ある記憶

遥か遠くにいってしまった記憶たち

棟方志功という生き方

2008-09-27 21:19:12 | 
棟方志功の「板画」(彼は版画のことをこう呼びました)に傾けた情熱は並々ならぬものがあります。


誰でも彼の作品を、いつかどこかで、見覚えがあるはずです。
太くて荒々しいが、すごく優しく温かい線で仕上げられた作品の数々。


いつも圧倒される彼の製作現場の写真。




視力が極端に劣っているとはいえ、かじりつくようにして板を彫る彼の姿は鬼気迫るものがあります。
ここまでして仕事に没入できるものかと、驚かされます。


魂を込めた板画は、どの作品も僕らをほっとさせてくれる。
慈悲というか、救いさえ与えてくれているような感じがします。




彼は若い頃に出会ったゴッホに憧れて画家、版画家を目指したといわれます。
確かにゴッホの影響を受けたような作品も多いのですが、僕はシャガールに感じたのと同じものを彼の作品に感じます。
懐かしさというか郷愁というか、そのような感慨を同じように感じます。





「不生」 うまれず、と読むのでしょうか。
棟方志功による書です。

まだまだ生まれていない。芸術家としての自分、そして自分の作品の数々。
生まれず、として自分を牽制しているのでしょう。
いつまでも謙虚だった志功。

いかにも東北人、青森の出身者らしく思えます。


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