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駅station

2014年01月05日 18時44分13秒 | 邦画1981~1990年

 ◎駅station(1981年 日本)

 端的にいって、ぼくはこの映画が好きだ。

 倉本聰が健さんのために書き下ろしたっていう話だったから、

 当時、ぼくはものすごく期待し、わくわくしながら劇場に向かい、観た。

 たしかに健さんはとってもかっこよくて、

 電車に乗るとき片足をちょんと乗せてちょっと考え込むポーズは、

 なんともいえず渋かった。

 ただ、ひとつだけわからないのは、

 倍賞千恵子と出会って男と女の関係になったとき、

 健さんはどんなふうに考えていたんだろう?

 淋しさをまぎらわすための相手だったんだろうか?

 真剣に好きになっていたんだろうか?

 中途半端だったから、

 やがて逃げてきた室田日出男を銃撃するという、

 ある種、罰があたったような運命が待ってたんだろうか?

 それだけが、どうも判断しにくい。

 ま、そんなことはいいとして、

 ぼくは酒飲みじゃないもんだから、

 ひとりで酒場に足を踏み入れることはまずもってないんだけど、

 健さんはこうやってふらりと暖簾をくぐる。

 で、居酒屋でかかってるのは紅白歌合戦で、

 しかも矢代亜紀の『舟唄』だ。

 こういうしみじみ感は、倉本聰の骨頂だね。

『北の国から』でもそうだったけど、

 どうしてこういう心寂しい世界に矢代亜紀は合うんだろう?

 悲しくて淋しい映画だったな~。

 ひさしぶりにしみじみ観ちゃったわ。

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