セックスから愛が生まれる事もある
レンゲさんには、間違いなく野心家の一面もある。だからこそブティック・フェニックスでも3ヶ月余りで、他の店長をゴボウ抜きに抜いてあなたは売り上げでトップの座を獲得した。クラブ・オアシスでもあなたは30人余り居るホステスの中でナンバーワンに躍り出た。これがその当時のレンゲさんの写真ですよね。若くてピチピチしていた。しかも素人っぽくって素朴な美しさがある。それでいて洗練されたところもある。そういうところがお客さんの関心を誘った。それに加えて、話題が豊富でお客を飽きさせない。あなたは頭のいい女の子なんですよ。自分をどう演出してよいかも、ちゃんと心得ている。だから、ナンバーワンになることも時間の問題だった。
。。。
あなたにとって大学生活は慢性的な空虚感と退屈さが伴っていたんですよね。少なくともホステスの生活の方が楽しかったんですよ。楽しいという言葉が適切でないなら、レンゲさんの求めているものは、大学生活よりもホステス生活の方にたくさん見出すことが出来たんですよ。
あたしの求めているもの?。。。それは何ですか?
“幼児的なふれあい”ですよ。
レンゲさんがホステス時代に“お客リスト”を作っていた。レンゲさんはクラブ・オアシスで働いていた30人の女性のうちでナンバーワンになったんですからね。レンゲさんがマジメに一生懸命ホステス業に励んでいたことが僕は理解できましたよ。どんな職業でもそうですが、トップになるためには、それなりの努力が必要ですよ。実際、“ちゃらちゃらして”いたら、ナンバーワンにはなれなかったと思いますよ。
『とこしえの愛って。。。(2006年2月12日) 』より
どうして、デンマンさんはあたしのホステス時代の事を持ち出すのですか?
定さんと同じように、レンゲさんも男に無知ではなかったということを言うためですよ。それに、その当時のレンゲさんは“セックスから愛が生まれることもある”と信じていた。
実際、そういうことがありました。
セックスから愛が生まれる事は、極めてまれにはあるかもしれません。でも、普通は逆ですよ。愛し合っている男と女がやがて結ばれる。そう思いませんか?ただし、レンゲさんが“セックスから愛が生まれる”事を体験したと言う事は僕には理解できますよ。でも、その愛はレンゲさんが求めていた愛ではなかったようですよね。
どうして、そういう事をおっしゃるのですか?
本当の愛を見つけていたなら、レンゲさんはベターハーフを見つけていたでしょう。でも、人生の伴侶をいまだに見つけていないですからね。しかも、レンゲさんは求めている愛を見つけることが出来そうにないと思ったから、ホステスの世界からきれいに足を洗ったんですよ。2度と戻らなかった。これからもレンゲさんは戻らないと思いますよ。違いますか?
多分、もうホステスをやることはないと思います。
でしょう。本当の愛があることをレンゲさんは信じていた。しかし信じたいにもかかわらず、レンゲさんの目の前に現れる愛は、理想とする「愛の形」からはあまりにもかけ離れていた。それでレンゲさんは絶望を感じないわけには行かなかった。レンゲさんがホステスを辞めたのは、この事が真の理由だと僕は思っていますよ。
やはり、セックスから愛は生まれませんか?
だから、そういうことも極めてまれにはあるでしょう。でもね、これだけはハッキリ言えますよ。クラブに行く男たちは、そこで愛を探そうとしているわけではないんですよ。女の子と遊ぶために行くんですよ。だから、そこで仮に求める女の子を男が“釣った”としても、釣った魚にエサをやるようなことはしないものですよ。
クラブに行く男は、遊びだけが目的だと言うのですね。
僕はそう思いますよ。レンゲさんだって、そう思ったからこそ、馬鹿馬鹿しくなって、ホステス業を廃業にしたはずでしょう?
分かりますか?
レンゲさんは頑張り屋の性格ですからね、ホステス業が本当にすばらしいと思うなら、あなたは自分のクラブを立ち上げる事の出来る人ですよ。しかし、レンゲさんは結局、ホステス業を廃業した。大学にも戻らなかった。何をしたか。。。?ホステス時代の関係を引きずってしまったんですよ。
『性愛の快楽とメカニズム (2006年5月15日)』より
デンマンさんは、このように古い記事を持ち出してきて、またあたしをイジメるのですか?
やだなあああぁ~。。。僕は何度も言うように決してレンゲさんをイジメている訳ではないのですよ。むしろ、過去の記事を持ち出す事により、現在のレンゲさんが過去の失敗から学んで、より幸せな生活を目指して頑張っている事を強調しているのですよ。イジメているのではないのですよゥ。
でも、あたしの過去を持ち出してきて、あたしを悲しませるのですわ。
現在を考えてくださいよ。過去は、もう決して変えることができない。でも、レンゲさんは過去の失敗から学んでより素晴しい愛情生活を築こうとしている。だからレンゲさんは、僕に悩みを打ち明け、こうして愛について語り合っているのですよ。。。そうでしょう?
分かってくださっているのですね?
そうですよ。。。だから、イジメているなんて言わないでくださいよねぇ。
でも、どうしてあたしの古傷を持ち出すのですか?
ん。。。? 古傷。。。?
そうですわ。。。“セックスから愛が生まれる事もある”。。。あたしがこう言った事を持ち出してきて、また、デンマンさんはあたしをエロい女にしようとしているのですわ。
やだなあああぁ~。。。違いますよう。エマニエル・アルサン女史もちょうどレンゲさんと同じ事を言っている。僕が『エマニエル夫人』を取り上げる気になったのは、正に、レンゲさんが言ったその言葉がドラマチックに思い出されたからですよ。
ドラマチックに思い出されたのですか?
そうですよ。レンゲさんは、もしかすると、何よりも『エマニエル夫人』の映画から影響を受けているのではないか!?僕はなんだかそんな風に思えたのですよ。
あたしが言った上の言葉からそう思ったのですか?
そうですよ。“セックスから愛が生まれる”ということは、まさに『エマニエル夫人』の世界で、ジューンさんが言ったように、“愛が性と同義になる”ことですよ。ちょうどレンゲさんがホステス時代に“セックスから愛が生まれる”経験をしたように、エマニエル・アルサン女史は、「老紳士マリオ」に導かれて同じような経験をしたと思うのですよ。
老紳士マリオの性哲学
“文明人の性というのは複数セックスでなければならない。
単数のセックスではなく二人以上と肉体関係を持ちたい。
それも時や場所を選ばずに。
それを私は反文明のセックスと呼び、
そうした性の中にこそ真の喜悦を発見していくべきである。"
『エマニエル夫人』より
でもね、マリオの性哲学は「セックスとは喜悦を求めるための手段」と言うファンタジーですよ。
つまり、アルサン女史はファンタジーの世界で“愛が性と同義になる”事を体験したにすぎない、とデンマンさんはおっしゃるのですか?
そうですよ。それは、女性特有のファンタジーだと僕は思いますね。レンゲさんもちょうど同じようなファンタジーをホステス時代に体験したのですよ。僕が上の囲み記事の中で書いたとおりですよ。
つまり、虚構の中で“愛が性と同義になる”幻想を体験しただけで、実体が無いとおっしゃるのですか?
その通りですよ。アルサン女史には“愛が性と同義になる”と思えたかもしれませんよ。でも、相手の男はそのようには思わなかった。
どうして、デンマンさんはそのように断定なさるのですか?
レンゲさんのホステス時代の事を考えてくださいよ。“セックスから生まれた愛”が本当に“実体のある愛”であったなら、レンゲさんは今頃ベターハーフを見つけて家庭を持っているはずですよ。ところが、レンゲさんは“セックスから愛が生まれる”経験をしていたと自分で認めていながら、結局、実体の無い愛に失望してホステスの世界から足を洗ってしまった。どうしてか?それは、レンゲさんがファンタジーの世界で“セックスから愛が生まれる”経験をしていたにすぎない!と悟ったからですよ。だから、ホステスを辞めて2度と戻る気にならなかった。男は遊びのためにクラブ・オアシスに足を運んだのですよ。つまり、遊びだから、“釣った魚にエサをやる”ような男はいないのですよ。要するに、男はベターハーフを探しにクラブ・オアシスを訪ねたわけではないのですよ。
アルサン女史の『エマニエル夫人』の世界は、結局、あたしが“セックスから愛が生まれる”体験をしたホステスの世界と変わりがないとおっしゃるのですか?
その通りですよ。要するに“性のファンタジー”に偏(かたよ)りすぎてしまったので『エマニエル夫人』は“ソフトコア、ロマンポルノ”として扱われてる。『チャタレイ夫人の恋人』のように純文学にはならないのですよ。
どうしてですか?
それは、レンゲさんが僕の質問に答えて、すでに言いましたよ。
セックスとは、愛する人との
大切なコミュニケーション
『チャタレイ夫人の恋人』を読むと、チャタレイ夫人が森の番人とのセックスを「愛する人との大切なコミュニケーション」と考えようとしているのが良く分かりますよ。多分、レンゲさんだってその影響を受けたはずですよ。
エマニエル夫人は違うのですか?
全く違いますよ。エマニエル夫人のメンター(mentor)は老紳士マリオですからね。「セックスとは喜悦を求めるための手段」にすぎないのですよ。
【レンゲの独り言】
デンマンさんのおっしゃる事は分かるような気もします。
でも、愛する人と体を一つにして喜悦を求める事はいけないのでしょうか?
ファンタジーの中で悦楽を求める事はいけないのでしょうか?
あなたは、どう思いますか?
とにかく、あさって、あなたも、また読みに戻ってきてくださいね。
では、また。。。
メチャ面白い、
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こんにちは。ジューンです。
お元気ですか?
『チャタレイ夫人の恋人』では、
確かに愛とセックスがテーマになっていると思います。
でも、『エマニエル夫人』の場合には、
どちらかと言うと
レズビアンや露出、
自分の恋人を他の男性に抱かせたりといった、
通常の男女の愛情表現としての性行為から
外れた新しい「愛の形」、
もっと端的に言ってしまえば「性の形」を描いた
ファンタジーと言えるのではないでしょうか?
あなたは、どう思いますか?
ところで、デンマンさんがレンゲさんの記事を集めて
一つにまとめました。
もし、レンゲさんの記事をまとめて読みたいならば、
次のリンクをクリックしてくださいね。
■ 『最近のレンゲ物語 特集』
とにかく、今日も一日楽しく愉快に
ネットサーフィンしましょうね。
じゃあね。
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