芳江さんの半生

福井で生まれ育った芳江さんは東京で学生時代を過ごした。
茨意県出身の真理子さんと親友になる。
30を越したばかりの芳江さんは、初婚の相手に嫁ぐのは無理だと自分で決めて中学1年生の男の子(和夫君)の父親である山本武雄さんに嫁ぐ。
山本さんは乳癌で妻を亡くした建設会社の社長でした。
中学1年生の和夫君と芳江さんはうまくは行かなかった。
明らかに和夫君は亡くなった母親への思いが強く、芳江さんに対して初めからよくは思っていなかった。
もともと父親の再婚には反対していたフシがある。
和夫君は芳江さんが可愛がっていた猫に毒をもって殺してしまった。
そのことを和夫君が中学生の同級生に自慢げに語っていた事から担任の先生が知ることになって、重大な事件になる前に(つまり、毒を盛って芳江さんを殺すような事件になる前に)何らかの対策を立てた方が良いと、わざわざ芳江さんを訪ねて忠告してくれた。
結婚3年後、山本武雄さんは肺癌のために死去。
筆頭株主の芳江さんは建設会社の社長職を継ぐ。
和夫君は親戚の者に引き取られて暮らすようになる。
バブルがはじけ建設業界の不信を見越した専務が芳江さんのために事業をまとめて業界から撤退する事を助言する。
芳江さんの人柄と、苦労の多い仕事だと言うことを理解したうえでの温情ある助言でした。
まだ業界が不振に落ち込む前の決断だったので、土地や証券等が良い値で売れて、かなりのまとまったお金が芳江さんの懐に入った。
“有閑マダム”になった芳江さんは趣味で始めていた日本画を本格的に勉強し、日本画の先生に師事をする。
福井県の絵画展で入選する。
お金持ちの有閑マダムが入選したと言うので、女性門下生からイジメにあう。
芳江さんの学生時代の親友・真理子(独身)さんがカナダのノース・バンクーバーで日本レストランを経営してうまくやっていた。
真理子さんの友達の貿易会社の女社長・順子さん(カナダ人と結婚)と3人でカナダの不動産投資を始める。
順子さんが独断ですべてを取り仕切っている事から芳江さんは不信感を募(つの)らせてゆく。
悪者は順子さんだったが、どういうわけか親友の真理子さんは順子さんを庇(かば)う。
芳江さんは孤立して悩む。
この不動産に絡む不正事件の相談に乗って欲しいと言うので共通の友人を通して紹介されたのがデンマンだった。
デンマンが中に入って事件が大きくなる前に問題が解決。
順子さんの不正がバレて、真理子さんと芳江さんは仲直りする。
日本画の腕を磨(みが)こうと芳江さんは世界の美術館めぐりを始める。
将来は真理子さんが持っているノースバンクーバーの家に一緒に住んで絵を描きながら余生を過ごそうと計画を立てる。
そのような矢先に真理子さんが脳梗塞(のうこうそく)で倒れる。
左半身が不自由になる。
レストランは友人に売却する。
ノースバンクーバーの家も売却する。
芳江さんの老後の夢も、はかなく消えてしまう。
カナダでは天涯孤独の真理子さんは入院して心細くなり、茨城県の実家の妹を頼って日本へ帰る。
しかし、妹の家族とうまく行かず、芳江さんが福井から駆けつけて、友達が経営している介護施設に入寮させる。
芳江さんのカナダでの老後の夢はたたれてしまったけれど、現在、真理子さんが入寮している福井の施設を時折訪ねてはリハビリを援助している。
僕が見たり聞いたりした芳江さんの半生を箇条書きにすればこのようなことになるのですよ。もちろん、これだけで芳江さんの半生を言い尽くすことなんてできません。でも、芳江さんの劇的な半生を要約する事はできますよね。ゴッホは自殺してしまったのだけれど、芳江さんの場合は毒殺されそうだと心配する学校の先生までが出てきて助言してくれた。芳江さんが苦労しているのを温かい目で見守ってくれていた人が居たのですよ。ちょうど、ヨハンナが夫とゴッホの書簡を読んで感動したように。。。
そうでしょうか?
僕は福井に行った時に、実際にこの目で芳江さんが描いた日本画を見ていますからね。芳江さんの半生を思い浮かべながら絵を見たとき、僕はやはり、絵からある種の感動を受けたものですよ。
どのような。。。?
例えば、ゴッホの絵はうまくはないのですよ。小学生が描いたような絵もありますよ。でもね、その色使いとか構図のゆがみなど、ゴッホの人生を思い浮かべると、その激情がキャンバスに踊っているような印象を持ちますよね。ゴッホの人生を絵の具にしたのがあの絵だと思いますよ。
それで、私の絵はどうだったのですか?
芳江さんの半生を思い浮かべるとき、いい加減に書いていないことが実に良く絵に表れていましたよ。うん、うん、うん。。。良く描き込まれているなあああぁ~ 熱心さと言うか。。。努力の跡が見えましたよ。。。
私の絵はあまりうまそうではないようですわねぇ~?
あのねぇ、絵は上手いとか下手とか。。。そういう見方で見るべきじゃないと思いますよ。
。。。で、どのように見るのですか?
描き手の性格だとか人生が見えると、絵もずっと味わい深く奥の深いものに感じられてきますよね。
でも、いちいち描き手の性格だとか人生を知ることはできないでしょう?
だから、世に知られなかった“ゴッホ”はたくさん居たと思うのですよね。ゴッホの場合にはヨハンナが居たわけですよ。ヨハンナが夫とゴッホの書簡を読まなかったら、ゴッホは永久に1枚の絵だけしか売れなかった貧しい無名の画家として歴史には残らなかったはずですよ。
ゴッホには運があったという事ですか?
違いますよゥ。感動を与えるような人生をゴッホが生きたという事ですよ。その感動がヨハンナに通じてゴッホの絵が見出されたのですよ。
それで、あたしの絵はどうなるのですか?
僕がニューヨークで芳江さんの個展を開きますよ。
マジで。。。?
芳江さんがその気になればの話ですが。。。
【デンマンの独り言】

実はこの話は、すでに芳江さんとしたことです。
芳江さんも個展を目指して頑張るそうです。
日本で個展を開くと言えば、大変な事のように思えるでしょうが、
ニューヨークで個展を開くのは、たいした事じゃないのですよ。
もし、ニューヨークのどこでも良ければね。。。(爆笑)
問題は、その個展を成功させるかどうかです。
それがオーガナイザーの腕の見せ所です。
この話の後で“病める日本”の話題が続くのですが、
それは、またの機会に書く事にします。
では。。。

ィ~ハァ~♪~!
メチャ面白い、
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卑弥子さんの代わりに出て来ましたわ。
ネットには愚かな人がたくさん居ますよね。
パンツにコカイン君は、相変わらず
下らないコメントを書いていますわ。
FC2のてんね君はデンマンさんのことを
告げ口する事に生きがいを感じているようでした。
でも、今では、そうする事の愚かさに
気づいたようですわ。
えっけん君と太田将宏老人は
ムカついたままコメントを書いてしまいます。
みっともないコメントになるだけです。
ええっ?そんなことより、
もっと面白い話がないのかって。。。?
デンマンさんのゴッホのお話だけでは
物足りないのですかぁ~
だったらね、メチャ面白いお話を
あなたにおせ~♪~てあげますわ。
ちょっとこれ見てぇ~。

聖徳太子のお母さんがペルシャ人だった、なんて信じられますか?
デンマンさんがその事について書いているのですわ。
ど~お。。。
ちょっと面白いと思わない?
もし関心があったら次のリンクをクリックして読んでみてね。
■ 『聖徳太子のお母さんはホントにペルシャ人だったの?』
わたしも読んだけれど、結構面白いのよ。
あなたも上のリンクをクリックして読んでみてね。
とにかく、今日も一日楽しく愉快に
ネットサーフィンしましょうね。
じゃあね。


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