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イエスマン “YES”は人生のパスワード

2015年08月27日 14時17分02秒 | 洋画2008年

 ◇イエスマン “YES”は人生のパスワード(2008年 アメリカ 104分)

 原題 Yes Man

 監督 ペイトン・リード

 

 ◇YESという言葉の意味

 ぼくはたいがい「YES」といってしまう。

 それでどれだけ辛酸をなめてきたことか。

 だって、物事をなにか頼まれたとき、ここで断わったら相手に悪いじゃないかっておもうからだ。だから、多少の無理をしても「YES」といってきた。やりたくないこと、気の進まないこと、いやだなとおもうこと、やらない方が自分のためだと予想がつくこと、その他もろもろ、たいがい、どうしようかな~とおもったことで「YES」といっちゃうと、ろくなことがない。ぼくにこの「YES」病がなかったら、今頃、大金持ちになってる、かもしれん。

 まあ、ぼくのことはともかく、日本人の多くが「YES」しかいえないんじゃないかともおもう。まあそんなに長くないけれども自分の人生をふりかえってみると「NO」といってきた人間を、ぼくは我儘な人間だとおもってきたし、でも「NO」といえる奴はたいがい人生に成功してる。そんな気がしてきた。あ、この頃「NO」という人間が増えてきたような気もする。若い人達だけれどね。かれらはいとも簡単に「NO」という。もちろん、そういう人もいるしそうでない人もいるんだろうけど。

 で、おもうのはここでいう「YES」と「NO」なるものは、前向きかどうか、明るくふるまえるかどうか、ということであって、相手のいうとおりにするかどうか、相手の期待に応えなくちゃいけないのかどうか、ということではないんだよね。

 ジム・キャリーはあいかわらず大仰な演技ながらとってもうまくて、かれでなければものすごくうそっぽいコメディになってたような気がしないでもない。ただ、おばあちゃんのフェラチオにまで「YES」といっちゃったり、それがもとでせっかく知り合えたズーイー・デシャネルとの間に不穏な空気が流れたり、まあ、いろいろなことはあるものの、ラストの「常にYESということが大切なのではなく、YESかどうかを自身でしっかりと判断できることが大切なのだ」というなんともあたりまえな結論に持っていくための作られたベクトル上のものでしかないことがありありとわかってしまう分、ちょっとね。


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