box観戦記録

100%自分用のリストです

エリスランディ・ララ対アルフレド・アングロ(2013/06/08)

2013-06-12 17:21:50 | ボクシング

WBA暫定スーパーウェルター級タイトルマッチ

キューバの元トップアマ、エリスランディ・ララ選手(Erislandy Lara)と強打のメキシカン元暫定王者アルフレド・アングロ選手(Alfredo Angulo)との間で争われた空位の暫定王座決定戦は米国カリフォルニア州で行われ、熱戦の末にララ選手が10回TKOで勝利して暫定王者の座に就いた一戦でした。(体格比較)

サウスポーのララ選手のスピードとスキルが圧倒した試合立ち上がり。力の抜けた、それでいて威力のあるサウスポースタイルからの左ストレートリードがアングロ選手の顔面をビシバシ撃ち抜きます。スピードの差が顕著でアングロ選手の動きがまるでスローモーションのように映ります。
それでも前に出るしかないアングロ選手はしぶとく前進を続けながら左右フック攻撃でしぶとく抵抗を続け、その攻めが3回から徐々に効果を見出します。
アングロ選手の力強い左フックのボディブローを再三決められてララ選手の動きが鈍った場面も見えた3ラウンド。

そして4回、接近戦で左フックを決めてララ選手にとってプロ・アマ通じて初だというノックダウンをアングロ選手が奪います。このノックダウンの場面ではダメージもありましたが、それよりも驚きが勝っていたように見えたララ選手でしたが、続く5回からは左右に出るフットワークと右フックリードを増やして再びペースを掌握。
ララ選手の左右へ素早く動く足と左ストレート、右フック、ワンツー、逆ワンツー、アッパーなどのシャープな攻撃が再び試合のペースを圧倒していった流れでした。
しかししかし、9回に今度も左フックでノックダウンを奪われたララ選手。この時もアングロ選手の強烈な左フックのボディブローが伏線になっていたように見えたノックダウンの場面でした。
ここで一気に出たかったアングロ選手でしたが仕留めきれません。結果的には2度目のダウンを奪われたララ選手にとって苦しい局面でしたが、序盤からララ選手の正確でシャープなショットを浴び続けていたアングロ選手にとっても苦しい局面だったいうことなのでしょう。
続く10回にララ選手の左右ストレート攻撃を連続で浴びてアングロ選手が背を向けた場面でレフェリーが割って入って試合は終わっています。

アングロ選手の左目付近の腫れが相当悪化していて、その箇所の痛みに耐え切れなくなったアングロ選手がギブアップしたように見えた試合終了の場面でした。
9回終了時点でのオフィシャルのスコアは85-84ララが2人、1人が86-83アングロというものだった模様。シロート採点85-84ララ。

ボクサーとしての力量という意味ではララ選手が天と地ほどの差を見せつけていた試合内容だったのですが、一発の威力でそれを帳消しにしかけたアングロ選手のパワーが試合を大いに盛り上げた熱戦でした。より優れた選手が勝るとは限らない、というボクシングの真髄・面白さに満ちた好ファイトでした。

ララ選手は18勝(12KO)1敗2分。アングロ選手は22勝(18KO)3敗。


エリスランディ・ララ対バネス・マルティロシャン(2012/11/10)
エリスランディ・ララ対フレディ・ヘルナンデス(2012/06/30)
エリスランディ・ララ対ロナルド・ハーンズ(2012/04/20)
Round by Round ウィリアムス対ララ
ポール・ウィリアムス対エリスランディ・ララ(2011/07/09)
エリスランディ・ララ対カルロス・モリナ(2011/03/25)
エリスランディ・ララ対デルレイ・レインズ(2010/01/14)
エリスランディ・ララ対グレイディ・ブリュワー(2010/01/29)
エリスランディ・ララ対ダーネル・ブーン(2009/07/17)
エリスランディ・ララ対エドウィン・バスケス(2009/05/22)
エリスランディ・ララ対クリス・グレイ(2009/05/02)
エリスランディ・ララ対キース・グロス(2009/02/20)
エリスランディ・ララ対ロドリゴ・アギラル(2009/01/09)

アルフレド・アングロ対ジェームス・カークランド(2011/11/05)
アルフレド・アングロ対ジョセフ・ゴメス(2011/08/20)
アルフレド・アングロ対ジョアキム・アルシン(2010/07/17)
アルフレド・アングロ対ホエル・フリオ(2010/04/24)
アルフレド・アングロ対ハリー・ジョー・ヨギー(2009/11/07)
アルフレド・アングロ対ガブリエル・ロサド(2009/08/07)
アルフレド・アングロ対カーミット・シントロン(2009/05/30)
アルフレド・アングロ対コスメ・リベラ(2009/02/14)
アルフレド・アングロ対アンドレイ・ツルカン(2008/10/4)
アルフレド・アングロ対リチャード・グティエレス(2008/05/17)
アルフレド・アングロ対リカルド・コルテス(2008/02/03)



最新の画像もっと見る

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (先見の明)
2013-06-13 16:30:44
ララはアグレッシブなリゴンドーとして期待してましたが今回は苦しい試合になりましたね。
打倒アルバレスを掲げていたララでしたが、アルバレス相手では厳しいなという印象です。
とはいえ、劣勢になっても自分のボクシングを貫きアングロをストップをさせた精神力は評価されてしかるべきだとは思います。
これほどの実力者が長らく無冠だったのは不遇で有り、ようやく報われた感が有りますが、試合後のシェーファーCEOのララへの冷酷な発言を見る限り、ララの不遇はまだ続きそうな感が有りますね。
リゴンドーやガンボアもそうてすが、キューバ系のボクサーは不遇な扱いを受けてる感がするのは私だけでしょうか?
返信する
Unknown (Aprilweather)
2013-06-13 18:13:12
>リゴンドーやガンボアもそうてすが、キューバ系のボクサーは不遇な扱いを
>受けてる感がするのは私だけでしょうか?

キューバ系アメリカ人は米国内に110万人ほどしかおらず、マイノリティーの
中でも少ない方。
メキシコ系やプエルトリコ系のように強いボクシング熱を持ってる訳でも無い。
その選手の試合を積極的にお金と時間を費やしてまで観ようという人が少なく、
アメリカのボクシング市場で需要が無いから扱いが悪いという単純な話だと思います。
アジア系や旧ソ連系の選手などもおそらく事情は一緒。
極小マイノリティーに属する選手がアメリカで栄光を掴むには、世界王者の
水準を大きく超える実力は前提で、試合自体の面白さ、試合でもマッチメイクでも
恐れを知らないアグレッシブさ、人から愛される(少なくとも興味を引く)性格など
色々必要なんでしょうね。
返信する
Unknown (DK)
2013-06-14 11:11:29
アングロ選手、素晴らしいガッツですね!
ファイトスタイルや風貌でアントニオ・マルガリートを思い出します。
返信する
Unknown (リスクマネジャ)
2013-06-16 03:49:05
Aprilweatherさん

なるほどですね
ガンボア達は、自国に居れば安泰だったのに更なる成功を目指して、厳しい亡命を乗り切ったのですから大成して欲しいですね。
ガンボアはソリス戦は素晴らしかったんですけどねー。でも、このままでは普通の選手で終わってしまいます。
ヘビー級のソリスとかどーしてんだろ?クリチコ戦なんか出だしは良かったんだけど…
オリンピックメダリストといっても、プロで成功するのは、全く違う要素が必要なんですね。
村田選手が何処までやれるか楽しみだけど、簡単では無いかな?
返信する
Unknown (管理人)
2013-06-16 13:11:18
>先見の明さん
Aprilweatherさんが指摘されているとおりなんじゃないでしょうかね。
加えてララやリゴンドーは向こうでウケるスタイルじゃないってのも大きい気がします。
ガンボアは人気の出そうなスタイルですが、ここのところの試合は階級を上げたことで低調なパフォーマンスが続いてて、こちらも厳しい状況かもしれません。

>Aprilweatheさん
かつてのカサマヨールのように周りに強力で魅力のあるライバルが複数入れば輝ける気もするんですけどね。
カサマヨールが輝いていたかどうか意見が分かれる気もしますが

>DKさん
まさにマルガリート2世ですね。
ただこういうスタイルは今後が心配になってしまいます。

>リスクマネジャさん
村田選手には期待しています。おっしゃる通りに簡単ではないでしょうけれど。
返信する

コメントを投稿