クレール美容室の独り言

近年は女性の抜け毛や薄毛が増え続けています。それらの予防にために安全な美容施術やヘアケア商品の開発を行っています。

伸びた時こそ技術の差が・・・

2020年02月02日 | 美容について
先日、あるテレビ番組を見ていたらSNSで話題となった美容室の事を取り上げていて、その仕事を見て「今はこんなに簡単で良いのかな〜?」って感じがしました。
なぜなら、ほとんどのお客様が2ブロックで、しかもバリカンでガ〜って刈り上げ、残りの髪をスカスカに梳いてスタイリング剤を塗って「ハイ終わり〜」って感じで、何とも雑な仕事だったからです。

翌日、同じ番組を見ていたお客様が「あれなら私でも出来そうな感じ」と言っておられました。
確かに2ブロックの髪形は本当に簡単です。

そう言えば昔、チェッカーズがデビューした頃、2ブロックの髪形をオーダーされたら若いスタッフがとても喜んでいたのを思い出します。
なぜなら刈り上げを見せることなく事がないので面構成は関係ないし、少しぐらい穴をあけても刈り上げがあまり見えないから誤魔化せていたからです。

まあそれは置いといて、それよりも驚いたのはそのお店の作りで、エアコンが普通のルームエアコンで吹き出し口のすぐ下にセットスペースがあった事です。
これ実はとても重要な事で、ヘアカラー剤やパーマ剤は室温の変化にはとても繊細なんで、エアコンの風が直接当たるところでは冬は暖房で加温され、夏は冷房で冷やされる。
すると薬剤の正しい反応が難しくなり仕上がりにムラが出来やすいのです。
私達の仲間の美容師はエアコンの風向きや室温にとても拘ります。でも、そんな事はお構いなしって思っているのかも知れないですね。

さらに驚いたのは「3ヶ月前に切ってもらって、伸びたから切りに来た」と言うリピーターの男性客の髪で、左右の伸び方(ボリューム感)がまるで違っていて「こんなのアリ?」って言うぐらい酷いバランスでした。

今の美容室に求められるものは、その程度なのかもしれませんね。

当店は男性のお客様は受け付けをお断りしていますが、これまでにお付き合いのある男性のお客様の刈り上げは全てシザースのみです。
でも私達の時代の美容師には当たり前のことだと思います。それだからなのか、何時も長持ちすると言われます。

美容室でのカットで最も重要な事は切った時よりも伸びた時の収まり方で、むかし先輩方に厳しく叩き込まれた基礎カット。
当時は「こんな練習は何になるのか?」なんて思っていたけど今はそれを続けてきて良かったと思います。

どの職業にも言えるけど、厳しいと続かない。
そんな時代の中で少しずつ失われていく職人気質を思うと残念な気がします。

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 最新サンプルでGO!? | トップ | 「サイエンスは裏切らない」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

美容について」カテゴリの最新記事