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新潟県北越銀行のカードローン「ベンリーナ」のキャラクター

2019-06-08 22:38:41 | 名前
 新潟県には北越銀行という地方銀行がある。2021年には同じく新潟県を拠点とする第四(だいし)銀行と経営統合する予定になっている。
 その北越銀行のカードローンに「ベンリーナ」というのがある。「便利な」を外国語っぽくしたもので、スペイン語やイタリア語の響きがある。
 
 この「ベンリーナ」のマスコット・キャラクターの3人は、いかにもメキシコ人風である。テレビのCMでも流れているので、新潟県では結構なじみがある。
 3人の名前は「サントス」と「ゴメス」と「ムーチョス」である。
 「サントス」と「ゴメス」は、それぞれスペイン語では“Santos”、“Gómez”と表記される。これらの名前についてはすでに触れているので、ここでは触れない(“Santos”姓については「ロッテのサントス選手」、“Gómez”姓については「元阪神タイガースのゴメス選手」参照)。
 問題は「ムーチョス」である。筆者はこれまでこんな姓は聞いたことがない。スペイン語には mucho という語がある。英語では much に相当するが、muchos と複数形にすると many になる。mucho と much は意味も形も似ているが、語源が同じとは限らない。小学館『西和中辞典』の mucho の関連語には multiply, multitude は掲載されているが、much は載っていない。日本語の「マルチ(商法)」は mucho の関連語として扱われている。
 さて、“Muchos” という姓はないだろうと思っていたのだが、何とあるのである。“Forebears”というサイトによると、世界中に28人いることになっている。最多はカナダの9人で、スペイン語圏ではメキシコ、アルゼンチン、コロンビアに2人ずついる。
 Muchos 姓がスペイン語の mucho に関係があるのかどうかは不明である。
 北越銀行が Muchos 姓が実在することを知っていたかどうかはわからないが、「ムーチョ」は激辛スナック菓子「カラムーチョ」、名曲「ベサメ・ムーチョ」(Bésame Mucho)などでお馴染みの言葉なので、キャラクターの名前として使ってみたのだろう。
 ちなみに、ベンリーナのキャラクターのような格好をしているメキシコ人はイベント以外で見かけることはない。

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