「ベルグレービアの醜聞」
Directed by Paul McGuigan
Written by Steven Moffat
Previous→The Great Game
Next→The Hounds of Baskerville
ダラダラと2年越しになってしまいました。
続きです。
マイクロフトとアイリーンが向き合い、少し離れたところにシャーロックが座っています。
MH:これに侵入できる人材はいる。
IA:私はその仮説を検証したわ。6か月間、シャーロック・ホームズにやらせてみたのよ。
アイリーンはシャーロックに向かって話します。
IA:シャーロック、あなたが私の携帯をX線で検査した時に何を見つけたか彼に話してあげて。
SH:ケースの内側に4本の配線が追加されていて、おそらく酸が含まれているか小さな爆弾が仕掛けられている。
ケースを開けようとすればハードディスクが燃える仕組みだ。
シャーロックの言葉に頭を抱えるマイクロフト。
IA:爆発するのよ。私らしく。
MH:多少のデータは修復できる。
IA:リスクを冒すの?
MH:これを解除するパスコードがあるはずだ。誠に遺憾だが君からその情報を引き出せる人材がいるのだよ。
IA:シャーロック?
SH:パスコードはふたつある。ロックを解除するコードとドライブを破壊するコードだ。
強制したとしても彼女がどちらのコードを教えたのかあなたにはわからないし、2度のチャンスはない。
IA:彼は優秀ね。鎖につないでそばにおくべきだったわ。
MH:ならば、これを破壊して誰にも情報が渡らないようにするまでだ。
IA:そうね、良い考えだわ。国民の命に関わる情報をあなたが破壊しなければね。
MH:あるのか?
IA:教えるのがフェアよね。でもゲームは終わりよ。
アイリーンはバッグから封筒を出します。
IA:要求リストよ。以前もらっていた私の安全を保障する案もいくつかあるわ。
国の財産に穴をあけるほどの破壊力はないと言えば嘘になるわね。
IA:考える時間が必要かしら。
MH:Thank you,yes.
IA:ご愁傷さま。
その言葉に思わずアイリーンの顔を見るマイクロフトと鼻で笑うシャーロック。
IA:ここから出て行って相談しに行きなさい。
MH:君は本当に・・・・完璧だ。我々に君の半分の賢さがあればな。
IA:私だけの功績ではないの。ちょっとしたサポートもあったのよ。
アイリーンはシャーロックに向かって言います。
IA:ジム・モリアーティがあなたによろしくって。
MH:そう、彼は接触してきたよ。私の注意をひきたいのだろう・・・・もちろん決着はつける。
IA:私一人では持て余していた。犯罪コンサルタントに感謝だわ。
ホームズ兄弟を相手にどう渡り合えばいいのかアドバイスをたくさんもらったの。
彼があなたたちの事をなんて呼んでいるか知ってる?
IA:アイスマン・・・・と、バージン。
何も見返りは求めてこなかった。彼は単にトラブル好きなんでしょうね。私のタイプだわ。
その時、シャーロックは何かが閃いたようにひとり頷きます。
MH:そして君は国を屈服させた女王か。
見事だった。
マイクロフトの言葉にシャーロックが言います。
SH:No.
IA:Sorry?
SH:違う。惜しかったが、でも違うよ。
君はのめり込みすぎた。入り組んだゲームだった。君は夢中になりすぎたんだ。
シャーロックは立ち上がりアイリーンに近づきます。
IA:夢中になんてなってないわ。
SH:獲物を追うスリルを楽しむことは結構だ。
ゲームで気をまぎらせたかったんだね、同情するよ。だが、感情は?
感情は敗者側に見られる化学的欠陥だ。
IA:感情?何を言ってるの?
SH:君だよ。
IA:あら、いやだ。かわいそうな男ね。私があなたに興味を抱いているとでも思ってるの?
どうして?おかしな帽子をかぶる賢い探偵、偉大なシャーロック・ホームズだから?
SH:違う。
シャーロックはアイリーンの耳元で囁きながら手首に触ります。
SH:君の脈拍を計ったから。
221Bの場面が出ます。
SH:脈ははやく、瞳孔は開いていた。
そしてテーブルの上にあるアイリーンの携帯を手にします。
SH:ジョン・ワトソンは僕に愛は理解できないと考えているようだが化学反応は非常にシンプルで破壊的だ。
初めて僕に会った時、変装は常に自画像だと君は言った。君にも当てはまることだ。
金庫の番号は君のスリーサイズ、だがこれは・・・さらに個人的なものだ。
シャーロックは携帯のスリープモードを解除します。
SH:これは君の心の内で・・・
君は理性を支配させるべきではなかった。
そしてパスワードをひとつひとつ入力していきます。
SH:どんな数字でもランダムに選べたのに
そうすれば何もかもうまくいったままこの部屋から出て行けたのに・・・・
SH:だけど君は我慢ができなかったんだね。
愛は危険で不利益をもたらすものだと常々考えていたが・・・・ついに証明できたよ。
アイリーンはシャーロックの手を止めます。
IA:私の言葉はすべて嘘。ただのゲームだったのよ。
SH:そうだね。
これで負けただけだ。
シャーロックが入力したパスワード4文字は「SHER」でした。
I AM
SHER
LOCKED
シャーロックはマイクロフトに携帯を渡します。
SH:はいどうぞ、兄さん。
これで今夜あなたに迷惑をかけた埋め合わせができればいいのだけど。
MH:もちろんだ。
SH:もし寛容に扱いたいと思うのなら彼女を拘留するんだ。
もしくは開放しろ。彼女がプロテクションなしで生き残れるかは疑問だけど。
IA:私があなたに慈悲を請うとでも?
SH:Yes.
シャーロックは立ち止まりアイリーンの言葉を待ちます。
IA:Please.
あなたの言う通りよ。6か月ともたないわ。
SH:ディナーに行けなくて悪いな。
シャーロックはそれだけを言って部屋から出ていきます。
続きます。
このエピソード最大の見せ場ですよね。
今思えば、根拠がアイリーンの脈拍だなんてちょっとアレですよね。
だって高揚する理由は好意だけではないでしょう。
彼女にとってはモリアーティとの取引もうまくいって、
これから政府との交渉が控えているのだからドキドキしたっておかしくないし。
これ、間違ってたらどうするんだと思いますが、
それを差し引いてもトリハダものの素晴らしい場面です。
効果音と音楽が更に盛り上げてくれます。
シャーロックはアイリーンの携帯の仕組みを素直に話しているのが可愛いというか・・・
ここのマイクロフトもとても大人で好きです。
アイリーンも服が似合っているし、演技も熱くて何度見ても引き込まれてしまいます。
Directed by Paul McGuigan
Written by Steven Moffat
Previous→The Great Game
Next→The Hounds of Baskerville
ダラダラと2年越しになってしまいました。
続きです。
マイクロフトとアイリーンが向き合い、少し離れたところにシャーロックが座っています。
MH:これに侵入できる人材はいる。
IA:私はその仮説を検証したわ。6か月間、シャーロック・ホームズにやらせてみたのよ。
アイリーンはシャーロックに向かって話します。
IA:シャーロック、あなたが私の携帯をX線で検査した時に何を見つけたか彼に話してあげて。
SH:ケースの内側に4本の配線が追加されていて、おそらく酸が含まれているか小さな爆弾が仕掛けられている。
ケースを開けようとすればハードディスクが燃える仕組みだ。
シャーロックの言葉に頭を抱えるマイクロフト。
IA:爆発するのよ。私らしく。
MH:多少のデータは修復できる。
IA:リスクを冒すの?
MH:これを解除するパスコードがあるはずだ。誠に遺憾だが君からその情報を引き出せる人材がいるのだよ。
IA:シャーロック?
SH:パスコードはふたつある。ロックを解除するコードとドライブを破壊するコードだ。
強制したとしても彼女がどちらのコードを教えたのかあなたにはわからないし、2度のチャンスはない。
IA:彼は優秀ね。鎖につないでそばにおくべきだったわ。
MH:ならば、これを破壊して誰にも情報が渡らないようにするまでだ。
IA:そうね、良い考えだわ。国民の命に関わる情報をあなたが破壊しなければね。
MH:あるのか?
IA:教えるのがフェアよね。でもゲームは終わりよ。
アイリーンはバッグから封筒を出します。
IA:要求リストよ。以前もらっていた私の安全を保障する案もいくつかあるわ。
国の財産に穴をあけるほどの破壊力はないと言えば嘘になるわね。
IA:考える時間が必要かしら。
MH:Thank you,yes.
IA:ご愁傷さま。
その言葉に思わずアイリーンの顔を見るマイクロフトと鼻で笑うシャーロック。
IA:ここから出て行って相談しに行きなさい。
MH:君は本当に・・・・完璧だ。我々に君の半分の賢さがあればな。
IA:私だけの功績ではないの。ちょっとしたサポートもあったのよ。
アイリーンはシャーロックに向かって言います。
IA:ジム・モリアーティがあなたによろしくって。
MH:そう、彼は接触してきたよ。私の注意をひきたいのだろう・・・・もちろん決着はつける。
IA:私一人では持て余していた。犯罪コンサルタントに感謝だわ。
ホームズ兄弟を相手にどう渡り合えばいいのかアドバイスをたくさんもらったの。
彼があなたたちの事をなんて呼んでいるか知ってる?
IA:アイスマン・・・・と、バージン。
何も見返りは求めてこなかった。彼は単にトラブル好きなんでしょうね。私のタイプだわ。
その時、シャーロックは何かが閃いたようにひとり頷きます。
MH:そして君は国を屈服させた女王か。
見事だった。
マイクロフトの言葉にシャーロックが言います。
SH:No.
IA:Sorry?
SH:違う。惜しかったが、でも違うよ。
君はのめり込みすぎた。入り組んだゲームだった。君は夢中になりすぎたんだ。
シャーロックは立ち上がりアイリーンに近づきます。
IA:夢中になんてなってないわ。
SH:獲物を追うスリルを楽しむことは結構だ。
ゲームで気をまぎらせたかったんだね、同情するよ。だが、感情は?
感情は敗者側に見られる化学的欠陥だ。
IA:感情?何を言ってるの?
SH:君だよ。
IA:あら、いやだ。かわいそうな男ね。私があなたに興味を抱いているとでも思ってるの?
どうして?おかしな帽子をかぶる賢い探偵、偉大なシャーロック・ホームズだから?
SH:違う。
シャーロックはアイリーンの耳元で囁きながら手首に触ります。
SH:君の脈拍を計ったから。
221Bの場面が出ます。
SH:脈ははやく、瞳孔は開いていた。
そしてテーブルの上にあるアイリーンの携帯を手にします。
SH:ジョン・ワトソンは僕に愛は理解できないと考えているようだが化学反応は非常にシンプルで破壊的だ。
初めて僕に会った時、変装は常に自画像だと君は言った。君にも当てはまることだ。
金庫の番号は君のスリーサイズ、だがこれは・・・さらに個人的なものだ。
シャーロックは携帯のスリープモードを解除します。
SH:これは君の心の内で・・・
君は理性を支配させるべきではなかった。
そしてパスワードをひとつひとつ入力していきます。
SH:どんな数字でもランダムに選べたのに
そうすれば何もかもうまくいったままこの部屋から出て行けたのに・・・・
SH:だけど君は我慢ができなかったんだね。
愛は危険で不利益をもたらすものだと常々考えていたが・・・・ついに証明できたよ。
アイリーンはシャーロックの手を止めます。
IA:私の言葉はすべて嘘。ただのゲームだったのよ。
SH:そうだね。
これで負けただけだ。
シャーロックが入力したパスワード4文字は「SHER」でした。
I AM
SHER
LOCKED
シャーロックはマイクロフトに携帯を渡します。
SH:はいどうぞ、兄さん。
これで今夜あなたに迷惑をかけた埋め合わせができればいいのだけど。
MH:もちろんだ。
SH:もし寛容に扱いたいと思うのなら彼女を拘留するんだ。
もしくは開放しろ。彼女がプロテクションなしで生き残れるかは疑問だけど。
IA:私があなたに慈悲を請うとでも?
SH:Yes.
シャーロックは立ち止まりアイリーンの言葉を待ちます。
IA:Please.
あなたの言う通りよ。6か月ともたないわ。
SH:ディナーに行けなくて悪いな。
シャーロックはそれだけを言って部屋から出ていきます。
続きます。
このエピソード最大の見せ場ですよね。
今思えば、根拠がアイリーンの脈拍だなんてちょっとアレですよね。
だって高揚する理由は好意だけではないでしょう。
彼女にとってはモリアーティとの取引もうまくいって、
これから政府との交渉が控えているのだからドキドキしたっておかしくないし。
これ、間違ってたらどうするんだと思いますが、
それを差し引いてもトリハダものの素晴らしい場面です。
効果音と音楽が更に盛り上げてくれます。
シャーロックはアイリーンの携帯の仕組みを素直に話しているのが可愛いというか・・・
ここのマイクロフトもとても大人で好きです。
アイリーンも服が似合っているし、演技も熱くて何度見ても引き込まれてしまいます。
こんばんは!
Mistyさんもやはりそう考えてましたか。
私もずっと何かが引っかかっていましたが、何かいろいろと合点がいきました。
この時点では曖昧にしてくれていたけれど(ベネさん除く笑)S4ですべてをひっくり返してくれましたし(涙)
あれだって結局、男の発想ですよね。すぐに恋愛に結び付けるとか。
「面白い冒険の記念品」それいいですねー!すごくシャーロックですよ。
ベネさん爆弾発言の時にも語り合いましたが(笑)恋愛になってしまうとラストが軽くなっちゃうんですよね。
やはりどんなドラマや映画でもS1を超えるのは難しいのかもですね。
ワンダーウーマン、ご覧になったんですね。
でしょーでしょー!ガル・ガドットはまり役ですよね。
「最強の戦士だけど乙女」そういわれてみると違和感は感じなかったですね。
女性の持つ可愛さとカッコよさのバランスも良かったように思います。
純粋培養の箱入り娘な場面はちょっとローマの休日を意識しているのかも。悲恋でしたしね(涙)
「爽快感」まさにこれですね。
アイリーンもスマートだし強いし「爽快感」があるだけに勿体なかったです。
「乙女は騎士に救われる」英国おじさまの永遠のロマンなんでしょうね。
なるほど~もう、これ以上ないほどピッタリな表現な気がします。私も、S4後の今考えると結局根底にあるのは男性的な発想かなぁ…と思っていましたが、うまく言い表せなくて。“SMの女王様だけど実は乙女”のアイリーンがシャーロックと幸せになるお話だったんでしょうか、「シャーロック」って。(涙)違いますよね?!少なくともこの時点では曖昧にしてくれてたから(ベネさん除く(苦笑))、カラチナイトもまぁ別にいいかな・・・と思っていましたが、本音を言えば「アメリカで元気にしている。もう二度と会うことはない。それをシャーロックも全然気にしてない。面白い冒険の記念に携帯はもらっておくか。」だったらよかったなぁ・・・と、未練がましく思っています。
ところで、やっと「ワンダーウーマン」を見たのですが、良かったです~!ガル・ガドット、これ以上ないほどのハマり役だし、アクションは文句なしにかっこいいし、物語としてもよくてきていましたね。成長物語としても、説得力がある気がしました。あれも、ある意味”最強の戦士だけど乙女”な部分があるけど(監督は女性だし全然発想の元は違うと思いますが)、ダイアナは純粋培養の箱入り娘な部分があるから違和感はあまりなかったです。それに、戦いに関しては常に男より前に出て突っ走って自分が解決しようとしてて、爽快感がありました。アイリーンも、本当は自分でカラチの危機を脱出できる人だと思いますが、そこでやっぱりおじさまの”乙女は騎士に救われる”ロマンが先行しちゃったのかもですね。はぁ…
こちらこそ本年もよろしくお願いいたします。
先生のコメントを読んでふと思ったのですが
アイリーンのそれって世の男性、というかおじさまの発想ですよね。
言われてみるとカラチの夜の救出劇もおじさまの発想のような気がしてきました。
ムチを持つ女王様だけど実は乙女なんだよー、というおじさまの願望なのでしょうか。
ギャップ萌えってやつですね。
これがハリウッドだったらきっとカラチの夜も自力で脱出とかしてたでしょうね。
いえいえ、わかります。
好きだからこその深読みクレームですもん。
何しろ12話しかない上に4分の1は使い物にならないシロモノ(失礼)ですし
残り9話分を金箔のように叩いてうすーく伸ばしていきたいですね。
つまり、私の中でアイリーンはレズビアン、かつサド気質で、シャーロックは征服欲をそそる生きのいい獲物だった、と思ってました。
シャーロックに対してドキドキするとしても、それは「この男、ひざまずかせてやりたいわっ」というような興奮だと。それが彼女の恋で、そういう意味でシャーロックに執着しすぎたところはある。
でも、彼の名前をこっそり大事なスマホのパスワードにするというのは、女子高生が彼の名前を人に見られないノートの隅にそっと書き付けてしまうような、いじらしい乙女心すぎて、あんまりアイリーンのキャラには似合ってない気がするんですよ。
カラチ・ナイトは、私は久しく幻想説だったくらいのもので、困ったことに一番好きなエピソードでもついあれやこれやクレームを言い立てたくなってしまう悪癖は止まりません。
好きじゃなければ、深読みしたりクレームしたりもないので、議論したくなる部分も含めて好きなんだよ、ということでお許し願いたい(誰によ)。
というわけで、本年もよろしくお願いしま~す。
こちらにも早速ありがとうございます!
本当にかっこいいですよね。
そうなんですよー、お兄ちゃんは負けても紳士だからカッコよくみえるんですよね。
次のラストにも書いたのですがやっぱりカラチの顛末は余計だったような気がするんです。
アメリカで生き延びてます、で終わっても何の支障もないし。
まあ、グレーゾーンにしたいからこんな事を考えるのかもしれませんけど(笑)
シャーロックがテロリスト相手に大立ち回りはあまり現実味がないから、
グレーゾーンだった部分もあるとは思いますけど。