メキシコでは外国のメーカーの自動車を生産している。フォルクスワーゲンのビートル・タクシーもそうだが、同じくフォルクスワーゲン社の“Golf”という名前の乗用車も生産している。アメリカのクライスラー社も“New Yorker”などの車種を生産していた。日本メーカーでは日産が進出していた。名前は日本のものとは別の名前がついていた。日産はかつて“Datsun”というブランドだったこともあり、「ダッツン」で通じていたようだ。しかし、1990年代は“Nissan”で統一していたが、めでたいことに、“Datsun”ブランドが復活するとか。その日産の車が“Hikari”や“Tsuru”という名前で生産されていた。
これらの車は会社こそ外国であるが、メキシコ製である。当然、日産の車だからといって、日本と同じ品質を期待してはいけない。メキシコ製の車は故障があるものと思っていた方がよい(今はどうか知らないが)。
筆者は、クライスラー社の車に乗っていたが、運がいいことに、故障は一度もなかった。メキシコ・シティーは標高が2200メートルぐらいあるので、空気がやや希薄である。高山病になるほどではないが、階段を上ると最初は息切れがした。筆者は高山病はペルーで標高3000メートルを超したところで発症した。だんだん頭痛がしてきて、食欲がなくなり、ベッドに寝て、チョコレートをかじるだけという状態になる。
そういうわけで、高地では酸素が薄いので、車の燃焼効率も悪くなる。そこで、メキシコ・シティーではターボ・エンジン搭載のものを購入した。ジェット機のエンジンを搭載しているような感じで、スピードが出るのである。街中は信号も多く、ターボの恩恵を感じないが、田舎に出ると実感する。直線の下り坂では時速170キロ出たことがあった。もちろん高速道路でのことで、ほんの一瞬のことであったが。
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