
WBCスーパーミドル級王座決定戦
カメルーン生まれの豪州人でWBC1位にランクされているサキオ・ビカ選手(Sakio Bika)と3位にランクされているメキシコの28歳マルコ・アントニオ・ペリバン選手(Marco Antonio Periban)との間で争われた空位の王座決定戦は米国ニューヨーク州のブローナー対マリナッジ戦のアンダーカードとして行われ、ビカ選手が12回2-0判定を制して初王座に就いた一戦でした。(体格比較)
ワイルドに振る左右で迫るビカ選手の攻めがリードした試合前半戦。大柄なペリバン選手がフットワークとジャブとで組み立てようとするのに対してとにかく思い切りビュンビュン振り回す右などでラフに攻めるビカ選手の積極的な攻めがペースをキープしていきます。
しかし力が入り過ぎなわりには見た目ほどの効果を生んでいるようには見えないビカ選手の攻め。上半身の力のみの全力の攻撃は体力の消耗も激しく中盤に入る頃にはビカ選手は肩で息をしはじめます。ビカ選手の息が上がってしまい攻撃の勢いが落ちるにつれてペリバン選手がペースを徐々に引き寄せていった中盤以降の流れ。
ビカ選手のワイルドな攻めの打ち終わりに合わせる右アッパーや左フックが効果を生み、ワンツーや左フックのボディも決めていきます。
それでもワイルドな攻めを敢行し続けていたビカ選手。見るからにバテバテなのですが、力いっぱい振り回す左右を決めることでペリバン選手の側に傾いたペースの中なんとか踏みとどまり、最終12回も疲労でヘロヘロになりながらもビッグショットを度々決めてメキシカンの追い上げを振り切って接戦を制しています。
公式のスコアは115-113、116-112、114-114という2-0ビカ。シロート採点115-113ビカ。
06年にカルザギ選手に挑んで敗れてからもう7年。大阪で東洋王座を強奪したこともある34歳が4度目の挑戦で悲願の王座を掴んだ勝利がなんか沁みました。
ビカ選手は32勝(21KO)5敗2分。ペリバン選手は20勝(13KO)1敗。
Sakio Bika Decisions Periban To Capture The WBC Title(Thomas Gerbasi/BoxingScene)
アンドレ・ウォード対サキオ・ビカ(2010/11/27)
サキオ・ビカ対ジャン・ポール・メンディ(2010/07/31)
サキオ・ビカ対ネストール・カサノバ(2009/07/30)
サキオ・ビカ対ピーター・マンフレドJr(2008/11/13)
サキオ・ビカ対ジェイドン・コドリントン(2007/11/06)
ルチアン・ブテ対サキオ・ビカ(2007/06/15)
荒木選手に勝っていったのが2005年。
そのあとに世界初挑戦ですから、ずいぶん息の長い選手になったものです