デンマンのブログ

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バンコクのファンタジー PART 2

2008-02-08 19:19:22 | 恋愛・失恋・不倫・性の悩み・セクハラ


とにかく、フランス語で作品を書くぐらいですからね、フランス人と同じか、それ以上にフランス文化の洗礼を受けていますよ。だから、ジューンさんも次のように書いていましたよ。




こんにちは。ジューンです。

お元気ですか?

『エマニエル夫人』の原作をたどってゆくと

『O嬢の物語』に行き着くのですよね。

原題はHistoire d'Oで、フランスの中編小説です。

今ではサド・マゾヒズム小説の代名詞となっています。

1954年にジャン=ジャック・ポーヴェール書店から

売り出されました。

作者はポーリーヌ・レアージュと言う女性です。

でも、作者が誰なのか良く分からなかったのですよね。

1994年にやっと分かりました。

ドミニク・オーリーが自分が作者であると名乗り出たのです。

物語では、女流ファッション写真家のOは、

ある日恋人ルネにとある城館へ連れて来られ、

複数の男の共有性的玩弄物になるように、

鞭打やその他肉体を蹂躙する手段で

心身共に調教されるのです。

このあたりの発想が老紳士マリオを生み出し

彼がエマニエル夫人を調教して行く。

そのようにも見て取れます。

ところで、デンマンさんがレンゲさんの記事を集めて

一つにまとめました。

もし、レンゲさんの記事をまとめて読みたいならば、

次のリンクをクリックしてくださいね。


■ 『最近のレンゲ物語 特集』



『愛と性のファンタジー (2008年2月7日)』より


アルサン女史も10代のうちに、この作品を読んでいるはずですよ。当時、『O嬢の物語』はセンセーションを巻き起こしていましたからね。

デンマンさんも読んだのでござ~♪~ますか?

僕はフランス語では読まなかったけれど、1970年代、大学生の頃、日本語で読みましたよ。

どうでござ~♪~ました。

実は、僕は本屋で立ち読みしたのですよ。うしししし。。。フランスでセンセーションを巻き起こしたから、すごいのかと思ったのですよ。

そうしたら。。。?

確かに、すごいのだけれど、その“すごさ”が僕が予想していたエロスのすごさじゃなかったのですよ。

どう言う事でござ~♪~ますか?

その“すごさ”というのはサディズム・マゾヒズムのすごさなんですよ。僕はサド・マゾには、ほとんど興味が無いのですよ。僕にとってサド・マゾは甘美なエロスじゃなくて、おぞましいアンチ・エロスなんですよ。だから、僕は本を半分も読まずに買う気がなくなりました。

つまり、デンマンさんにとって、『O嬢の物語』はつまらなかったのでござ~♪~ますわね?

実に下らないと思いましたね。

でも、『エマニエル夫人』は良かったのですか?

『O嬢の物語』の映画は見なかったけれど、原作品の内容を比べた時に、『エマニエル夫人』の方が僕の趣味に合っていましたよ。

『エマニエル夫人』の映画は、どうでござ~♪~ました?

感動はしなかったけれど、映像と音楽の詩的ファンタジーとして、観るだけの値打ちがあったと思いましたね。

それで小百合さんの投げかけた疑問でござ~♪~ますけれど、デンマンさんが一昨日説明した上の解釈とは別のものがあるのですか?

ありますよ。アルサンがタイで生まれた中国系のタイ人であるということが分かって僕にはエマニエルが老紳士マリオに尋ねた意味が氷解したように思ったのですよ。

どう言う事ですか?

つまり、アルサン女史は16歳でフランス人外交官と結婚した。フランス人コミュニティのサロンで認められるには、並大抵の苦労をしなければならなかったはずですよ。

どのような苦労ですか?

だから、そのサロンの中ではアルサン女史はただ一人の東洋の女性なのですよ。そのサロンに出入りする東洋人と言えば召使いかメイドだけですよ。つまり、アルサン女史は常に“フランス人”にならなければならない宿命を負わされたようなものですよ。

それで。。。?

“フランス人化する”という事は、すべての面でフランス的にならなければならない。。。もちろんフランス語に堪能にならなければならない。。。また、これまでの東洋の倫理や道徳から脱皮して新しい“性哲学”の洗礼も受けなければならない。つまり、物語の中のエマニエルはアルサン女史のあるがままの分身ですよ。老紳士マリオは、アルサン女史が理想としている分身ですよ。

。。。んで、上のデンマンさんの解釈はどうなるのでござ~♪~ますか?

次のようになるでしょうね。




私は外交官であるフランス人と16歳で結婚して以来、

フランス人になりきろうと努力してきました。

タイで生まれた中国系タイ人であることをやめたのです。

フランス人になるためならば、

苦労をいとわずに何でもしました。

フランス語をマスターして

『エマニエル』を書いたのもそのためでした。

でも、それだけでは十分とは思えませんでした。

本が世に出て映画化されたぐらいでは、

まだ私はフランス人になりきれた、

とは言えないと思ったのです。



それで、1975年には自作の小説を自ら脚本化し、

アニー・ベル主演で『卒業生』という映画を作りました。

私は、その映画の中でメガホンをとって監督を兼ね

ヌード出演までしました。



こうして、私はフランス人のペンネームを持ち、

フランス人になりきったつもりで頑張ってきたのです。

また、自ら求めた性哲学を実践してきたのでした。

身も心もフランス人になりきろうと努力してきたのです。

でも、私は本当にフランス人になりきれたと言えるでしょうか?



僕にはアルサン女史がフランス人になろうとして、上のような努力をした事が良く理解できますよ。僕自身、人生の半分以上を海外で暮らしてきましたからね。

つまり、エマニエル夫人がマリオに質問したのは、実は、アルサン女史自身が自分に問いかけた疑問だったのでござ~♪~ますか?

そうですよ。どこまでフランス人になれば良いのか?当時のアルサン女史は、その事に疑問を感じていたのかもしれませんよ。

つまり、自分がフランス人でもないのにフランス人と結婚してフランス人のサロンに出入りして、好き嫌いにかかわらずフランス人にならなけらばならない宿命を負わされた。アルサン女史はそう感じたのでござ~♪~ますか?
 
そうですよ。でもねぇ、自分がタイ人である事は絶対に消す事ができない事実ですよ。自分のアイデンティティーはどこにあるのだろうか?エマニエル夫人がマリオに投げかけた疑問は、身も心もフランス人になりきったつもりのアルサン女史の不安だったのではないだろうか?今の僕には、そう思えるのですよ。


【卑弥子の独り言】



アルサン女史が16歳でフランス人の外交官と結婚したとき
できるだけフランス人の夫の妻として、
フランス女性に負けないような妻になろうとした気持ちは、あたくしにも分かるのでござ~♪~ますわ。
でも、だからと言って性哲学までフランス化しなければならないと思ったでしょうか?
それは、フランス人化する事とは違うように思えるのでござ~♪~ますわ。
あなたは、どう思いますか?

ところで、小百合さんがタイに行ったのは、『エマニエル夫人』の映画を観たからでしょうか?
小百合さんはメールでデンマンさんにその理由をお話したのでしょうか?
あなたも興味があるでしょう?

また、あさって読みに戻ってきてくださいね。
じゃあね。






ィ~ハァ~♪~!

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こんにちは。ジューンです。

わたしも『エマニエル夫人』の原作を書いた

エマニエル・アルサン女史が

フランス人だとばかり思っていました。

ところで、アルサン女史はローマの古典にも詳しいようです。

なぜならば、初めの章「飛翔する一角獣」の

エピグラフがオヴィデウスの『愛の術』だからです。

『愛の術』と日本語に訳されていますが、

アルス・アマトリアは、普通『愛の技法』と訳されている

ローマの詩人オヴィデウスの作品です。

オヴィデウスはギリシャ・ローマ神話に題材をとった

散文詩『変身(転身)物語』を残した詩人でした。

この物語の中では、

人間の女がギリシャ・ローマの神々に愛され、

神々と交わり、その愛の中で植物や、

動物に変身してゆきます。

それは、貞淑な若妻エマニエルが性経験を通して

変身してゆく物語と実に良く似ています。

変身してゆく過程で、

アルサン女史の中で愛は性と同義になります。

慎み深い16歳の東洋の少女が、

フランス人外交官と結婚し、

やがて女優となります。それでも飽き足らずに、

性哲学を『エマニエル』の中で

結実させて作家になります。

愛と性の表現者として自らのヌードまでも

映画の中で公開します。

まさに「変身物語」なのです。

この発想はローマの古典から

影響を受けたのではないでしょうか?



ところで、デンマンさんが小百合さんの記事をまとめましたわ。

ぜひ、次のリンクをクリックして覗いてみてくださいね。

■ 『夢とロマンを持って前向きに生きる小百合さんの物語』

では、今日も一日楽しく愉快に

ネットサーフィンしましょうね。

じゃあね。







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