前回の続きです。新規発症の巨細胞性動脈炎(GCA)でステロイド治療の副作用軽減目的でのステロイド温存薬剤についてです。MTX以外はどうでしょうか。
アザチオプリン、レフルノミド
・De Silvaらは、PMRとGCA例においてグルココルチコイド(GC)量を低減するためのアザチオプリン(50mg)の効果をみるため、1年間の二重盲検プラセボ対照試験を実施。平均プレドニゾロン投与量の . . . 本文を読む
前回の続きです。巨細胞性動脈炎(GCA)でも治療の1st line はステロイドですが、PMRのときと同じく、ステロイド温存薬剤も検討されます。そしてPMRのときと同様にまずはMTXが検討されます。そのあたりをまとめました。
導入治療:その他の薬剤
・コルチコステロイド(GC)温存薬剤
コルチコステロイド単独でほとんど常にGCAの臨床症状を制 . . . 本文を読む
前回に続きまして、巨細胞性動脈炎(GCA)の治療についてです。
ステロイドの効果
・失明以外のほとんどのGCAの症状は通常、コルチコステロイド(GC)療法の開始後24〜72時間以内に改善し始める。また、炎症のルーチン検査パラメータ(赤血球沈降速度およびCRP)の正常化は、治療の開始後2-4週間以内に起こる[24]
・頭痛は、GC開 . . . 本文を読む
前回まではリウマチ性多発筋痛症の治療に関してまとめましたが、今回からは巨細胞性動脈炎の治療に関してです。以前は側頭動脈炎といわれていたもので、頭蓋内動脈以外の血管病変も知られるようになり、このように呼ばれるようになっています。
最近も高齢の方で、側頭動脈生検で巨細胞の存在と炎症細胞浸潤から、診断に至った例があり治療開始となりました。過去に高齢の方へのGCA例でステロイドが高容量かつ長期化していろ . . . 本文を読む
前回の続きで、いよいよステロイド治療のみでは難渋するPMRの治療についてです。グルココルチコイド(GC)が順調に減らせて最初の再燃時では再度GC増量でよいと思うのですが、GCが順調に減らせないときや、何度もGC漸減後に再燃する場合が、悩ましいと思います。ここでMTXや生物学的製剤なども考慮されると思いますが、難治例で最も有望なのは抗インターロイキン6受容体薬治療(トシリズマブ)のようです。日本では . . . 本文を読む
前回の続き。今回はPMRの再燃とリスク因子、ステロイド抵抗性についてです。とくにプレドニゾロン減量速度についてはなるべく早く減らしたいという気持ちはありますが、その加速は再燃リスクが増えるため、加減が難しい所ですね。
再燃とリスク因子について
・単発性PMR患者ではプレドニゾンPSLへの迅速反応はコルチコステロイド(GC)療法の開始後最初の1週間以内に達成され、 . . . 本文を読む
前回のつづきです。PMR治療でステロイド治療のみでは副作用が懸念され使いにくいとか、再発などで長期使用となりそう、などで他の薬剤を併用することを考えると思います。これまでの文献ではこのあたりはどういわれているのでしょうか。
他の治療薬
・代替的なコルチコステロイド節約薬は深刻なコルチコステロイド関連副作用を経験する巨細胞性動脈炎(GCA)またはリ . . . 本文を読む
前回のつづきです。
初期治療、ステロイド (プレドニゾロンとメチルプレドニゾロン)
・単発のリウマチ性多発筋痛症(PMR)例にプレドニゾン(PSL)の初期投与量は15~20 mg /日で、一般的に巨細胞性動脈炎(GCA)(いわゆる側頭動脈炎)例よりも低い [ N Engl J Med. 2014 Jul 3 . . . 本文を読む
これまでもこのブログでリウマチ性多発筋痛症(PMR)についてとりあげてきました。(→ ブログ; リウマチ性多発筋痛症 最近の文献から、リウマチ性多発筋痛症におけるメトトレキサート、英国のリウマチ性多発筋痛症治療のガイドライン2010、リウマチ性多発筋痛症 Lancet、EULAR/ACRのリウマチ性多発筋痛症分類基準2012、リウマチ性多発筋痛症と高齢発症関節リウマチの区別:5年間の前向 . . . 本文を読む
前回の続きで、皮膚筋炎などの特発性炎症性筋疾患の診断についてです。各診断基準の感度特異度比較もなされています。より初期の判定基準、すなわち Bohan Peterや谷本基準(指定難病の基準でもある)は感度はいいものの特異度が相当低く、疾患拾い上げには良くても確定にはならないことがわかる。2004年の欧州神経筋センター(ENMC)基準が、臨床基準、CK上昇、MSAやMRI所見を含む他の検査 . . . 本文を読む
前回の続きで、皮膚筋炎などの特発性炎症性筋疾患の診断についてです。
前回書きましたように、この疾患群では、特徴的な病理所見、臨床症状、検査所見、画像所見などありますが、決め手になるような単項目はありません。昔より診断のための分類基準がいくつか提唱されてきています。時代の進歩にあわせ変遷してきており、詳細な病理所見や筋炎特異的抗体検査の結果を取り入れる試みもなされてきています。それぞれの基準にはそ . . . 本文を読む
このブログではこれまで、多発性筋炎や皮膚筋炎を含めた特発性炎症性筋疾患について取り上げてきたこともありますが(→アミノアシルtRNA合成酵素抗体と抗シンセターゼ症候群について、ステロイド治療に難治性の特発性炎症性筋疾患 その1、その2)、多発性筋炎や皮膚筋炎の診断について臨床ではなかなか悩むことが多いものです。典型例であればわかりやすいのですが、皮膚所見が微妙だったり、筋生検へ敷居が高か . . . 本文を読む
リウマトイド因子RFにつきまとめました前回の続きです。
抗シトルリン化タンパク質/ペプチド抗体(ACPA)はRA診断においてさらに特異度を改善したとされていますが、はたしてこれが陽性であればRAとほぼ診断できるのでしょうか?
ACPA陽性と関節症状で当初RAと診断したものの、移動性の関節炎であったり、あまり炎症反応上昇せずにすぐによくなったり、乾燥症状やレイノーがはっきりして、他の膠原病だっ . . . 本文を読む
当初、手指のPIP関節などの疼痛あり来られた方で、PIP腫脹や圧痛の目立ち、RFは陰性でも早期RAを否定しきれずエコーやMRIなど画像検査で滑膜炎所見あればなおさらRAとして治療に入ることが多い。しかしその後比較的速やかに炎症も症状も改善して初期治療がうまくいったと考え経過をみている例で、XPをとっていくとDIPやPIPに骨棘変化など明らかになってきて、またそれら以外の関節への病変の広がりもなく、 . . . 本文を読む
最近の外来で、急な体幹部痛(体幹の前後とも広範囲に)あり後に下位胸椎の圧迫骨折発生であることがわかった例がありました。最初はのちに原因と分かった胸椎の局所痛の訴えなく2回のXP検査でその変化がわかりました。別の症例は、極度の背側弯を伴う骨粗しょう症の方で急な左腹部痛の訴えで受診されました。疼痛は左腸骨稜上端あたりにあります。幸い以下に紹介しますClinical pearlsの文献を読んで . . . 本文を読む