クレール美容室の独り言

近年は女性の抜け毛や薄毛が増え続けています。それらの予防にために安全な美容施術やヘアケア商品の開発を行っています。

そんな時代じゃなくなりました

2017年04月19日 | ヘアケア
今日のニュースにこんな記事がありました

「聖子ちゃんカット」生みの親、美容室が破産
 東京商工リサーチは19日、美容室運営のHAIR DIMENSION(ヘアーディメンション、東京都港区)と関連するヘアーディメンションホールディングス(同新宿区)が東京地裁から破産開始決定を受けたと発表した。負債額は調査中という。
 東京・青山や表参道などで有名美容室「HAIR DIMENSION」を運営。アイドル全盛期の歌手・松田聖子さんが採用した「聖子ちゃんカット」の生みの親で、「カリスマ美容師」ブームのさきがけとしても知られていた。40年以上の老舗だが最近は実質的に店舗を閉鎖していたという。(毎日新聞より)


特に驚く事ではありませんが「チェーン店展開すれば流行る」そんな時代じゃなくなり、今はどの業界でも個人経営の質の良いサービス(おもてなし)に目を向けられるようになって来たからです。

例えば、バブル期にあれほど多かったファミリーレストランも今では約半数ほどに減少し、今ではオーナーシェフが自ら手掛ける美味しい料理を求めるがために個人経営のお店を訪れるお客様が増えているのです。

実際にお料理の質を比べれば自ずと答えは出ますよね。

私たちの業界も大型チェーン店を持つことがステータスであると思われていた時代がありましたが、売り上げの殆どを人件費や家賃などに追われ、肝心の薬剤などには経費を掛けられないと言うのが実情です。

しかも流れ作業のようにシャンプーやカット、パーマやブローなどそれぞれの施術をバラバラの担当者が行う、そんな仕事に嫌気を指している消費者の方々が増えているのです。

競合店の増加で価格競争のみがどんどんエスカレートし、ディスカウント合戦の末に安価で粗悪な美容材料を選ばざる得ないと言う悪循環が美容技術とは別に仕事の質を下げてしまう。

そのために腕の良い美容師が大型チェーン店を離脱し、独立することでお客様の分散傾向が止まらなくなると言う連鎖が昔よりもひどくなっているようです。

私も昔は関西最大手の美容室で修業をしましたが、こんなシステムは何時か廃れるとずっと思っていたし、自分が客として行くならば何かおかしい?と思っていました(事実40店舗以上で社員数が600人ぐらいいた会社でしたが現在は2店舗しか残っていないそうです)

本当にお客様のために良い事をしようと思っているオーナーならチェーン店はおろか、従業員をたくさん抱える事さへ本来は難しい事だと思います。

それは、私たちのような職業は手の感覚(感性)が一人一人違うので、理論は教えられても感性だけは伝えきれないからです。

私の大好きなメガネ屋さん、イタリアンレストラン、ケーキ屋さんなど達人の職人さん後継者を育てられない理由に「感性は教えられない」と言われます(同感)

今回のように業界最大手のお店でさへ、倒産に追い込まれるような時代になった事でハンティングやポスティングなどのディスカウントしか手が無い美容室は危機感を感じている事でしょうね。

先日も『日本予防医学美容家協会』の会長である関先生からも「最近は女性の育毛の講演会依頼がたくさんあって忙しい」と話していましたが、ようやくそんな時代になったんだな~と思いました。

でも、これも悪戯に過度の美容施術を勧めてきた化粧品メーカーやそれを行ってきた美容室にも責任の一端はあるのではないでしょうか?

私達、美容師が最も大切にしないといけない事は、売り上げ増加や集客数の数などではなく、ご来店下さる一人一人のお客様の頭皮頭髪の健康管理だと思います。


コメント
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