スパニッシュ・オデッセイ

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スペイン語との出会い(4)‐サンホセへの道

2011-12-21 16:17:55 | スペイン語
  小学校5年生のころ、岡山市とカリフォルニア州の町サンノゼ(San José)が姉妹都市縁組3周年ぐらいの式典に出席したことを覚えている。もちろん一人で行くはずもなく、学校行事で行ったように思う。小学校4年生でローマ字を習うので、英語でもローマ字読みはできる。その時のサンノゼのつづりには衝撃を受けた。San Jose と書いて、なんでサンノゼと読めるのか、疑問だったが、スペイン語の知識がある人は周りにはだれ一人いなかったと思う。疑問が氷解するまでには10年近くかかった。
 その後、コスタリカの首都サンホセ市にも2年住むことになるのだが、つづりはサンノゼとほぼ同様、San Joséである。
 カリフォルニアのサンノゼも本来の発音は「サンホセ」[san hose]であるが、[h]が脱落、さらに母音間の s は英語では有声音に転化しやすいので、[z]になる。それで、「サンノゼ」になったわけである。José だけなら「ホウゼイ」のように、英語では発音されている。
 つづりを見て推測できるが、José は英語 Joseph のスペイン語形である。
 さて、カリフォルニアのサンノゼとコスタリカのサンホセは同じ名前のよしみで、姉妹都市になっている。これが縁で筆者の知らないうちに岡山市とサンホセ市も姉妹都市になっていた。サンホセ市民は姉妹都市には無頓着のようで、岡山市との姉妹都市になっていることを知っている人はほとんどいなかった。
 一方、サンノゼ市には父のいとこがいたので、コスタリカからの帰国途中に寄ってみた。サンホセ空港からサンノゼ空港まで行くわけである。直行便はないので、ロスで乗り換える。ちょっと心配していたことがあったが、やはり現実になった。荷物が届いていないのである。サンノゼもサンホセも San José とつづる。空港コードはサンノゼは SJC、サンホセは SJOで、O か C か紛らわしい。荷物はロスまでは届いたものの、そこからサンホセへ送り返されてしまった。当然、クレームをつけた。すぐにサンノゼに届くかどうか心配だったが、意外と早く届いた。
 ところで、なぜ「姉妹都市」で「兄弟都市」ではないのか、疑問に思いつつも、そのまま時を過ごしてしまった。フランス語を習った時点で気がついてもよさそうなものだったが、スペイン語にまで持ち越してしまった。「都市」city はスペイン語では ciudad(シュダッ)という女性名詞である。英語では性別がなくなってしまったので、姉妹だろうが、兄弟だろうが関係ない。ラテン語に由来する言語では女性名詞である。だから、「兄弟都市」ではなく、「姉妹都市」なのである。
 ちなみに、「サンホセへの道」というバート・バカラック作曲の名曲があるが、このサンホセは歌詞を聞いてみると、カリフォルニアのサンノゼのことであることがわかる。

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