WBO・IBFスーパーバンタム級王座統一戦
4階級制覇(1暫定)でWBOスーパーバンタム級王者のノニト・ドネア選手(Nonito Donaire)が南アフリカからのIBF王者ジェフリー・マセブラ選手(Jeffrey Mathebula)を相手に臨んだスーパーバンタム級王座統一戦は米国カリフォルニア州で行われ、ドネア選手が12回大差の判定で勝利して王座統一に成功しています。(体格比較)
試合開始と同時に左アッパーで仕掛けていったドネア選手。倒してやろうとの意気込みを十二分に感じさせるド迫力の左フック、右フック攻撃でスタートから南ア人を圧倒してきます。
しかし初回はこのドネア選手の攻撃の迫力に圧倒されて動きがちぐはぐにも見えたマセブラ選手でしたが、2回からは軽いもののよく出て相手に当たる左ジャブ主体の攻めで徐々に自らのリズムを作っていきます。4回にドネア選手の強烈な左フックをカウンターで浴びせられてノックダウンを奪われる場面もあったものの、こつこつ当てる左ジャブと時折見せる右ストレートや左アッパー・フックなどの軽い攻撃を当ててよく健闘はしていました。
ドネア選手の方はとにかく倒そうという意識が強すぎで振りが大きくなりがち。強烈な右ストレートや左フックを浴びせたり、ガードの上を叩いて相手を吹き飛ばしたりと、常にプレッシャーを掛けて前進していたのはドネア選手だったのですが、見ようによってはマセブラ選手の軽いヒットでのボクシングを前に強引な攻めが空転、とも取れる中盤戦の攻防でした。
コーナーのロバート・ガルシアの指示があったと試合後にドネア選手自身が語っていた通り、7回あたりから右をフェイントにした左ストレートや左ジャブを起点にした攻めを見せてリズムの再構築を図ったドネア選手でしたが、マセブラ選手の軽いヒットが入る状況はなかなか打開できずリズムに乗り切れません。
ドネア選手が苦しんでいる、というペースではないものの、リズムに乗り切れない・手を焼いているという流れで、ポイント的にはもしかすると最終的に接戦あるいは逆転を許す見方なんてのもあるのか…?と心配していた11回に素晴らしい右ストレートを決めてマセブラ選手の急激な失速を呼んだのは流石でしたが、ドネア選手にとっては手放しには喜べない内容だったかもしれません。
CompuBox Stats: Donaire Lands Harder, Mathabula Busy
Jabs,Powerpunches
ヒット数でマセブラが80ヒットリード。ラウンド毎で見ると9マセブラ-2ドネア-1ドロー。
公式のスコアは119-108、118-109、117-110の大差3-0ドネア。シロート採点115-112ドネア。
4回にノックダウンを奪い、11回にも効かせた末の大差勝利にも関わらず不満点も感じてしまうのはドネア選手に対する期待が大きいからに他ならないでしょう。自身も反省の弁を語っていたことですし、今後にも変わらず大きな期待を持って次の試合を待ちたいです。
ドネア選手は29勝(18KO)1敗。マセブラ選手は26勝(14KO)4敗2分。
Nonito Donaire Tested, Gets Past Jeffrey Mathebula, UD12(Michael Woods/The Sweet Science)
Donaire Defeats Mathebula, Unifies The WBO/IBF Titles(Rick Reeno/BoxingScene)
Toshiaki Nishioka: If No Donaire, I'll Fight Abner Mares(Rick Reeno/BoxingScene)
リングサイドで観戦していた西岡利晃選手「ドネアとの試合をもう1年待っている。米国で試合をすることも含めてドネア戦実現に向けてこちらに問題は何もない。もしドネア戦が実現しないなら、マレスとの試合を考える」
Donaire vs Arce in Play For Staples Center in October(Ronnie Nathanielsz/BoxingScene)
Nonito Donaire vs Jorge Arce '90 Percent' For October(Scott Christ/Bad Left Hook)
写真
Report/gallery: Donaire vs. Mathebula(Ringside by Francisco Salazar and Rocco Morales Photos by “Big” Joe Miranda/Fightnews)
Exclusive photos: Behind the scenes at the Donaire-Mathebula HBO event(Examiner)
Photos: Donaire-Mathebula, Pavlik-Rosinsky Mega-Gallery(BoxingScene)
Nonito Donaire Unifies, Looks “Definitely” to Nishioka(Cliff Rold/BoxingScene)~115-112ドネア
NONITO DONAIRE CAPTURES 2ND JR. FEATHERWEIGHT TITLE FROM GAME JEFFREY MATHEBULA(Ben Thompson/Fight Hype)~115-112ドネア
ESPNのDan Rafaelは116-111ドネア
Donaire vs Mathebula: Live Results and Round-By-Round Coverage(Scott Christ/Bad Left Hook)~115-112ドネア
複数階級制覇
ノニト・ドネア対ウィルフレド・バスケスJr(2012/02/04)
ノニト・ドネア対オマール・ナルバエス(2011/10/22)
フェルナンド・モンティエル対ノニト・ドネア(2011/02/19)
ノニト・ドネア対ウラジミール・シドレンコ(2010/11/04)
ノニト・ドネア対アーナン・マルケス(2010/07/10)
ノニト・ドネア対マヌエル・バルガス(2010/02/13)
ノニト・ドネア対ラファエル・コンセプション(2009/08/15)
ノニト・ドネア対ラウル・マルチネス(2009/04/18)
ノニト・ドネール対モルチ・ムサラニ(2008/11/01)
ノニト・ドネール対ルイス・マルドナド(2007/12/01)
ビック・ダルチニアン対ノニト・ドネール(2007/07/07)
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前試合・前々試合と目が覚める様なパフォーマンスは見せられなかったので、それを払拭する為にも今回の試合でKO決着を狙う力みが画面越しにも伝わりました。
周りの評価が高く期待されているスターの重圧ですね。
今後の試合ではコンビネーションを取り入れて遊び心満載の閃光を見せて欲しいですです。
前々から気になっていた事なのですが、ドネアは左利きなのでしょうか?
左利きのオーソドックススタイルの様に感じてしまいます。
強いことは強いですが、相対的にパワーにかげりが出てきてるように感じるのですが。
ガードを固める相手にはもっとボディ打ちやジャブ、コンビネーションを取り入れて欲しいですね。その方がリズムも出ますし、一発も当たりやすくなると思います。
個人的にはドネアはパワーで倒すというよりは、タイミングとパンチのキレで倒すタイプだと思っているので今の力んだボクシングは少し残念です。好きな選手であることに変わりありませんが。
もしくは悪くいうと、相手をなめているみたいにも思います。
ダルチ戦やモンチ戦など、これという相手以外では集中力というかモチベーションというかに、差がありすぎるように思いますね。
一発KOを狙うあまり挑発やフェイントばかりで、ダルチ戦やモンティエル戦のようなピリピリした緊張感がまるで感じられなかったです。
閃光のようなステップも破壊的なストレートも次回に持ち越し・・・
次の試合ではもっとクレバーなドネアが見たいですね。
本来はもっとちゃんとボクシングを組み立てられたと思うんですが、一体誰がドネアにボクシングを教えてるのか疑問すら覚えました。
マゼブラは本来のドネアのボクシングで有れば、ちゃっちゃと片付けたレベルに思えます。
今の出来の悪いドネアで有れば、ちゃんとボクシングを組み立てられ、尚且つモンスターレフトという一発も持っている我等が西岡利晃ならば十分付け入る隙が有る所か、かなり高い確率で勝てるのではと確信しております。
西岡はあんな大振りなフック貰わないし、マゼブラのようにドネアを恐れたりもしません。
これはかなり期待して良いと思います。
ドネア恐るるに足らずです。
西岡に不安が有るとすればブランクですね。
マルケス戦から結構空いてるので心配です。
ドネア狙いは良いのですが、調整試合は挟むべきだったな~と思います。
多分脂肪を省いた体格ではバンタムの頃と殆ど変わっていないのではないでしょうか?
長谷川もそうなのかもしれませんがフィジカル面での余裕のなさがボクシングの雑さに出ているような気がします。
雑誌でも魔拳と表現されていたシドレンコ、モンティエル戦あたりの出来のドネアを再び見たいです。
どうなんでしょうか?私もわかりませんね。利き腕。
>Unknownさん
私個人の意見を言えば答えはノーですね。
>たこぼうずさん
そのご指摘は誰もがわかっていることで、ドネア自身も、また陣営も同じでしょう。
それでも考えているようには行かないってのが面白いところであり難しいところなんだと思います。
>Unknownさん
狙いすぎる傾向ってのは以前からあった姿でもあるんですけどね。まぁ今回ばかりはそれが強すぎた、というのは本人もよくわかっている感じでしたし次良くなれば万事オーケーでしょう。
それを期待できる選手ですし。
>バークさん
良いジャブを持っているのでそれをもっと使って欲しいです。
>先見の明さん
強烈な一打を持っていて、そしてその一打で実際に倒してきているのでどうしてもそれを求めてしまう というドネアの姿は心情的によく理解できます。指導うんぬんという話とは別で、ボクサーとしての本能みたいなものでどうしようもないものなんでしょう。
ただこういう試合、経験を経て学習、成長していくんだとも思います。
対西岡の実現は現時点では相当厳しいと思っていますが、実際やれば両者のパワー差が出てしまう試合になる気がします。私はドネア有利と見ています。
>寛さん
どうでしょうかね?
見た目はぷにぷにですが、スピードやキレは十二分に保っているんで私は特に問題は感じません。