、CEOに元クライスラーCEOのトム・ラソーダ氏を起用したと発表した。今回の「アトランティック」発表はまさに、ラソーダ体制のお披露目であった。どうしてこの時期にトップマネジメントが入れ替わるのか?

 それは、同社への投資家、さらには巨額融資をした米政府側からの圧力があったと考えるのが妥当だろう。会長職兼デザイナーに退いたフィスカー氏はいみじくも、今回の記者会見で「2007年の弊社社設立以来、厳しい道のりだった」と本音を漏らした。

NYモーターショーのフィスカーのブース。展示車は「カーマ」のみで、「アトランティック」の姿はなし。 Photo by Kenji Momota

 前述のように「プロジェクト・ニーナ」は大幅に遅れている。また同社の第一弾の「カーマ」についても、当初の事業計画とはかなり違う。販売については2010年後半から2011年初頭としていた。しかし、実際に製造委託先であるバルメット社で量産型が製造開始されたのは、バルメット社関係者によると2012年3月21日だ。2011年中の生産総数は約2200台で、これら全車をフィスカー側に送ったという。また現時点での生産体制では、月産20~25台のペースという。当初、「カーマ」の年産計画台数は1万5000台と発表されていた。

フィスカー氏によると現在までに約700台の「カーマ」が顧客の手に渡っている。だが、2009年11月の時点で、手付金5000ドル(約41万円)を支払った先行予約が1500件あると公表しており、その数字は当然近年は増えているはずであり、現状での生産台数に対する実販売台数の割合について疑問が残る。

 このほか、当初生産計画のあった「カーマ」のオープンカーモデル「サンセット」について、現状でどうなっているのかの説明がない。価格についても、当初「カーマ」は8万7900ドル(約721万円)としていたが、実売時のベースモデル価格は10万3000ドル(約845万円)と跳ね上がった。また欧米でのディーラー網についても、当初予定より整備が遅れている。

 つまり、フィスカーの当初の事業計画は失敗したのだ。だから、投資家も、税金を事実上投資した米政府も、同社の経営体制の刷新なくして今後の事業存続は許可できぬ、という姿勢になったものと考えられる。その結果として、ラソーダ氏という経営のプロをヘッドハンティングしたのだ。このような流れは、米ベンチャーが創業時から事業安定成長期に向かう過程でよくあることだともいえるが…。

 新生フィスカー、今後の動向が気になるところだ。なお、同社の日本市場進出についてだが、前出のマルフィターノ氏は「代理店についてはまだ検討段階で詳細はまったく決まっていない」という。


信頼不在の大飯原発再稼働、政権の官僚依存が露呈

2012-04-14 20:47:11 | 日記

[東京 14日 ロイター] 野田政権が、関西電力大飯原子力発電3、4号機(福井県おおい町)の再稼働が「必要ある」とした13日の政治判断は、国民の信頼が大きく欠けた中で行われた。

枝野幸男経済産業相は13日の記者会見で、電力需給について「楽観論に軽々に与し、供給が足りなることは許されない」と語ったが、「原発ゼロでも夏は乗り切れる可能性がある」とした1月末の自身の発言と矛盾する。有識者からは官僚に取り込まれた民主党政権の限界を指摘する声が聞かれる。

<本当に電気は足りないのか>

再稼働の必要性ありと判断した最大の根拠として政府が示したのは、原発ゼロの場合、関電管内の電力供給が需要に対してどれだけ不足するかというデータだ。9日と13日に首相官邸内の会見場で配布されたが、資源エネルギー庁が関電からの報告を基に提示した不足の割合は、一昨年夏並の猛暑だった場合は18.4%(9日時点提示では19.6%)、1割の節電要請を呼びかけた昨年夏並の暑さだったら5.5%(同7.6%)のそれぞれ供給不足になるという。

ただ、これはエアコン需要が急増する日中の時間帯での数値で、この時間の需要を減らして他の時間帯に誘導するなどの工夫をすればこうした危機を回避できるとの見方は少なくない。

関電によると、昨年夏(7月―9月)の需要が、今年の原発ゼロ想定の供給力(9日時点提示の2574万キロワット)を上回ったのは11日間の合計56時間。昨年夏並の暑さなら、3カ月間のうち10日間余りの日中の需要をうまく他の時間帯に誘導すれば、危機は回避できる。

同様に、一昨年夏の需要の場合、今年の原発ゼロ想定の供給力(同2489万キロワット)を上回ったのは51日間の計473時間で、この前提ではたしかに厳しそうに見える。ただ、国のエネルギー政策議論に参加する飯田哲也・環境エネルギー政策研究所(ISEP)所長は、「最大需要は、一昨年の異常値は去年と比較すると350万キロワット多いが、内訳は気温要因が160万キロワット、関電が需給調整した分とその他節電効果で190万キロワット。

一昨年並の猛暑となった場合でも、160万キロワット分は、去年から今年に出来る節電側のピークマネージメント(最大需要抑制)で楽に減らせる」と指摘する。

大飯原発に隣接する滋賀県の嘉田由紀子知事は今月6日、ロイターのインタビューで、需給ギャップを乗り越える手法として、「(企業などの節電分を電力会社が買い取る)ネガワットなど市場メカニズムの中に節電を取り入れること」を挙げるなど、節電を「供給力」として活用すべきとする声が高まっている。

電力危機を契機に、ピークカットに対応するニュービジネスが生まれる機運も高まっている。東京電力がこのほどピーク需要抑制に向けたビジネスプランを募集したところ、6件が採用された。その中に、エナリス(東京都足立区)という見慣れない企業が顔を出す。同社は多数の需要家のピーク抑制を行う、2004年設立のベンチャー企業だが、日立製作所、ダイキン工業の大手2社と組んだ提案が東電に採用された。

こうした事業環境の整備に動いてきたエネルギーコンサル会社、クリーングリーンパートナーズ代表の福井エドワード氏は、節電分を集める事業者(デマンド・レスポンス・アグリゲーター)という業種の役割について、「50キロワット―500キロワット(小口高圧)の需要家が東京電力管内で20万件くらいあるが、そこの節電が手付かずだ。オフィスなどのこれら需要家が全てエアコンの出力を2割程度下げるだけで、東電管内のピーク需要(昨年夏で5000万キロワット弱)のうち1000万キロワット程度を抑制できると試算している」と解説する。

<官僚の考えに染まった>

福井氏は「危機や制約のあるところに創意工夫やイノベーションが生まれて新しい産業が育つ」と指摘するが、野田政権にはこうした声が届かなかったようだ。枝野経産相は「節電すれば需給ギャップは解消されるという声にも耳を傾けたが、細部まで確信できる議論には出会ってない」と語った。

エネルギー分野で構造変革に踏み出すには長いリードタイムが必要となるが、新しい試みに否定的な態度こそ、再生可能エネルギーの本格拡大や、国際パイプラインの敷設を通じた安価な天然ガス調達など現在の危機に対応する上で必要な環境を整える芽を摘み取ってきた。

ISEPの飯田所長は、再稼働が必要との野田政権の判断について、「(政府や国会の)事故調査委員会の結果も出ていない、(原子力)規制庁が立ち上がっていないし、どんな規制庁になるか分かっていないし、地元の安全対策も出来ていない。安全性以前に政治的な手続きがあまりに破廉恥だ」と批判。

こうした状況に陥ったことについて飯田氏は「民主党は政治主導といいながら政治主導のやり方を全くしなかった。原子力村や経産省の古い考えを持った人に取り囲まれ、官僚の全体の枠組み、考え方に染まってしまう」と分析する。

菅直人前首相のもとで内閣官房参与として原発事故の対応に当たった田坂広志氏は原発の再稼働の条件について「政府が国民に信頼されていること」(2月の講演)を挙げた。今の政府が国民から信頼を得ているかどうかについて枝野経産相は、「昨年3月11日にそれまで起こらないと言われていた事故が起こったのだから、国民の皆さんが簡単に政府を信頼してくれるとは思っていない。理解をいただけるかどうか最大限努力したい」と語った。

(ロイターニュース、浜田健太郎)