放っておいても何か描いたり作ったりの道に行くだろうと高をくくっていたので関連の大学の学部に上がるには学力テストだけだと思い込み、デッサンの試験があるのを知ったのは進路面談の時であった。おかげでデッサンなど出来なくても入れる工芸の学校に入った。スタート前からトンチキ野郎であった私だが、以後勘を働かせやって来た。 勉強はすれば良い、知れば良いという物ではないだろう。むしろ入った物は出て行かない。これを私は恐れた。自分の身は守らなければならない。人形は人形から学んではならず、写真は写真から学んではならない。技術は必要になってから身につけること。 この話になると黒人のギター弾きの事になる。個性的で常識外れな奏法。 昔の雑誌『ザ・ブルース』にギタリストの吾妻光良さんの〝黒人音楽に特有な楽器奏法の特異性〟という記事を見つけた。映像で観たブルースマンの奏法の衝撃が書かれ、〝ウイリー・デイクソンの奏法がスラップベースということは、ようやく判ったが、弾き方は皆目分からない〟と書いている。今ならユーチューブですぐ判るし中学生でもやっている。記事は小学二年の時のエピソードで終わっている。兄のギターを弾いていると「お前そりゃ持ち方が逆だよ。ネックは左手で持つんだ。」「くそー!あの時兄貴のアドバイスさえなければジミヘン、いや、ラッシュ、いや、レフトハンド・フランクぐらいにはなっていたかも知れないのにー!」 こんな事だってある。
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『タウン深川』明日出来ること今日はせず 連載第14回〝青春の日の一撃〟
『石塚公昭 幻想写真展 生き続ける作家た18年7/25~9/2 リコーイメージングスクエア銀座ギャラリーA.W.Pyoutubeこ2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtube