☆ベルンの奇蹟(2003年 ドイツ 117分)
原題 Das Wunder von Bern
監督 ゼーンケ・ヴォルトマン
☆1954年7月4日、ワールドカップスイス大会
その決勝戦で、西ドイツが奇蹟的な勝利をおさめた陰で、復活していく家族の絆が主題になってる。
いやまあ、なんだかハリウッドのスポーツ感動秘話を見てるような話の展開だ。サッカー選手ザーシャ・ゲーペルのかばん持ちをしている少年ルイス・クラムロートが、シベリア抑留から帰ってきた父親ベーター・ローマイヤーの情けなさと貧乏臭さに身内にしか感じられない怒りと憐みを感じ、どうしてもなじめずにいたものの、やがてワールドカップに父子ふたりで応援に出かけてゆく旅を通じて、父と子の溝が深まっていくなんて、まさしく物語の王道だ。
でも、世の中というのはよくしたもので、こういう王道の物語がなんだかんだいってもいちばんしっくりくるのかもしれないね。ていうより、当時の風俗はよく再現されているし、ワールドカップに絡めて反戦を語ることも忘れず、なんとも180度転回したドイツの戦後のがんばりようがなんともいじましい。