DOKKENBARへようこそ

DOKKENBARへようこそ

迷える古羊、どこへ行く/首相案件

2018-04-15 19:19:03 | 日記

●4月10日(火)
*大谷選手、週間MVPだとか。ファンっていうのは勝手なもんで、週間をとったのなら、それじゃ月間、年間も、などとつい期待してしまう。

*ブログ、5日分更新。
*財布の中は小銭がパラパラあるだけだが、特に買い物もないし、銀行へ行くのは止めた。

*来月、3つのキャリア(ドコモ、KDDI、SB)が何と共同で、新しいショートメッセージ・サービスを始めるとか。
今まで通り電話番号だけで送受信できる新SMSは無料で、字数制限も一気に2730文字までに拡大。写真も絵文字も動画もあり、だそう。

*朝鮮の外相が訪ロ。この間キムが電撃的に訪中した目的もそうだが、米朝首脳会談を控え、朝鮮はロシアとも連携を深めて、脇を固めるというか、強い味方がついているんだぞとアピールしたいんだろう。
これもキムの強(したた)かな戦略の一貫だ。

加計学園に関して、今まで「ない」とされていた文書が、「あった」と報じられた。

☆去年の7月、ある市民団体が愛媛県に対して、県・今治市・学園関係者が官邸を訪問した際に作成した報告文書など加計学園関係の情報公開を求めたが、県は文書は破棄したので存在しないとしていた。
この訪問時に作成された文書を、朝日が政府関係者から手に入れたらしい。

この文書は、3年前の2015年4月2日、愛媛県・今治市・加計学園関係者が首相官邸・内閣府を訪問して会談した内容を県がまとめた文書で、そこには面会した幹部等の名前や具体的なやりとりが記載されているという。

今回出てきた文書は、加計学園獣医学部の今治誘致活動が進められる中で、国家戦略特区の説明資料として、愛知県によって内閣府・文科省・農水省に配られたものと思われるとのこと。

2015年4月13日付、「獣医学部養成系大学の設置に係る内閣府藤原次長・柳瀬首相秘書官との面談結果について」と題された愛媛県作成の文書には、

藤原地方創生推進室次長の主な発言(内閣府)》
・要請の内容は総理官邸から聞いており、県・今治市がこれまで構造改革特区申請をされてきたことも承知。
政府としてきちんと対応していかなければならないと考えており、県・市・学園と国が知恵を出し合って進めていきたい。
・そのため、これまでの事務的な構造改革特区とは異なり、国家戦略特区の手法を使って突破口を開きたい。
・国家戦略特区は、~(省略)。
・今年度から構造改革特区と国家戦略特区を一体的に取り扱うこととし、年2回の募集を予定しており遅くとも5月の連休明けには1回目の募集開始。
・ついては、ポイントを絞ってインパクトのある形で、2、3枚程度の提案書案を作成いただき、早い段階で相談されたい
・提案内容は獣医大学だけで行くか、関連分野も含めるかは、県・市の判断によるが、幅広い方が熱意を感じる。
・獣医師会等と真っ向勝負にならないよう、既存の獣医学部と異なる特徴、例えば、公務員獣医師や産業獣医師の養成などのカリキュラムの工夫や、養殖魚病対応に加え、ペット獣医師を増やさないような卒後の見通しなどもしっかり書き込んでほしい。
・かなりチャンスがあると思っていただいてよい。
・新潟市の国家戦略特区の獣医学部の現状は、トーンが少し下がってきており、具体性に欠けていると感じている。

柳瀬首相秘書官の主な発言(総理官邸)》
・本件は首相案件となっており、内閣府藤原次長の公式ヒアリングを受けるという形で進めていただきたい。
・国家戦略特区で行くか構造改革特区で行くかはテクニカルな問題であり、要望が実現するのであればどちらでも良いと思う。現在、国家戦略特区の方が勢いがある。
・いずれにしても、自治体がやらされたモードではなく、死ぬほど実現したいという意識を持つことが最低条件。
・四国の獣医学部の空白地帯が解消されることは、鳥インフル対策や公衆衛生獣医師確保の観点から農水省・厚労省も歓迎する方向。
・文科省についても、良い大学を作るのであれば反対しないはず。
・獣医師会には直接対決を避けるよう、既存の獣医大学との差別化を図った特徴を出すことや、卒後の見通しなどを明らかにするとともに、自治体等が熱意をみせて、仕方がないと思わせるようにするのが良い。
・加計学園から、先日安倍総理と同学園理事長が会食した際に、下村文科大臣が加計学園は課題への回答もなくけしからんとの発言があったとのことであり、(柳瀬氏に)その対応策について意見を求めたところ、今後、策定する国家戦略特区の提案書と併せて課題への取り組み状況を整理して文科省に説明するのがよいとの助言があった。

ついては、県としては(中略)国家戦略特区の申請に向けた準備を進めることとしたい。
(ここまでが愛媛県作成の文書)

要するに、加計学園の獣医学部新設問題はアベも関わっており、首相官邸や内閣府も率先して学部新設を指南・後押ししていたということである。
まあ、正に手取り足取りといった感じである。

わざわざほぼ全文を書かなくても、「総理官邸から聞いており」「首相案件」「(上から)やらされモードでなく」「安倍総理と同学園理事長が」だけでも十分なのであるが、こうやって全部書いてみると、藤原・柳瀬両者の発言には共通する部分が多く、あたかも、「総理のご意向」に沿って誰かが“計画書”を作成し、その計画書に従って藤原・柳瀬の二人が県・市・学園を上から懇切・丁寧に指導していたような、そんな姿が浮かんでくる。

また、その後の経緯が、この文書の内容に沿った形で動いているというのも面白い。

☆ここでちょっと時系列的におさらい。

・2007年 愛媛県・今治市は構造改革特区の制度の下で、獣医学部新設(設置予定母体は加計学園)を国に提案。以後、計15回にわたり提案を続けたが、すべて却下される。

・2012年12月 第2次アベ内閣が発足する。

・2013年12月 国家戦略特区法が成立。国家戦略特区諮問会議の議長はアベ

・2015年4月2日 県・市・加計学園が、藤原内閣府次長・柳瀬首相秘書官と面会。

・2015年6月4日 愛媛県・今治市は国家戦略特区の制度の下で、獣医学部新設を提案。

・2016年1月 今治市が国家戦略特区制度の特区指定を受ける。(提案が受け入れられる)

・2017年1月4日 内閣府・文科省が、今治市での獣医学部設置希望事業者を(形式的で名ばかりの)一般公募。
(応募してきたのは加計学園のみ)

・2017年1月20日 文科省は特区事業者に加計学園を(アッという間に予定通りに)認定。(ここから工事を始めたとしたら翌年の開学に間に合うのか)

・2017年3月 加計学園、獣医学部の設置を文科省に申請。

・2017年7月 加計疑惑などを集中的に審議する国会特別委員会の閉会中審査。

・2017年11月9日 文科省の大学設置審議会が、加計学園の獣医学部開設を認める答申を文科大臣に提出。(キャンパス建設工事は既にかなり進んでいるし、学生募集のタイムリミットだ)

・2018年4月 加計学園 岡山理科大学 今治キャンパス(獣医学部)が開校。

☆さて、愛媛県の知事は今日会見をして、
「(見つかったと報道された文書について調査・確認した結果)担当職員が出席した会議の口頭説明のための備忘録として書いた文書であるということが判明をいたしましたので、ご報告いたします」
「県の職員は、なにも文書をいじる必然性は全くないわけで、しっかりと、出席したものの報告のために記述したしたというのは間違いないと思います」
「文部科学省もそうでしょうし、獣医学部ですから農林水産省もそうですし、国家戦略特区ということでありますから内閣府・地方創生、僕も担当者も色々なところに説明に行くわけですよね。そのときに、(4月の面会では)こんな状況になっていますということで、このメモを活用して(各省庁に)置いてきた可能性は否定できないと思っています」
「相手先(柳瀬秘書官)のことについてはコメントできないです。ただ一つ私から言えることは、愛知県庁の職員は本当に真面目です。しっかりと仕事をしてくれています。正直にいろんな報告もしてくれていますから、私はそれを信じています

そして、「文書は報告のためのメモであり保管義務はなかった。現時点では見つかっていないが、引き続き調査する」とも述べ、「(加計学園は)首相案件」と記載された文書は、愛媛県の職員が作成したものであることを認めた。

備忘録(メモ)と正式な文書とは区別されるのかもしれないけど、用件を忘れないために書いておくのが備忘録であって、ありもしない作文を書くのは備忘録とは言わない。正式な文書ではないからといって、備忘録がウソの文書ということにはならない。知事もそこはきちんと理解している。
(むしろ最近では正式な文書がコソコソと改竄(ざん)されるのが当たり前となっているご時世である・・・)

知事は文書を書いた職員を信じているとして文書の内容もウソではないと信じていると発言。
また、県は、今治市や学園とともに長年にわたって獣医学部の設置に向けて取り組んできた立場であり、文書が公になって問題になれば県としてはむしろ逆風ともなりかねない事態だが、知事は調査の結果を素早く公表した。

知事は部下思いであり正直な人だと思う。

一方、文書の中で「首相案件」と述べたと名前を挙げられた柳瀬総理秘書官(当時)は、
「国会(去年7月の閉会中審査)で答弁しています通り、自分の記憶の限りでは、県・市の方にお会いしたことはありません
「外部の方に対して「首相の案件」などと具体的な話をすることはあり得ません
と、報道内容を全面否定。

こうなると、考えられるのは愛媛県の職員がありもしないことをでっち上げたのか、柳瀬秘書官(当時)がウソをついているのか、どちらかがウソをついているとしか考えられない。

県の職員が、会ってもいない人物の名前を勝手に文書に記載することがあり得るであろうか。県の職員が、聞いてもいない「首相案件」という言葉を、いくら県のためとは言え、関係省庁に渡す文書の中で勝手に使用するなんてことがあり得るであろうか。

自分は、ウソをついているのは100%秘書官でありアベだと確信している。

アベ、去年の7月、国会の閉会中審査で、
「(加計理事長からは)「獣医学部を作りたい」さらには「今治市に」といった話は一切ございませんでした」
「(学部新設の計画は2017年の)1月20日の国家戦略特区諮問会議で私が知るに至った」
「理事長と会っても獣医学部新設の話は一切なかった。親しい友人同士であったからこそそういう話は一切なかった。計画すら知らなかった。加計学園が獣医学部の新設を計画していたのを初めて知ったのは、2017年1月20日だった」
と説明した。

時系列の表から見ても、今回の愛媛文書からしてもアベの答弁は信じがたい説明である。

アベと加計学園理事長は40年来の「腹心の友」という間柄。長年加計学園が試みてきた獣医学部新設が上手く行かなかった中で、第2次アベ内閣が成立し、新たに作られた国家戦略特区制度での諮問会議議長は他ならぬアベであり、だからこそ「総理のご意向」に沿って官邸主導で加計学園(だけの)獣医学部新設がとんとん拍子に(ではなかったかもしれないが)進んでいった。

去年7月の閉会中審査で前の愛媛県知事が「12年間、加計ありきでやってきた」と語ったとおり今治市と加計学園は一身一体の関係であるのは誰もが知っていること。また、第2次アベ内閣発足後だけでもアベ・カケは15回は面会しているという。国家戦略特区の制度では手続き上は今治決定が先で加計はその後に決まるという手順ではあったが、アベは諮問会議議長であった以上、「(最後の最後の日である)1月20日に初めて加計の獣医学部新設計画を知った」は、誰がどう考えても無理がある。

どう考えてもアベが大ウソをついているとしか思えない。

閉会中審査の後のNHKの世論調査では「アベの説明に納得できない」が78%、また、朝日の世論調査では「加計疑惑は晴れていない」が83%、となっていた。

今回、愛媛県職員が作成した文書には、アベと加計理事長が会食したときに獣医学部新設に関わる会話があったことがしっかりと記述されている。
文書作成が2015年4月であるので、アベの「初めて知ったのは2017年1月20日」という説明は、どう考えてもつじつまが合わない。

愛媛文書の記載内容が正しいとすれば、アベの政治生命、これで99.99%終わり。もうアベの辞任も視野に入ってくる。
やっとアベの顔を見なくて済む時代が到来するか。

昨日発表されたNHKの世論調査では、
アベ内閣を支持するかとの問いに、
            (前回比)
 支持する   38% (-6)
 支持しない  45% (+7)

また不支持が支持を上回った。

もう一押し。
今度こそ期待しよう。

☆さて、今回問題となった文書は、朝日やNHKなどが政府関係者から手に入れたということだが、ではどこの政府関係者から漏れたのか?
そんなこと自分には分かるはずがありません。

ただ、この文書は、愛媛県などが国家戦略特区の制度を利用して獣医学部を今治市に設置しようと関係省庁に働きかけをする中で、それら省庁に配布されたものであるわけで、具体的にはそれは内閣府・文科省・農水省ということであるけれども、文書の中で県・市・学園が会ったとされる内閣府の藤原次長は地方創生担当ということであり、また、特区問題は地方創生も大きく関わることなので(実際、獣医学部新設の石破4条件というのがあった)、当時地方創生担当大臣だった石破にも当然文書が渡った可能性はある。

自分が推測した根拠のないストーリーは、ポストアベを虎視眈々と狙う石破が、今は森友文書改竄(ざん)だ、自衛隊日報隠蔽(ぺい)だと、アベ政権が非常に不安定な時期であり、今治市に新設された獣医学部は擦(す)った揉(も)んだ色々あったがとに角めでたく入学式を済ませて一応一安心、廃校になることはもう絶対にないだろうというこのタイミングで、新たな加計疑惑をアベにぶつけて追い打ちをかければ、アベがひっくり返る可能性が高いと踏んだのではないか。

全く自作の冗談ではあるが、いずれにせよ、政治の世界の裏側とは得てしてこんなようなもんであり、実に醜い世界である。

我々庶民の預かり知らぬところで、思惑・策略・陰謀が渦巻いているのが政治の世界である。

*今日は一歩も出ず、一言も喋らず。