【絵葉書より:カルタゴ市中心部にある大聖堂。1980年以前。この大聖堂に限らず、コスタリカの教会は、ときどき外壁の色が塗り替えられる。】
2.カルタゴ
かつてのコスタリカの首都はカルタゴ(Cartago)であった。カルタゴというと、ポエニ戦役で勇名をはせた名将ハンニバルの国である。なんで、コスタリカにカルタゴがあるのか。また、コロンビアにはカルタヘナ(Cartagena)というカルタゴに由来する名前の都市もある。
最近、「ローマ人の物語」を読んで、謎が解けた。カルタゴはスペイン(現在のアンダルシア地方が主)にも植民地を持っていたのである。ならば、カルタゴからの植民者が故郷カルタゴに由来する地名を付けても不思議ではない。たぶん、スペインには多くのカルタゴがあることだろう。そして、その後、スペインのカルタゴから多くの移民が中南米に入っていったのである。そして、移民たちが故郷をしのんで、自分たちの入植地をやはりカルタゴと名付けたのであろう。
ところで、コスタリカは白人系が大多数を占めるが、なかでも、カルタゴは白人一色と言ってもいい。かつて、コスタリカは人種差別をしていて、カリブ海側の黒人(元奴隷)は気候のよい中央盆地に行くことは許されていなかった。現在では首都サンホセには黒人系もいるが、カルタゴではめったにお目にかかれない。標高もサンホセより約500メートル高く、冬は朝夕15℃以下になり、結構寒い。静かな保守的な古い町で、コスタリカの京都といったところである。またカルタゴの大聖堂はコスタリカのカトリックの聖地というか、大本山である。昔、教会の裏に聖母マリアが現れたとのことである。祭りの日にはサンホセから徒歩で一晩中歩いて、巡礼する人々もいる。
【絵葉書より: LA BASILICA DE NUESTRA SEÑORA DE LOS ANGELES (ロス・アンヘレス大聖堂)の祭壇。1980年以前】
ハンニバル コスタリカにも カルタゴが
スキピオも カルタゴ目指して コスタリカ
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