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ある産婦人科医のひとりごと

産婦人科医療のあれこれ。日記など。

外陰原発の悪性腫瘍

2006年07月10日 | 婦人科腫瘍

外陰に原発する悪性腫瘍の発生頻度は全女性性器癌の約4%とされる。すなわち女性人口100万人当たりの年間発生数が10例前後と推定される比較的まれな疾患である。

外陰悪性腫瘍の組織型は、扁平上皮癌がその大部分を占め、悪性黒色腫がそれに次ぐ。

扁平上皮癌 Squamous cell carcinomaは、角化型 Keratinizing、非角化型 Nonkeratinizing、類基底細胞型 Basaloid、疣状型 Verrucous、湿疣型(コンジローマ様癌) Warty (condylomatous)、その他 Othersに分類される。このうち類基底細胞型、湿疣型は、ヒトパピローマウイルス16型との関連が指摘されている。

臨床進行期分類として国際産科婦人科連合(International Federation of Gynecology and Obstetrics: FIGO)の分類が使われている。

ちなみにFIGOのAnnual reportでの5年生存率は、Ⅰ期69.4%、Ⅱ期48.8%、Ⅲ期31.7%、Ⅳ期12.6%である。

外陰癌の進行期分類

1994年FIGO進行期分類

0期:上皮内癌

Ⅰ期:外陰または会陰に限局した最大径2cm以下の腫瘍。リンパ節転移はない。
 Ⅰa期:外陰または会陰に限局した最大径2cm以下の腫瘍で、間質浸潤の深さが1mm以下のもの※。
 Ⅰb期:外陰または会陰に限局した最大径2cm以下の腫瘍で、間質浸潤の深さが1mmを超えるもの。
 ※浸潤の深さは隣接した最も表層に近い真皮乳頭の上皮間質接合部から浸潤先端までの距離とする。

Ⅱ期:外陰および/または会陰のみに限局した最大径2cmを超える腫瘍。リンパ節転移はない。

Ⅲ期:腫瘍の大きさを問わず、
(1) 隣接する下部尿道および/または膣または直腸に進展するもの。
  および/または
(2) 一側の所属リンパ節転移があるもの。

Ⅳa期:腫瘍が次のいずれかに浸潤するもの:
上部尿道、膀胱粘膜、直腸粘膜、骨盤骨および/または両側の所属リンパ節転移があるもの。

Ⅳb期:骨盤リンパ節を含むいずれかの部位に遠隔転移があるもの。


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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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 いつもこのサイトを興味深く読ませていただいて... (OBGYN)
2006-07-10 20:16:39
 さて,重箱の隅をつつくようで大変恐縮なのですが,「下部尿管」「上部尿管」ではなく,「下部尿道」「上部尿道」の間違いではないでしょうか? ケアレスミスと思いますが,お知らせまで.
返信する
OBGYN・さま (管理人)
2006-07-10 22:17:43
ありがとうございます。御指摘の箇所はさっそく直しました。

今年の12月9日に婦人科腫瘍専門医認定試験が実施されます。そろそろ試験に向けた勉強を始めなきゃと思っています。第1回目なので、どんな試験になるのか?さっぱりわかりませんが、教科書に書いてある超基本的知識は、きちんと覚えておく必要があると思います。

今後ともよろしくお願い申し上げます。
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