狷介不羈の寄留者TNの日々、沈思黙考

多くの失敗と後悔から得た考え方・捉え方・共感を持つ私が、独り静かに黙想、祈り、悔い改め、常識に囚われず根拠を問う。

一部を除く縮命効果、全体主義検診の無意味、医者の人為操作パンフレット鵜呑み:「抗がん剤は効かない」

2015-08-23 06:35:18 | 健康・医療・暮らし 2012~2017
 「医者の言いなりにならないためには、医者に対抗できるだけの理論武装が必要です。」、「健康診断や人間ドックは受けないほうがよい。ただ日本は異常な国で、国家が職場検診を強制します。こんな全体主義的方策をとる国は、欧米には存在しないと聞きます。」(本書より)

 「抗がん剤は効かない」(著者:近藤誠氏、出版社:文藝春秋、出版日:2011/5/15)
 本書を読んだ。

 世間一般の医療界・臨床医やマスコミ等の「常識」とは大きく異なっている著者の理論を、私は正しく思い信じている。出世には関心が無く、私利・私欲無く、医療における真実を追求する為に孤独に研究されて来られた著者。孤独に研究されて来た事による、何ものにも囚われずに自由に研究されて来た成果である著者の理論が、現在では医療改革に繋がって来ている。
 以下に本書から引用する。

 抗がん剤は毒薬・劇薬である。また、抗がん剤は発がん物質でもある。抗がん剤を調整する医療従事者には、厳格な取扱いマニュアルが定められているとの事である。
 医者、医学者、専門家、製薬会社、厚生労働省の官僚からなる「抗がん剤ワールド」による馴れ合い審査人為的操作によるデータ改変により日々、新薬が発売され、医者の無理解と横暴によりその「抗がん剤神話」の押しつけが、日本の医療界においては常識となっている。それにより、医者、製薬会社、官僚への莫大な利益と、患者側には抗がん剤使用による延命効果が無く、ただ多大な副作用を生んでいると言う「利益相反状況」が存在している。
 広義において分子標的薬をも含む抗がん剤は、急性白血病や悪性リンパ腫等の「血液がん」の多くは、抗がん剤が第一に選ばれるべき治療法であるとの事。但し、慢性白血病には無効であるとの事。一方、肺がんや胃がん等のがんが腫瘤を作る「固形がん」には無効であり延命効果が無いとの事。但し、固形がんの内の睾丸のがんと子宮絨毛がんだけは、抗がん剤に延命効果どころか治す力まであるとの事。以上の理由は不明であるとの事。但し、以上の極めて例外的に効くがんにおいても再発を繰り返すものについては、抗がん剤が効いていないのではないかと検討した方が良いとの事。
 また、抗がん剤に意味が有る一場面として「化学放射線療法」(通称「ケモラジ」)が在り、現在、頭頸部がん、食道がん、膀胱がん、子宮頸がん等で実施されているとの事。あくまでも放射線をメインとして、抗がん剤と放射線は同じ日に施行し、且つ、数週間に渡り連日施行される放射線治療の期間中に毎日の様に少量の抗がん剤を投与するとの事。この治療法により、手術至上主義による臓器全摘とならずに臓器を残せる可能性が高まるとの事。
 また、放置すると転移死しなくとも原発病巣が増大して臓器の機能不全を起こす局所死する可能性が有る喉頭がん、咽頭がん等の頭頸部がん、食道がん、子宮頸がん、胆管がん等には保険適用で自己負担の少ない定位放射線治療等の臓器を残す治療法が妥当であるとの事。重粒子線や陽子線は高額なだけで、従来の放射線治療以上の効果が得られない事から不要であるとの事。しかし、他の臓器に転移がある場合には、その様な局所療法は不適であり、がん組織にホルモン受容体が有ればホルモン療法をするとの事。
 手術療法・化学療法(抗がん剤)・放射線療法のがん三大療法以外の、ホルモン療法や免疫療法、食事療法にも問題が多々在るとの事。免疫療法においては、自分自身であるがん細胞を免疫でやっつける事は出来ないとの事。また食事療法においては、体重減少により却ってがんに対する抵抗力が下がり、がんの進行速度が急に速くなることが少なくないとの事。
 社会問題化した肺がん治療用のイレッサをはじめとした分子標的薬。がん細胞は正常細胞から分かれた為に同じ遺伝子を持ち、それを基にしたタンパク生成も共通のものとなるので、結局は分子標的薬も正常組織中の分子をも攻撃してしまい、それが毒性として表れるとの事。
 がんがCT検査で発見されるよりも前から臓器転移がどこかに小さく潜んで存在しているのが「本物のがん」で、転移が無いのが「がんもどき」であるとの事。その「がんもどき」を放置しておいてもいつまで経っても転移しないという事が社会通念に反すると言う事から、反発する医者が多いとの事。一歳未満の子どもの神経芽細胞腫は、自然に縮小して消失する自然退縮が少なくなかったとの事。早期発見・早期治療理論による検診によって発見数が増えているが、死亡数は横ばいか却って増えている。それ故、がん検診や人間ドック等による発見が、実は「がんもどき」が多いとの事。転移が無ければ危険は無いとの事である。積極的検査・治療が却って「縮命効果」を上げている。
 がん早期発見のがん検診は無意味、原発病巣術後の局所再発は臓器転移の原因にはならず、原発病巣治療後の転移発見検査は無意味、無症状であれば発見されたがんを放置しても命取りにならないとの事。CTによる放射線被曝を防いで検査による発がんを予防し、精神的に病から解放されて気楽に安楽に過ごす事が出来、その意味でがんは「末期発見」が望ましいとの事である。
 がんワクチンであるとしてのパピローマウイルスの予防ワクチンが中学生女子等に対して始められたが、本物の子宮頸がんを予防した事実は無く、それを打つ事による性交早期開始が流行る事により却ってパピローマ感染が増えてしまうとの事。
 認可やその後の利益に関わりの有る、抗がん剤の臨床試験の最重要結果である「生存曲線」。全生存率(%)を縦軸に、生存期間(年、月、週)を横軸にしたグラフにおいて、普通は左斜め下方に凸となる「指数関数曲線」が自然に描かれる。しかし、抗がん剤の新薬による治療とプラセボ(偽薬)や旧薬、無治療群による治療との比較の為に同じグラフに生存曲線を重ね描く上に於いて、新薬の曲線が途中で急に右上方へと屈曲して素直な指数関数曲線とならず、それまでの期間中ほぼ一致していたもう一方の曲線と解離している。それが、生存率が上昇し効果が有る様に見せかける「人為的操作」によるものとの事である。またその後の生存期間において、新薬側の曲線が急落してもう一方の曲線と一致する頃を切り取って省いたグラフを、医学雑誌等の論文中に掲載しているとの事である。また参加間もない被験者が生存中の打ち切り・寸止め、追跡調査を行なわないと言うケースでは死亡者がいつまでも確認されずに生存している事となっており、それらが意図的行為、データ操作・改変・隠蔽、臨床試験のインチキであるとの事である。それによって作られた製薬会社のパンフレットを臨床医は鵜呑みにし、抗がん剤治療をしているとの事である。
 新抗がん剤の認可の基準として、臨床試験での1~2割程度の(被検者で)がん病巣(腫瘤)の縮小度が用いて来られている。その為、生存曲線グラフで全生存率(OS:オーバーオール・サバイバル)よりも無憎悪生存率(PFS:プログレッション・フリー・サバイバル)の方を第一指標として用いているとの事。増大と判定するのがCTによるが、その検査を前倒しにするだけで比較する2本の曲線が離れて統計的に有意差が有ると認めてもらい易くなるという様に、OSよりもPFSの方が人為的操作が容易になるとの事である。CT検査とCT検査の間の無検査期間中のグラフは横ばいとなり、次のCT検査時にグラフが下降する事から、PFSを用いたグラフは階段状になるとの事。一部を強調して、全体を誤魔化しているとの事である。
 そして腫瘤縮小を有効の指標とする事で、「殺細胞毒」である抗がん剤の毒性により「縮命効果」やQOL(クオリティ・オブ・ライフ:生活の質)の低下を引き起こしているとの事。腫瘤の縮小は希であり、被検者の内の1~2割程度にその現象が認められれば新薬として認可されてしまうという事なので、圧倒的多数は症状の緩和どころか副作用や毒性で苦しむと言う事である。術前の腫瘤縮小についても当てはまり、臓器温存を図る事が望ましいとの事である。
 医学雑誌にも、新規性やポジティブ論文による「パブリケーション・バイアス」という、他のマスコミと同様の偏向報道・偏向情報が存在し、更に医学雑誌には「格」が存在し、特に超一流医学雑誌に掲載される事によるインパクトが強く、抗がん剤ワールドの繁栄にはそこへの掲載が不可欠であるとの事。
 ところで鎮痛剤の処方時に習慣となっている胃薬の同時処方が、胃薬の副作用の為に危険であり、鎮痛剤のみとするべきであるとの事。
 また、抗がん剤と同時投与される制吐剤に弱いステロイドを入れる事による気分の高揚感や食欲の回復等の症状緩和が有るらしいが、ステロイドには副作用や毒性が在り、毒性が蓄積・増大し、「縮命効果」しかないとの事である。
 痛みの治療には鎮痛剤が使われる。放射線治療によってがん病巣が小さくなる為に痛みが軽減するが、骨転移による全身の痛みに対する全身への照射は危険であり不適との事。脳転移の放射線治療後に抗がん剤を使用すると、脳組織の崩壊しているバリアを通過して脳組織に流れ込み、脳組織の崩壊が起こり得るとの事。脳組織は放射線障害もなくはないとの事。
 治療法は、患者個人の人生観・価値観、そして諦観による選択となる。現実的対処法としての医者・病院との付き合い・対応方法が語られている。
 米国の権威・後ろ盾を得る為にあの国士であった田中角栄氏を陥れた、ジャーナリストの立花隆氏との文藝春秋にての対談も合わせて掲載されている。

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  ・2013/05/17付:「イルミナティの傀儡・女優アンジー、がん予防で両乳房切除・・・癌ビジネス広告塔として利用された挙句に捨てられる & 『乳房温存療法』のパイオニアの医師の告発、定義の無いがんの治療と検診の無意味」
  ・2013/10/25付:「医療界の常識・因習・体質・構造・権威を否定し、普通では無い「真実」が存在・・・『成人病の真実』を読んで」
  ・2014/04/29付:「健康診断基準値の大幅な緩和は近藤氏の批判・訴えに学会が折れた為か・・・講師に折れた名誉教授等の御偉方」
  ・2014/05/04付:「矛盾・偽善がはびこり基準・根拠・規範の無い医学・世間においては却って『非常識』が正しい・・・『医者に殺されない47の心得~医療と薬を遠ざけて、元気に、長生きする方法』を読んで」
  ・2015/08/15付:「保守的カトリック作家と異端の医師との対談・・・『野垂れ死にの覚悟』を読む」

 引用文献↓↓
 「抗がん剤は効かない」(著者:近藤誠氏、出版社:文藝春秋、出版日:2011/5/15)
「抗がん剤は効かない」(著者:近藤誠氏、出版社:文藝春秋、出版日:2011/5/15)


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