まずブエナビスタに心からお疲れ様と云いたい。 そして君のラストランに軽い印しか打たなかった冷酷なPOが私です。
オルフェーヴルはスタートダッシュが今ひとつで、予想より後からのレースになった。 前半はチョイ掛かっていたけど、元より超スローなので、それは仕方のない範囲だろう。 外へ出してからは池添もどこでゴーするかだけを考えていた感じ。 3角からマクリ加減に上がっていったので、さすがにこのメンバーでスローな流れとなれば、クラシックロードで見せたような圧勝劇とはいかなかったが、当たり前に勝ってしまうあたりは、完全に能力の差。 国内ならどんな形でも勝てるという雰囲気を見せたと思う。 来年の凱旋門(ドバイ)では、もっと構築したレースをしてほしいね。 陣営も世界チャレンジに積極的だし、我々としても大きな夢が広がった。
エイシンフラッシュは個人的に今まであまり印を付けなかったんだけど、今回はしっかりマークさせてもらった。 前日のルメールの騎乗を見ていて、やっぱりひと味違うな、と改めて思ったし、ソロソロ走り頃というのもあった。 オルフェとの普通馬連で31倍というのは、私としては大変美味しかったよ。 トゥザグローリー…、JCで恥をかかせてくれた馬。 ま、潜在的ないわゆるポテンシャルは高いということ。 但し、レースの内容に落差が大きいのも事実。 同様にルーラーシップも魅せた。 直線半ばの勢いでは、もしやの雰囲気だったが、最後方からあそこまでに脚を使っていたのと、休み明けの分で最後は同じ脚になった感じ。 この2頭はいつG1勝ってもおかしくないね。
そしてブエナビスタ。 今日に関して云えば、私が危惧した通りのレースに終わった感じ。 それでも4~5着とは思っていたけど…。 あのチキンな岩田が、歴史を背負うようなプレッシャーの中で、2度続けて手を挙げるとは到底想像できなかった。 案の定スタートから過剰反応して前の位置を取りにいった。 あの様子を見ていて、これは勝てないというのが確信に変わったよ。 でも着外とまではね。 普通に走ってくれば、当然オルフェ以外には先着していい。 現実にエイシンとトゥザの2頭とは、ここ3戦同じレースを走っていて、ブエナは2頭に負けていない。 でも、そこがグランブリであり、ラストランという形にならない大きな敵がいたということだ。 まして鞍上が岩田だからね。 鞍上といえば、多くの人が云っているように、私もアンカツが乗ったレースが一番好きだった。 審議・降着とかあったけどね。 スミヨンもでっかい降着だったね。 アン勝つ(勝たない)、あなたの(罪よん)
ブエナビスタは華奢な姿がよく云われた。 それは父スペシャルウィークも一緒で、特に若駒の頃は、牝馬より腹が巻き上がっている、とその線の細さを指摘されたもの。 私はスペシャルのPOでもあったが、ドラフト時には名前未決定の馬で、当時より 「あの母キャンペーンガールが走ったら、ちょっと自慢させてもらうよ」 と云ってたものだ。 つまり私も線の細さというか、究極のタイプというのは承知して選んだ。 こういう馬がハマッたら、相当凄い末脚を使う筈、と見ていたのだ。 それは体型も含め、見事にブエナに伝わった。
これほど長く牡馬のトップと戦い続けて、安定感というか内容で一番と思わせてくれた馬。 普段の姿と実戦でのパフォーマンスがこんなに違う馬も珍しい。 どんな相手でも、どこへ行っても、常に自分の立場や使命を理解しているような馬だった。
もはやブエナビスタは伝説となった。 キングカメハメハとの初仔に夢は引き継がれる。 またPOになってもいいかな。 =私の参加しているPOGでは、その人が所有していた牝馬の仔は、優先権を行使できる= 今はそんなキチキチのことはどうでもいいね。 とにかくゆっくりとこの3年余りの激闘を癒してください。
どれだけ素晴らしい景色を見続けてきたことだろう。 それは正に最高で、これ以上望めない 「絶景」 に他ならない。