古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十二章 乍恐奉願口上・その六十四模様

2012年10月23日 09時39分38秒 | 古文書の初歩

乍恐奉願口上第十五ページ、上の画像の一行目二行目

 

解読 模様悪敷出帆難出来候付、又々三輪崎江立帰り

    同所にて鯖買取塩切ニいたし五拾樽拵同四月三日

読み 模様悪しく出帆出来難く候に付き、又々三輪崎へ立ち帰り

    同所にて鯖買い取り塩切りに致し五十樽拵え同四月三日

 

解説 「模様悪敷」・・・模様悪しく。 「出帆難出来」・・・出帆出来難く。 「来」の右下に小さく「候」が有ります。 「立帰り」・・・「立ち」は接頭語。特に意味はありません。 「同所」の次は「にて」・・・合成字です。 「鯖」・・・『さば』。 「塩切」の次は変体仮名で「いたし」。 「五拾」の次の字は教えて貰わねば読めませんが「樽」です。 続いて「拵」・・・『こしらえ』。製品にする。 ここで疑問は、新宮河口の風向きが悪いのに、どうして三輪崎へ行く事が出来たのかよく判りません。もしかして、下り・東の方へ向かうには風向きが悪かったと言う意味かも知れません。(三輪崎は西方向になります。)