スパニッシュ・オデッセイ

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エホバ(Jehová)とイエス(Jesús)

2018-08-06 20:27:13 | 名前
  アラブ地域の聖書では「ヤハウェ」を「アッラーフ」と表記している(ウィキペディア「アッラーフ」)ことはすでに紹介した。
 すなわち、「アラー」(Allah、西 Alá)は「ヤハウェ」(Yahweh、Jehovah、西 Jehová「ヘオバ」)と同一人物(?)である。
 今回は「ヤハウェ」について述べるが、「ヤハウェ」は「エホバ」とも呼ばれている。その理由については小学館『西和中辞典』Jehová の項より引用する。

 もともとヘブライ語では子音字のみを使っていたため、旧約聖書で yhvh の形で表記されていたが、後代の人が別の母音時を挿入して読んだため、本来の Yahweh とは異なる形ができた。

 Jehová の関連語として、Jesús(ヘスス)、Juan(フアン)があるとのことである。
 そうすると、Jesús も調べなければならない。『西和中辞典』Jesús の項には次のように記載されている。

 Jesús ←[後ラ]Jesus ← [ギ]Iesous ← [ヘブライ]YeshuaYehoshuaYahweh「神」+ yeshuah「救い」:「神は救い主」が原義)] 

 次に Juan を調べる。Juan は英語 John のスペイン語形で、聖書に出てくる「ヨハネ」(使徒及び洗礼者)に関連があることは知っていたが、語源までは調べていなかった。

 Juan ← [古西]Johan ← [中ラ]Jo(h)annes ← [ギ]Ioannes ← [ヘブライ]Yohanan (「神は恵み深い」が原義)

 Jesús も Juan もありがたい名前であることがわかった。Juan の英語形 John は日本では犬の名前にもなっているが、愛犬ジョンの名前を呼ぶたびに、飼い主は神に感謝しなければならない。
 さて、Allah 姓があったように、Jehovah, Jehová, Yahweh などの姓はあるのだろうか。
 “Forebears”にあたってみたところ、Jehova 姓はある。ただし、全世界に26人という超激レアな姓である。アメリカが絶対数1位(ただし、8人)で、スペイン、ペルー、メキシコ、ベネズエラ、ニカラグアに1人ずついる。スペイン語圏ではアクセント記号(tilde)をつけて、Jehová とつづるのだろう。
 Jehovah という姓は見つからなかったが、Jehovah S, Jehovahs という姓ならあった。どちらも Jehová よりいくらか多いものの、全世界で100人にも満たない。
 それでは、Yahweh さんはどうか。“Forebears”によると、全世界でただ一人、インドにいるらしい(“Forebears”)。 世界でただ一人とは Yahweh の名にふさわしい。
 Yaweh, Yehweh などの姓もあるが、全世界で数人である。ただし、Yawe さんは全世界に9070人いるようで、これが Yahweh のような姓では最も数が多い(“Forebears”)。ウガンダに8960人ぐらいいるらしいが、これは Yahweh とは無関係のような気がする。

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