這っても黒豆(PART 1)
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デンマンさん。。。 今日はどういうわけで這っても黒豆というタイトルにしたのですか?
真由美ちゃんは、這っても黒豆という慣用句を聞いたことがありますか?
いいえ。。。 そのような慣用句があるのですか?
あるらしいのですよ。。。 僕も一度も聞いたことがないのですよ。。。
それなのに、どういうわけでタイトルにしたのですか?
実は、バンクーバー市立図書館で借りていた本を読んでいたら次の箇所に出くわしたのですよ。。。
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這っても黒豆
国語辞典で「這っても黒豆」という面白い慣用句に出会った。
即座に覚えて、それから機会あるごとに会話で使おうと試みたが、なかなか通じない。
れっきとした日本語のはずなのに、東京でも埼玉でも千葉でも、東北でも関西でも九州でも、
「這っても黒豆」を口にすると、みんな決まって「なに? どういう意味? へえ、初めて聞いた」という。
(17-18ページ)
スズキ目ボラ科の仲間であることは間違いなかったが、誕生して間もないボラのことを、ただし日本語では「ボラ」と呼ばず、「ハク」と呼ぶのだ。
そして体長が5センチを超えれば、今度は「スバシリ」か「オボコ」という名に変わり、20センチほどになると「イナ」という名称にあらたまる。
「ボラ」と呼ばれるのはそのあと、30センチを超えてから。
しかも、「ボラ」で一生を終えるわけではなく、堂々と50センチ以上の体長まで成長できたら、最後に「トド」を襲名する。
日本語の「トドのつまり」という成句はそんな流れから生まれた。
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(200-201ページ)
(注: 赤字はデンマンが強調。
読み易くするために改行を加えています。
写真はデンマン・ライブラリーより)
『アーサーの言の葉食堂』
著者: アーサー・ビナード
2013年8月5日 初版発行
発行所: 株式会社アルク
あらっ。。。 外人の方が探し当てた慣用句なのですわねぇ~。。。 で、意味は。。。?
次のような意味なのですよ。。。
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黒いものが這い出しても、虫であると認めず、
黒豆であると言い張ること。
間違っていても、強情に自説を曲げないことのたとえ。
『GOO 国語辞典』より
「這っても黒豆」は「強情っぱり」ということですねぇ~。。。
そういうことです。。。 同じような慣用句や言葉に次のようなものがあります。。。。
這っても黒豆の類語、関連語、
連想される言葉
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分からず屋 ・ 聞かん坊 ・ 舞っても亀の子
榎の実はならばなれ、木は椋の木
梅根性 ・ 業突張り ・ 義強 ・ 強情
『連想類語辞典』より
「舞っても亀の子」というのは、例えば、コウモリが舞うように飛び回っていても、それを「亀の子」だと言い張ることですねぇ~。。。
そういうことです。。。
。。。で、「榎の実はならばなれ、木は椋の木」とは、どういうことですか?
あのねぇ~、これは「榎(え)の実は生(な)らば生れ木は椋(むく)の木」という諺ですよ。。。
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榎(え)の実
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椋(むく)の木
榎の木を椋の木と言った者が、榎の実が生った後も椋の木だと言い続けるという意から、「強情っぱり」ということですよ。。。
。。。で、「トドのつまり」とは。。。?
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あれっ。。。 真由美ちゃんは使ったことがないのォ~?
私は使ったことがありません。。。 なんとなく分かったつもりで、これまで聞き流していましたわ。。。
出世魚のボラは最終的に「トド」になり、それ以上は成長しません。。。 だから「とどのつまり」とは、これ以上は大きくならない。。。 これ以上は進まないなどの意味で使われるようになった。。。 つまり、「結局」とか「行きつくところ」のような意味で使われているのですよ。。。
面白いですね。。。 勉強になりましたわァ。。。
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(すぐ下のページへ続く)