頭部以外手付かずであった鉄拐仙人ようやく骨組みを。作ろうと何度も思っては他のことをしてしまっていた。それにもしかしたら仙人まで手が回らない恐れもあり躊躇もしていた。首が出来た段階でおおよそ、こちらからこう撮る、と決まっている。口から己の分身を吹師に会いに行くため身体から抜け出して行くのだが、6日経って戻らなかったら、身体を焼くことを弟子に命じ飛んで行った。ところが弟子の母親が危篤になり前日に焼いて帰ってしまう。戻った鉄拐は、傍の脚の悪い乞食の死体に乗り移り蘇る。脚が悪く鉄の杖をついているので鉄拐という。普通はただ持っているだけだが、杖に脚を絡め、義足かのようにするつもりであったが、どちらの脚が悪いか判らず止めた。本当のことはどうでも良い、といいながら、仙人でさえ適当にできない。そこで歌舞伎調の決めたポーズを考えた。一人くらい居てそもそもも良いだろう。これで全11人となった。当初伝統に従い、埃を立てないよう大人しく末席に、なんて殊勝なことを言っていたが、我流、無手勝流の私にそんな席も資格もない。もっとも、資格、免許が必要なことは一切関わらないと決めている私は、相変わらず私らしいとしか言いようのない物になりそうである。