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デンマンのブログ

デンマンが徒然につづったブログ

昇華とカタルシス PART 3 OF 3

2009-05-10 05:34:40 | 真理・真実


 
昇華とカタルシス (PART 3 OF 3)


昇華作用



犯罪を、すなわち人類の反社会的願望そのものを、重大な要素とする探偵小説ないし犯罪文学が、いかなる文学にもまして「カタルシス」の作用を営(いとな)むことは、容易に理解できると思う。
あえて犯罪を実行しえる反社会的の性格には、犯罪本能の鬱積(うっせき)もなく、そのカタルシスも必要でない。
したがって、実生活上の犯罪者と探偵小説とは、この意味では、全く無縁であるが、これに反して、正常なる社会生活を営む人々、犯罪に臆病な人々にとってこそ、カタルシスは欠くべからざるものであって、探偵小説はそのカタルシスの最も有力な手段の一つだとも言いえる。

一方作者の側から考えても、探偵小説ないし犯罪文学の創作は、同じように一種のカタルシスに相違ないが、もっと適切な言葉を探すならば、犯罪本能の抑圧を創作と言う一つの行動に転化する意味で、精神分析学のいわゆる「昇華(しょうか)作用」が行われるのだと考えても差し支えない。
すなわち、作者は犯罪に対して臆病であればこそ、また実生活上の反社会的行為を抑圧するが故にこそ、創作と言う昇華を、あるいはカタルシスを求めるのであって、世の多くの探偵作者が、意外なお人好しである理由も、これによって説明できるのではないかと思う。




pp.114-115
「探偵小説とカタルシス」より
『江戸川乱歩全集 第25巻 鬼の言葉』
監修: 新保博久・山前譲
2005年2月20日 初版1刷発行
発行所: 株式会社 光文社


つまり、カタルシスと言うのは、実生活上の無用の情緒を洗い流す作用なのですよう。でもねぇ、「昇華作用」とは、洗い流すだけではなく、その無用の情緒を芸術的に価値ある物、作品に転化することですよう。

具体的には。。。?

めれんげさんは今年の2月になると、不幸を感じ始めていたのですよう。。。長い間、「見捨てられ感」は思い過ごしだと、めれんげさんは自分に言い聞かせていたのだけれど、どうしても、見過ごす事ができないようになってしまった。でも、まだ感情をむき出しにはしていない。ムカつく感情を芸術的に価値あるモノ、めれんげさんの場合には短歌として次のように転化したのですよう。


裏切りはやさしく
 
 

 
 
うらぎりは

やさしい言葉で

つつまれて

それがわたしを

深く傷つける

 
  
by めれんげ
 
2009.02.12 Thursday 13:39




『即興の詩 裏切りはやさしく』より


どうですか?単なる感情の爆発ではないでしょう!言葉の選び方だとか、感情の抑圧の仕方。。。、そう言う所に、むしろ、芸術作品という印象を受けますよう。

分かりましたわ。それで、お話しの初めに戻りますけれど、どうして、あたしはロマンチストなのですか?

乱歩先生は次のようにも書いているのですよう。


ロマンチシズムの文学の妙味は、

現実の不可能を紙上に

可能化するところにある


思想的にも芸術的にも、人の性格を相(あい)対立する大きな二つの性格に分けることができると思われる。
必然論者と偶然論者である。
これを違った言葉で言えば、ある意味で唯物論者と唯心論者である。
不可知に無関心な心と、不可知を恐れむしろそれに憧れる心である。現実家と詩人である。
ナチュラリスト(あるいはリアリスト)とロマンチストである。

 (中略)

偶然論とは反対の立場にあるどのような自然主義文学者でも、彼が記録的歴史家ではなくて文学者を選んだところに、偶然論者の風貌が窺(うかが)えると思うし、また同じく反対の立場にあるマルキシズム文学者が、現実の闘士ではなくて文学の上の闘士を選んだところに、その役割を引き受けなければならなかったところに、彼のロマンチストの風貌がほの見えるのだと思う。
私はこの頃、「文学の非現実性」ということを考えている。
文字そのものに現実世界とは別の世界を感じるのである。
文字というものは、音表文字にせよ、象形文字にせよ、その属性として「夢」を持っているのではないだろうか。

 (中略)

探偵小説は本来ナチュラリズムの文学ではなくて、ロマンチシズムの文学であるということである。
探偵小説は「必然」の文学ではなくて「偶然」の文学であり、「可能」の文学ではなくて「不可能」の文学であるということである。(ここに不可能説が関連してくる。)

 (中略)

ロマンチシズムの文学といえども別の意味のリアリティを持っていなければならないことは分かりきっている。
私の「可能化」「現実化」「迫真性」等の言葉は、すなわちそういうリアリゼーションを意味したのである。
その作り話にいかほど迫真性を感じさせ得るかという点に、探偵作家の優劣がかかっている。
これは無論非常にむつかしいことだけれど、理想はそこにあると思う。
ここに広い意味の不可能説が成り立つ。
前に列挙した後者の傾向に属する(ロマンチシズムの)文学の妙味は、現実の不可能を紙上に可能化するところにある
探偵小説はそういう文学の一種と考えて差し支えないと思う。
(いつか不可能を可能にするという命題は成り立たないという説があった。
それは分かりきった話である。
私はそういう分かり切ったことをいっているのではない。)

 (中略)

不可能の可能化という表現が一般に不適切なれば、非現実の現実化といっても言い。
その最も極端な実例は(エドガー・アラン)ポオやホフマンの短編である。
ポオのどの短編一つ取ってみても、不可能の可能化、非現実の現実化に興味を持ち、それに努力していないものはない
ポオやホフマンでは極端だというなら、手当たり次第に例えばゴーゴリーを挙げてもいい。
チェホフを挙げてもいい。
ハーディでさえ挙げてもいい。
近頃ではジョイスでも、プルーストでも、ローレンスでもハックスリでもお望み次第である。
ドフトエフスキイも無論そういう風に考えられるし、ジイドだってそうである。




pp.523-530 
「不可能説に関連して」より
『江戸川乱歩全集 第25巻 鬼の言葉』
監修: 新保博久・山前譲
2005年2月20日 初版1刷発行
発行所: 株式会社 光文社

 
ずいぶん長い引用になりましたわね?

だったら、僕が説明しなくてもレンゲさんには分かったでしょう?

いいえ、あまり長すぎて要点が分かりませんわ。

あのねぇ~、乱歩先生は、ロマンチシズムの文学の妙味は、現実の不可能を紙上に可能化するところにある、と言っているのですよう。

だから。。。?

だから、レンゲさんは間違いなくロマンチストなのですよう。

どうして。。。?

どうしてってぇ。。。あのねぇ~、レンゲさんはムカついて僕に絶交状を突きつけたのですよう。

告訴したろか?

さっきの不法アクセスの事も含めて。


こんな事まで書いている。これを書いたのが2005年1月9日。それから、2年後の2007年4月28日には、

デンマンさんを信じて、

これからもおつきあいさせていただきたいことを、

わかっていただきたくて、

忌憚なく書かせていただきました。


このように書いている。おそらく、レンゲさんと僕以外の人にとって、これは現実世界でもロマンチシズムの文学の世界でも不可能な事ですよう。

そうでしょうか?

そうですよう!

“真実は小説より奇なり”

事実、レンゲさんと僕が仲直りできたことは、この上の一言に尽きるのですよう。

それで、あたしは現実世界で「不可能」を「可能化」したのでロマンチストなのですか?

そうですよう。超ロマンチストですよう。うしししし。。。
    

【レンゲの独り言】



ですってぇ~。。。
また、デンマンさんのお得意ですわ。
理屈を捏ねくり回していますう。
でも、結構、説得力がありましたわ。
あなたは、どう思いますか?

とにかく、面白い話がまだ続きますう。
あなたもどうか、また、あさって読みに戻ってきてくださいね。
では。。。




メチャ面白い、

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こんにちは。ジューンです。

“ロマンチシズムの文学の妙味は、

現実の不可能を紙上に

可能化するところにある”


確かにその通りですよね。

それにしても、デンマンさんは、

あちらこちらから、もっともらしい文章を引用して、

理屈でレンゲさんを丸め込もうとしています。

その手法には、乱歩先生も

ビックリするのではないでしょうか?



ところで、英語の面白い話をまとめました。

興味があったら、

次のリンクをクリックして

読んでくださいね。

■ 『あなたのための 楽しい英語』



■ 『性の俗説 (2008年3月4日)』

とにかく、今日も一日楽しく愉快に

ネットサーフィンしましょうね。

じゃあね。

 





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