明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



行き当たりばったりも良いが、余命を想定した今〝何を作らないか”も大事になってくる。『昇龍図』を思い付いた時、小学生の頃八岐の大蛇やキングギドラを作ったことが思い出され抵抗があった。作るなら今年、と思ったが、私の本分は人物制作だし、何より肝心な、私ならでは、という部分が弱く断念した。昨年『タウン誌深川』の連載で書いた。 〝あの頃の私にお前がこの間読んで感心していた一休和尚やガマガエルを頭に乗せた蝦蟇仙人、虎に乗った豊干禅師、鯉に乗った琴高仙人、布袋様も作ったぞ。」と教えたら「えっこのままオジサンになるまで好きなことをやってていいの?」と目を輝かすだろうか。いやそれでは教育上よろしくない。人生はチョロい物だと勘違いしかねない。その後の私の紆余曲折、艱難辛苦のイバラの道を記録した映像でもあれば見せたいが何か作ってるか寝てるか酒飲んでるかで、肝心なことは何もやらない人生じゃないか!」と号泣させてしまうかもしれない。「いや待て、涙を拭け!これはダイジェストだ、肝心なことは編集でカットされてる。」”



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