クレール美容室の独り言

近年は女性の抜け毛や薄毛が増え続けています。それらの予防にために安全な美容施術やヘアケア商品の開発を行っています。

石鹸シャンプーの疑問?

2008年12月24日 | 安全な美容を選んでね

最近、石鹸シャンプーへの質問が増えましたが、その事について簡単に説明しましょう。

石鹸シャンプーの洗浄基材は苛性ソーダや苛性カリなどのアルカリ金属元素の水酸化物質からなり、いずれも強いアルカリ性を示します。

意外にも洗浄力が強く、皮脂を根こそぎ洗い落とし、皮膚(頭皮も)を守るための常在菌の生活環境が奪われ、雑菌の繁殖を増やし皮膚トラブルを起こしやすくする事があります。

また、強い脱脂力から毛穴に存在する皮脂を除去しすぎるため経皮吸収がしやすくなり、パーマ剤やカラー剤の侵入を防ぎにくくなり、その結果、毛包・毛根鞘・毛母細胞・毛乳頭などを形成する幹細胞の損傷を起こしやすくなる事もあるのです。

また、石鹸シャンプーの石鹸基材は意外と生分解性が悪く(石鹸カスなど)頭皮・頭髪への残留が多く、パーマ剤やカラー剤の作用が悪くなり希望する仕上がりにはなりにくくなります(美容師泣かせでもあるシャンプーです)

それよりも問題なのは、残留している石鹸基材とパーマ剤のチオグリコール酸との化学反応により、チオグリコール酸カルシウムと言う物質に変化し、これは最も脱毛しやすい化学物質へと変化してしまいます。

さらに頭皮の水分を保つための※NMFのバランスが崩れ水分保持力が難しくなり、乾燥が強くなる事でフケや痒みの原因にも繋がります。

さらには、石鹸シャンプーは強いアルカリを示す事で必要以上に毛髪を膨潤させ、毛表皮(キューティクル)毛皮質の組織結合が弱まり、毛皮質内のケラチンタンパク質やシスチンなどの間充物質が流出し、今までは高齢が原因と思われてきた細毛・薄毛・ハリ・コシの無い毛髪の原因にもなるのです。

そのアルカリを中和するために酸リンスが必要となりますが、洗浄基材そのものに原因があるために酸リンスによって毛髪の等電点をあわせても一過性の対処法に過ぎず、毛髪のキシミや頭皮のトラブルを回避する事は出来ません。

この様に石鹸シャンプーにも多くの問題があり、現在では多くの化粧品メーカーさんも製造することを避けています。何よりも、シャンプーに比べ、長い歴史を持つ石鹸に取って代わりシャンプー剤が生まれてきた事が、石鹸質が洗髪に適していない事を物語っていますね。

そのために、最近では石鹸シャンプーや硫酸系シャンプーの欠点を補うために開発された無添加シャンプーが注目を集めているのです。

しかし、必ずしも石鹸シャンプーや硫酸系シャンプーだけが悪いと言うわけでは無く、無添加と表示されている物も含め、どのような商品にも好みや相性があり、選ぶ基準は人それぞれなのです。ですが、商品の特性や事実を把握する事が大切であり、それを知った上で自分に合った商品を選ばれることを、お勧め致します。

※NMF(天然保湿因子)は幹細胞内にあり水溶性の成分で、吸湿性がきわめて高く、一度蓄えた水分を離しにくい性質を持っています。特に角質層の柔軟性を保持するのに大切な役割を担っています。皆さんに忘れないで欲しいのは、新生毛は、この幹細胞の中で作られ、健康で健やかな毛髪は水分をタップリ含んだ幹細胞内で作られるのです。

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